世界が忌み嫌うプルトニウム・MOX燃料仏から日本へ輸送開始

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メルトダウンを起こした東京電力福島第一原発の3基の核燃料は溶け落ちたままで放射能を放出し続け事故処理は終わっていない。そんな中でも原発は各地で動き始めた。6月には関西電力高浜3号機が再稼働した。この原子炉には危険なプルトニウムを含むMOX燃料が使われている。福島第一で大爆発した3号機にもMOX燃料が使われていた。MOX燃料はフランスで作られ、今年の7月にも高浜4号機用に日本へ海上輸送されることがわかった。輸送船のルートにある近隣の国々はプルトニウム・MOXは危険だとして海上輸送に猛反対してきた過去がある。先進国で原発を続けようとする国は日本だけになりつつある中で、福島原発事故から教訓を得ることなくMOX海上輸送を繰り返す日本は世界のひんしゅくを再び買いつつある。
2013年にもフランスから日本へMOX燃料が運ばれたが、積み出し港では日本は福島原発事故から教訓を学んでいないとして地元の人々が輸送船の出港に抗議した

プルトニウム利用で危険増大ーー高浜原発3号機が再稼働へ。7月7日にも、高浜4号機用MOX燃料のフランスからの海上輸送を開始

「本日再稼働する高浜原発3号機には、プルトニウムを含むMOX燃料集合体が24体使われています。グリーンピースが独自に入手した情報によれば、関西電力は7月7日にも、高浜4号機用MOX燃料のフランスからの海上輸送を開始するとのことです(注1)。


MOX燃料の海上輸送には、海上事故による海洋汚染や、プルトニウムがほんの5キログラムで核爆弾を作ることができる核兵器材料であるため、テロリストに奪われるなどの高いリスクがあります。また、MOX燃料を使用する原発は、過酷事故のリスクが高まり、さらに事故の場合の被害はより深刻なものになります(注2)。


使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して利用する核燃料サイクル計画の破綻は、高速増殖炉もんじゅの失敗、建設から20年経っても本格稼働できない再処理工場を見ても明らかです(注3)。日本政府と関西電力は、破綻しているプルトニウム計画のために、関西圏の住民を大きな危険にさらしています。このような再稼働は許されません」

出典: 2017/06/06 グリーンピース声明:プルトニウム利用で危険増大ーー高浜原発3号機が再稼働へ

16体のMOXには496〜736kgのプルトニウムが含まれ原爆に必要なプルトニウムは約5kg。原研機構で漏れたプルトニウムは数マイクログラム。

爆発したMOX燃料を使っていた福島第一3号機。プルトニウムは燃えやすいことから核爆発を起こしたとも言われる3号炉だがMOXは炉内で溶け落ちた。
注1) 通常、MOX燃料輸送積み出し港については、欧州出発日の数日前まで、出発日、輸送ルート、到着時期、積出港、輸送船名、輸送物は、欧州出発後まで公開されない。今回グリーンピースが入手した情報によれば、少なくとも16体のMOX燃料集合体を積んだ英国船籍輸送船が、7月7日フランスのシェルブール港から日本へ向けて出港する予定。プルトニウムの量は496から736キログラムと推測される。核兵器1発に必要なプルトニウムの量は5キログラム。輸送船は武装したパシフィック・イグレットとパシフィック・ヘロンで、どちらか一方にMOX燃料集合体が積まれ、もう一方が武装警護の役割を果たす。高浜に到着するのは、パナマ運河経由の場合8月中旬、喜望峰またはホーン岬経由の場合は9月上旬になる。

注2)プルトニウム燃料は、ウラン燃料より制御棒の効きが悪くなるなどの性質があり、ウラン燃料用に設計された高浜原発での使用で、より安全余裕が小さくなる。また、製造者であるアレバ社の品質管理状況に疑義があり、グリーンピースは他のNGOとともに、MOX燃料に関する安全データの公開を求めているが、アレバ社は現時点で応じていない。

注3) 日本が保有しているプルトニウムは、合計約48トン。英仏に38トン、国内に10トンが保管されている。

出典: 2017/06/06 グリーンピース声明:プルトニウム利用で危険増大ーー高浜原発3号機が再稼働へ

輸送船が事故を起こした場合の責任者が不明確で、海上輸送の調査会社が「通行の激しい港湾、水路で事故が起こる可能性が高く、そこは通常人口の多い地域に近い。不測の事態に対する計画が不足している」と指摘すると、潜在的な被害者となる危険の高い国々が領海通過を拒否する声明を次々と出した。

特にアメリカ下院は輸送船を「浮かぶチェルノブイリ」になりかねないとして、アメリカ領海内での輸送船の通過を禁止する法案を本会議で可決した。プエルトリコ、北マリアナ諸島、アメリカ領サモア、グアム 、ヴァージン諸島、その他全てのアメリカ領内で適用され、「緊急事態が発生しても立ち入りや寄港を許さない」とする厳しいものだった。その結果、たった1回だけ行われたプルトニウム輸送は南アフリカ、喜望峰経由の2万3000kmもの超長距離輸送となった。

日本政府を非難したり経済水域に入ることに反対の声を上 げた国は53カ国にのぼった。南アフリカは経済水域への立ち入りを認めないと声明。インドネシアの環境庁長官かはマラッカ海峡通過に反対。カリブ海諸国の反対でパナマ運河経由の輸送が行なわれたのは高レ ベル廃棄物輸の1回のみ。ホーン岬経由の時はブラジル空軍機の追跡を受け、チリ海軍は経済水域内の航行を拒み「武力行使も辞さず」と最大級の警告を行なった。その他,ミクロネシア、ニュージーランド,オーストラ リアを含む南太平洋フォーラム、アイルランドやノルエーなどが強い反対の意を表明した。

米国下院本会議、航路周辺国の環境や国民に悲惨な結果をもた らす可能性があるとして日本の輸送を非難

2009 年 3 月 18 日、下院本会議において、エニ・ファレオマヴァエガ(Eni F.H. Faleomavaega)下院国際関係委員会、アジア・太平洋及び地球環境小委員長(民主党、アメリカ・サモア代表)は、同年3月 6日にフランスを出港し、喜望峰や南太平洋を経由して日本に向かう 2 隻の船によるプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(plutonium mixed-oxide nuclear fuel: MOX)の輸送について批判する、5 分間の演説を行った。ファ レオマヴァエガ小委員長は、日本から欧州に向けても 170 回の輸送が行われたこと、この輸送計画は航路付近の諸国に対しいかなる協議や通知もなく秘密裏に行われていることを取り上げ、船舶や船荷を含むいかなる事故も航路周辺国の環境や国民に悲惨な結果をもたらす可能性があること、さらには海賊被害の多発に伴って、MOX がテロリストの手に容易に渡ってしまう危険性を警告した。そして、島嶼諸国の海洋並びに環境及び経済並びに住民の保護を確実にするための国際的な合意を形成する必要性を訴え、こうした合意が形 成されるまでの間、欧州、日本及びすべての原子力保有国(nuclear states)が、その廃棄物を自国内で保管するべきであると述べた。

2009 年 5 月 5 日、上記の発言内容を反映させた決議案(H.Res.402)が、ファレオマヴ ァエガ小委員長他 1 名によって下院に提出され、同日、下院国際関係委員会に付託された。 名称は「海洋環境を危険にさらし、国際的な海賊及びテロリストによるそのような船舶へ の破壊及び攻撃の危険性を高める、フランスから国際水域を経由した日本への核混合酸化 物(MOX)の船による輸送を非難する」決議案。内容は(1)船による国際水域上での MOX の輸送を非難する、(2)国際社会が特に MOX のような物質の海上輸送に関する事 前通告を含む手続きを強化することを促す、(3)IAEA 及び国連に国際水域上のいかなる 核廃棄物の輸送も禁止するよう促す、(4)原子力利用国にその廃棄物を自国の領域内で貯蔵及び再処理することを要求するもの。

2009 年 5 月 7 日には、下院本会議において再びファレオマヴァエガ小委員長が、同決 議案の提出理由を 1 時間にわたり説明した。

下院議事録(3 月 18 日) より

出典:【各国議会】 日本関係情報

	







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