日本で起こったバラバラ殺人事件
バラバラ殺人とは
バラバラ殺人(バラバラさつじん)は、死体を部位により分割したり、分割した死体の一部を圧壊する、殺人と死体損壊の一般的呼称であり、動機によっては猟奇殺人に分類されることがある。
殺害後に死体を分割する事件が多いとされる。死体を分割し、運搬する作業には相当の時間と労力を要するが、それにもかかわらず分割するのは、犯行を隠蔽するにあたってのメリットがある他、中には相手に対する憎しみにより、死体をバラバラにすることもある(練馬一家5人殺害事件など)。また、食人のために死体を分割するケースもある(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件など)。欧米では、バラバラ殺人は精神異常者の快楽殺人とみなされるケースが多い。
被害者の身元が判明すると、犯人が容易に想像されてしまうからだとする考え方もある。裏を返せば、死体の身元を特定することで犯人の特定・逮捕は容易ともいえる。
「バラバラ殺人」という言葉が使われた最初の事件は、1932年に発生した玉の井バラバラ殺人事件である。同事件の報道で初めてマスコミ(東京朝日新聞)によって用いられ、その語感から状況が想像しやすいことや、名称としてインパクトがあることから、以降も一般的に用いられるようになった。
バラバラ殺人と日本国法
日本の刑法上、死体を分割することは死体損壊罪(3年以下の懲役)であるとともに、死体遺棄罪(3年以下の懲役)も適用される。すなわち、バラバラ殺人は殺人事件であるとともに死体損壊・遺棄事件でもあり、警察の発表では「殺人・死体損壊事件」となる。
江東マンション神隠し殺人事件
江東マンション神隠し殺人事件(こうとうマンションかみかくしさつじんじけん)とは、2008年4月18日、東京都江東区のマンションで発覚した殺人・死体損壊遺棄事件である。2008年4月18日夜、当時23歳の会社員の女性が東京都江東区潮見二丁目の自宅マンション内から忽然と消え、親族から捜索願いが出される。最上階の自室の玄関に少量の血痕が残った状態であったことに加え、マンションに設置された監視カメラの記録に女性がマンション建物から外出した形跡がないことから、マンション内で消失した「神隠し事件」として、マスメディア各社がトップニュースで報じた。また同マンションは当時3分の1近くが空室であり、女性宅の両隣は空室であった。
警視庁はマンション住民全員から事情聴取と任意での指紋採取、家宅捜索を行い、事件発生から約1ヶ月後の同年5月25日、女性宅の2つ隣の部屋に住む当時33歳の派遣社員の男(以下、男、または容疑者の男)を住居侵入容疑で逮捕した。その後の捜査で、男は死体損壊、遺棄の疑いで再逮捕(同年6月13日)、殺人容疑で再逮捕(同年6月25日)されている。
千葉港女性バラバラ殺人事件
7月11日午後2時20分ごろ、千葉市中央区中央港の千葉港で、(千葉市中央区中央港2の東京湾に面した千葉港)停泊していたタンカーと岸壁の間の海面に釣りをしていた男性(35)が「死体のようなものが浮かんでいる」と110番する事件がおきている。遺体は頭部と両手足が切断され、胴には重りつきのロープが巻かれていた。
千葉県警捜査1課が調べたところ、遺体は若い女性とみられ、両手足と頭部が切断されていた。両手は肩の関節、両足は太ももの上部から切られていた。切断面には人為的な強い力が加わった形跡があった。着衣はなく、胴体には、先端に重りが結ばれたロープが巻かれていた。
西多摩郡奥多摩町日原街道脇崖下女性バラバラ殺人事件
姫路2女性殺害事件
2005年1月20日、当時23歳の女性会社員とその友人の23歳の専門学生の女性が失跡した。女性会社員の室内に現金がそのまま残されており、事件性を感じた女性会社員の家族が姫路警察署に連日相談しに行くが、担当の刑事が「年間1200人もの捜索願が出ているので、相手できない」と相手にせず、さらには刑事が怒り家族に電話機を投げつけようとしたこともあったという。1月22日、姫路警察署ではまともに事件を捜査しないと考えた両親は、知人のつてを頼り兵庫県警元刑事の飛松五男(当時は定年前)を紹介。家族が記録として残していた、失踪前に女性会社員が自宅に連れてきた偽名を名乗る39歳の男の調査を依頼。飛松は男の居所を突き止め、張り込むのと同時に姫路警察署に通報した。
1月29日、両親と姫路警察署の署員2名は男の自宅へ向かい、姫路警察署の生活安全課の統括係長が任意で室内に入るが室内に女性会社員がいないことを確認したために帰ろうとする。その時、女性会社員の母親が男の部屋に許可を取り室内に入ったところスタンガンや異臭、カーペットに血痕があること、意識がもうろうとした女性を確認したために再度姫路警察署の生活安全課の統括係長に確認させたが、異常が無いとして帰ってしまった。そこで両親は飛松を呼び男を調査した所、覚醒剤を打っているような反応を示したために飛松が男を問い詰めた上に相生警察署へ通報、1時間半後に相生警察署が駆けつけ任意同行、翌日の1月30日に覚せい剤取締法違反により逮捕された。
逮捕から3ヶ月後の4月12日、男からの供述により事件の全貌が明らかとなった。
1月7日、専門学生の女性が男が経営していると言った鉄工所に就職を依頼するために女性会社員と共に会うが、2日後の1月9日に2女性を殺害。遺体をバラバラにして海に捨てた。
男が殺害を供述するまで、姫路警察署は「女性は風俗で働いていたから失踪した。時間が経てば帰ってくるだろう」と名誉毀損の説明をし、一部マスコミがそれを信じて報道した。
5月10日、兵庫県警は男を死体遺棄容疑で再逮捕。5月20日には殺人罪で再逮捕した。遺体の一部が発見された。
新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件
新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件(しんじゅく・しぶやエリートバラバラさつじんじけん)は、2006年12月、東京都新宿区、渋谷区ほかにて、切断された遺体が見つかった殺人事件、死体損壊・遺棄事件である。2006年12月16日、東京都新宿区西新宿の路上で、ビニール袋に入った上半身だけの遺体が見つかる。当初、歌舞伎町に近い新宿という土地柄、被害者を外国人と断定し、暴力団関係者・中国系マフィアなどによる犯行(抗争事件)という見方が強かった。
同年12月28日、渋谷区内の空民家の庭で下半身のみの切断遺体が発見される。この下半身遺体と、西新宿で見つかった上半身遺体のDNAが一致し、この遺体は外資系不動産投資会社に勤務する男性(当時30歳)と判明した。
最初の遺体発見から約1か月経った2007年1月10日、死体遺棄の疑いで容疑者逮捕。逮捕されたのは、被害者の2歳年上の妻であった。逮捕後、町田市の芹ヶ谷公園で頭部を発見。手首はゴミと一緒に捨てたと供述している。
北九州監禁殺人事件
人の弱みにつけこんで監禁をして金を巻き上げ、拷問と虐待によってマインドコントロール下に置き、お互いの不満をブチまけさせて相互不信を起こして逆らえなくし、被害者同士で虐待をさせることで相互不信を一層深くさせ、自分の手は汚さずに用済みとなった人間を殺害して死体処理を行わせた(裁判では6人の殺害と1人の傷害致死)。犯罪史上稀に見る凶悪犯罪とされ、第一審で検察側は「鬼畜の所業」と容疑者男女を厳しく非難した。非常な残虐性・悪質性にもかかわらず、事件に報道規制がかけられたとされ、事件の知名度は高くない。当初は地元の報道機関を中心に報道をしていたが、途中から報道機関が自主規制して報道量が少なくなり、全国の報道機関での集中報道に結びつかなかったといわれている。報道量が少なくなった理由としては「あまりにも残酷な事件内容のため表現方法が極めて難しいこと」「家族同士が殺しあった事件の性格から被害者遺族がメディアに積極露出をして被害を訴えづらいこと」があるとされている。
つくば市男性バラバラ殺人事件
東京・山梨連続リンチ殺人事件
東京・山梨連続リンチ殺人事件(とうきょう・やまなしれんぞくリンチさつじんじけん)とは、2003年5月から同年10月にかけて、東京都新宿区と山梨県北都留郡丹波山村で発生した殺人・死体遺棄事件である。犯行グループの男女11人は以前からクレジットカードを使った振り込め詐欺を繰り返していた。
2003年9月頃から元飲食店経営者A(当時26歳)を含む数人を埼玉県戸田市のアパートに監禁し、9月19日に山梨県北都留郡丹波山村の甲武キャンプ村の駐車場に停めてあった車両の中でAを首を絞めるなどして殺害した。またAをいったん解放した後に、殺害したことが判明している。
2003年10月4日に東京都西多摩郡奥多摩町の町道で人間の右腕が落ちているのを猟友会の男性が発見した。司法解剖の結果、身元はAと判明した。
渋谷区短大生切断遺体事件
渋谷区短大生切断遺体事件(しぶやくたんだいせいせつだんいたいじけん)とは、2007年(平成19年)1月3日に東京都渋谷区で発覚した殺人・死体損壊事件。2006年12月30日午後、歯科医師の両親と大学生の長男が帰省中となり東京都渋谷区の自宅の中で予備校生の次男(当時21歳)と短大生の長女(当時20歳)が二人きりとなっていた。二人は家族や生活態度などについて1時間に渡り話し続けたが、長女の「兄さんには夢がないね」という言葉で逆上し、加害者は木刀で被害者の頭を殴りつけた後にタオルで首を絞め殺害。さらにのこぎりで被害者の体を首や腕、脚の各関節部分を中心に15カ所でバラバラに切断した。
会津若松母親殺害事件
会津若松母親殺害事件(あいづわかまつははおやさつがいじけん)とは2007年5月15日に発生した少年による母親殺害事件。2007年5月15日午前7時ごろ福島県会津若松市の会津若松署で同市の県立高校3年の男子生徒(17歳)が「母親を殺害しました」と言って自首する。少年は切断された女性の頭部を通学用の黒い布製ショルダーバッグに入れて持ってきていた。その際応対した女性警官は生首と目が合い卒倒して医務室に運び込まれたという。署員が少年の自宅アパートに駆けつけたところ、布団の上で母親(47歳)が頭部を切断されて死んでおり、同署は少年を殺人容疑で緊急逮捕する。5月16日、殺人と死体損壊の疑いで少年を送検した。
お台場フィリピン人バラバラ殺人事件
お台場フィリピン人バラバラ殺人事件(おだいばフィリピンじんバラバラさつじんじけん)とは、2008年4月3日に東京都港区台場で発覚した殺人・死体損壊事件。2008年の事件
2008年4月3日午後8時ごろ、六本木のフィリピンパブに勤めていた従業員の女性(当時22歳)と連絡が取れなくなったという同僚の連絡を受け、被害者の親族が部屋を訪ねると室内が血まみれになっており同居していた男性(当時48歳)が消えていたため警察へ通報。
4月6日夜に埼玉県川口市の路上で手首を切って自殺を図っていた同居男性を発見。男性が持っていたメモに書いてあったコインロッカーから被害者の遺体の一部が発見されたため、男性を死体損壊の容疑で逮捕した。
4月11日、さらに男の供述から現場近くの運河から被害者の頭部が発見された。
1999年の事件
男はかつて1999年に同様の事件を起こしていた。埼玉県草加市で同居していたフィリピンパブの従業員女性(当時27歳)の遺体をバラバラにし、神奈川県横浜市の運河に遺棄したとして埼玉県警に死体損壊・遺棄容疑で逮捕され、2000年に懲役3年6ヶ月の実刑判決を受けた。なお、遺体が歯や毛髪しか見つからなかったため殺人での立件は難しいとして見送られた。
琵琶湖バラバラ殺人事件
琵琶湖バラバラ殺人事件(びわこバラバラさつじんじけん)とは、2008年5月17日早朝から6月23日にかけて、滋賀県近江八幡市の琵琶湖で発生した殺人・死体損壊事件である。2008年5月17日、琵琶湖の湖岸緑地である岡山園地で早朝から釣りをしていた男性が、人の足が漂流しているのを発見し滋賀県警に通報した。また、同日に捜査員が琵琶湖で足の一部を発見したほか、5月20日には頭部が発見された(頭部は一部が切り取られていたが、これは被害者の身元特定を困難にするためのものと推測される)が、これら全ての遺体のDNAが一致した。さらに6月22日と翌23日にかけて、琵琶湖岸で両手首が見つかった。被害者の身元は判明していない。
2009年2月27日、警視庁は捜査特別報奨金制度に同事件を対象にした。報奨金の上限は300万円。
那須烏山銃撃事件
那須烏山銃撃事件(なすからすやまじゅうげきじけん)は、2009年6月15日に栃木県那須烏山市で発生した、元暴力団員同士の抗争事件。元暴力団員のグループ同士が金銭トラブルなどを端に対立。2009年6月15日に抗争へ発展した。抗争は、午後1時半という白昼に、住宅地で双方が拳銃を発砲する市街戦へ発展。銃撃戦自体で死亡者は生じなかったが、重傷を負った構成員1名は、対立グループ側の自動車のトランクに押し込められ拉致、行方不明となった。
栃木県警察は、双方のグループを捜査。同年7月に銃刀法違反や凶器準備集合罪で逮捕。行方不明のままになっていた構成員の行方を追った結果、同年8月25日、茨城県城里町の山林から頭部と腕などの遺体の一部が、翌日には大子町の山林から胴体部分が発見。襲撃側のグループの容疑者らを殺人罪、死体損壊罪、死体遺棄の罪などで再逮捕している。
金沢韓国人女性殺害事件
金沢市でスーツケースに詰められた頭部のない韓国人女性の遺体が見つかった事件で、金沢地検は13日、同市安江町、無職飯沼精一容疑者(60)を殺人と死体損壊・遺棄の罪で金沢地裁に起訴した。捜査関係者によると、飯沼容疑者は、突発的に首を絞めたとして殺意を否認、調書への署名も拒否している。
起訴状などによると、飯沼容疑者は昨年10月6日未明、自宅近くの駐車場に止めた自家用車内で、康善福さん(32)と、金銭トラブルから口論になり、首を絞めて殺害。ノコギリで首を切断し、遺体をスーツケースに詰めてがけ下に遺棄したとされる。
福岡市能古島女性会社員バラバラ殺害事件
福岡・能古島の海岸で切断された女性の胴体の一部が見つかった事件で、西署などの捜査本部は16日、DNA鑑定の結果、遺体の身元を6日から行方不明になっていた福岡市博多区堅粕5丁目、会社員諸賀礼子さん(32)と特定した。捜査本部によると、諸賀さんはアパートに一人暮らし。5日午後7時に会社を出たことが確認されているが、その後連絡が取れなくなり、会社の上司が7日に警察に届けた。県警が調べたところ、諸賀さん方の窓が内側から割れていた。室内に物色の形跡はなく財布や車も残されていた。
近所の住民によると、諸賀さんの行方が分からなくなった時期に、諸賀さんの部屋から男女の言い争う声や、ガラスの割れる音が聞こえたという。
岡山元同僚バラバラ殺害事件
2011年10月1日、岡山市の27歳女性の家族が、「娘が帰宅しない」と岡山県警に捜索願を届け出。6日、岡山県警は会社の防犯カメラに一緒に歩く2人が映っていたことなどから29歳男を割り出し、大阪府警住吉署に任意同行して取り調べたところ、男が殺害を自供。岡山県警は、大阪市住吉区沢之町の無職、29歳男を殺人容疑で逮捕した。翌7日、容疑者が自宅近くに借りていたガレージを県警が捜索。ガレージ内から包丁やノコギリなど複数の刃物を押収。女性とみられる遺体の一部(胴体の一部)を発見した。10日、DNA鑑定の結果、発見した遺体の一部が27歳女性のものと判明。27日、岡山地検は、殺人や死体遺棄・損壊などの罪で、元同僚の無職、29歳容疑者を起訴した。
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