殺人カップル「ダグラス・クラーク&キャロル・バンディ」とは

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ダグラス・クラークとキャロル・バンディの出会い

ダグラス・クラーク(32歳)は、ロサンゼルスの近くの洗濯工場でボイラーマンとして働いている平凡な男だった。身長190cmで、すらっとした体形のクラークは、女を口説くのが非常にうまく、夜になるとしばしば酒場へガールハントへ出かけて行った。クラークが声をかければ、ほとんどの女はクラークに付いて来たという。

1980年5月、クラークは、ロサンゼルスのハリウッドから少し離れた、ある酒場へ立ち寄った。バーでは一人の中年の女性が飲んでいる。見たところ一人のようだ。とても美人とは言えないが、なぜかクラークはこの女性が気になり、いつものように隣りに座って声をかけ、ガールハントを始めた。


この女性は名前をキャロル・バンディといい、ロサンゼルスで看護婦をしているということだった。暴力をふるう夫と別れ、今では8歳と5歳の二人の子供と一緒に生活しているらしい。


歳はキャロルの方が5歳年上ということだったが、話をしているうちにクラークはキャロルにすっかり夢中になってしまった。連絡先を聞き、再会を約束した。そして数日後、クラークはキャロルと再び会うことが出来た。


二人で食事をした後、クラークは自分のアパートにキャロルを誘った。この時から二人は激しく愛し合うようになる。キャロルも、クラークの身のまわりの世話をして、クラークに尽くすことに喜びを感じていた。


一方でクラークの性癖といえば、女性の下着に異常に関心を示し、時々キャロルのパンティを盗んでは、穿(は)いていた。これはキャロルに見つかり、「もう私のだけは取らないで。」と念を押された。また、自分の性器が短小であることに劣等感を持っており、それゆえか、まだ性の経験の浅い十代前半の少女たちの身体にも異常に興味を持っていた。


出典:No.005 殺人カップル・ダグラス・クラークとキャロル・バンディ

	

ダグラス・ダニエル・クラーク

			

キャロル・バンディ

			

殺人:ハンティング

1980年6月10日の夜、クラークはハリウッドの中心地を横切るサンセット大通りを車で走っていた。この辺りには普通の売春婦に混じって、多くの家出娘たちも身体を売っている。

やがて歩道に立っている二人の少女を見つけて声をかけ、交渉を始めた。だが少女たちは二人一緒でなければ嫌だという。クラークはその条件を飲んで二人を車に乗せ、しばらく走った後、まわりに家が全くない草むらに車を停めた。


クラークは隠し持っていた拳銃を取り出し、いきなり少女の頭めがけて引き金を引いた。激しい音と共に血が飛び散り、少女は横にふっ飛んだ。これを見ていたもう一人の少女は悲鳴をあげ、逃げ出したがクラークは追いつくと、その少女の頭にも弾丸を発射した。

即死ではなかったが、倒れてうごめいている少女の胸をもう一回撃ち、とどめを刺した。

その後クラークは、少女たちの死体を毛布にくるんでトランクに乗せ、自宅のアパートへと運び込んだ。血だらけの少女たちの死体で興奮の限りを尽くした。


カメラで少女たちの死体を一通り撮影を終えるとすぐに寝てしまった。翌朝クラークは、二人の死体をロサンゼルスから遠く離れた場所に捨てに行った。

二日後の6月12日。クラークが空き地に捨てた少女たちの遺体は発見された。テレビでも報道され、この少女たちは16歳と14歳の姉妹で、以前から家出を繰り返し、麻薬にも手を出していたことが分かった。

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キャロルに殺人の現場を見せる

数日経ってクラークは、キャロルに全てを打ち明けた。話を聞いたキャロルは恐怖に震えた。

「今の話、本当なの?前に言ってた妄想じゃないの?嘘みたい・・。」

「二人の家出娘の死体が見つかったとテレビのニュースでもやっていただろう。俺が殺したんだよ。よし、今度俺が殺すところを見せてやる。驚くなよ。」

6月20日の夜、クラークは後ろの座席にキャロルを乗せて、またもやサンセット大通りを走っていた。何人かの少女売春婦に声をかけたが、みんな後ろのキャロルの姿を見ると敬遠した。しかし、一人の少女が引っかかった。少女はクラークの車の助手席に乗りこんだ。

人気(ひとけ)のない道路に車を停め、しばらくしてからクラークが、後ろ座席のキャロルを振り向いて片目をつぶって合図すると、キャロルは拳銃をクラークに渡してしまった。

クラークは少女の即頭部めがけて引き金を引いた。弾丸の発射の音が響き渡り、少女が崩れ落ちる。だが即死ではなかった。少女は苦しみながらうごめいている。キャロルは悲鳴を押さえて震えながら見ていた。

クラークは少女を車の外へ引きずり出し、

「キャロル、このメス犬を裸にするんだ。」と命じた。全裸にされ、地面に横たわって苦しみもがく少女を残して、クラークたちは立ち去った。

この少女はこのまま死亡し、遺体が発見されたのは数ヶ月後である。場所はロサンゼルス郊外のチュナ峡谷付近。発見された時には白骨化していた。身元は不明のままである。

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狂気:歯止めのかからぬ殺人願望

6月23日の夜。前回の殺人からまだ3日ほどしか経っていないが、この日もクラークはハリウッドの大通りで、前と同じようにキャロルを後ろに乗せたまま、

エクシー・ウィルソン(20)という売春婦を拾った。

寂しい駐車場に車を停めて、再びエクシーにフェラチオをさせる。そして隠し持っていた拳銃を取り出し、キャロルに目で合図した後、

少女の後頭部に拳銃を当てて引き金を引いた。響音と血しぶきが飛び散る。

が、その瞬間クラークも悲鳴をあげた。エクシーは撃たれた瞬間、激しくクラークの性器を噛んだのだ。


「このくそったれアマが!俺の大事なモノに噛み付きやがって!!」


クラークはエクシーの死体を車から引きずり出すと、トランクに入れていた狩猟用ナイフで首を切断した。

慣れない経験であり、ナイフで人間の首を切断するというのは簡単にはいかないが、何とか切り落としてプラスチックの袋に入れてトランクに詰め、

キャロルと共に現場から逃走した。

途中カーブにさしかかるたびに、トランクの中からゴロゴロと頭が転がる音が聞こえた。クラークはそのたびに大笑いした。キャロルも一緒になって笑っていた。

その時の様子をキャロルはこう回顧している。


「車がカーブを曲がるたびに、トランクから生首がゴロゴロと転がる音が聞こえました。

それを聞くと、ダグは大声で笑い出しました。私も釣られて笑いました。

今思えば、あの頃の私は正気を失っていたと思います。ダグの為ならどんなに恐ろしいことも平気だったのです」


この少女は翌日、使用されていない駐車場から全裸で首のない状態で発見された。持ち帰った首はアパートの冷蔵庫に保存した。

そしてクラークの部屋にキャロルが来ている時、クラークは冷蔵庫から首を取り出し、キャロルに「この首を思いっきり綺麗に化粧してくれ」と頼んだ。

キャロルは化粧道具を持って来て少女の顔に化粧をほどこした。この時にはキャロルは怖いとか気持ち悪いとかいう感情はなかったという。

綺麗になった少女の首をクラークは大層気に入り、何度もキスを繰り返した。


一通り弄(もてあそ)んだ後、クラークは、生首を木製の箱に詰めて死体発見現場からそれほど遠くない場所に捨てた。

これは、首なし死体が発見された3日後の27日にたまたま通行人が見つけ、何だろうと思って箱を開けてみて仰天した。

この首は3日前に発見された死体の頭部であることが判明し、被害者はエクシーだったことが分かった。

出典:世界を驚かせた怪事件・猟奇事件 暴走していった狂気 サンセット通りの殺人鬼

	

ダグラス・ダニエル・クラーク

Douglas Daniel Clark 1948-

キャロル・バンディ

Carol Bundy 1943-

暴走:ついに犯した殺人

7月の下旬、キャロルはそれまでに何度も殺人の現場を見たことから、自分にも出来るのではないかと思い始めた。ちょうど殺したい相手がいる。クラークと出会う前に付き合っていた男だ。その男は不動産会社に勤務の傍(かたわ)ら、ライブ・バーに歌手としても出ている男だった。今でもしつこく電話をかけてきて、キャロルに関係を迫ってくる。

8月3日、キャロルは計画を実行に移した。その男を電話で食事に誘い、食べ終わった後、その男の運転する車で郊外へと走った。

寂しい場所に車を停めると、二人は後ろ座席で以前のように性行為にふけった。彼が肛門を舐められるのが好きなことを知っているキャロルは、彼の肛門を舐めながら左手で勃起している性器をしごいた。

そして右腕に拳銃をそっと握り、男が絶頂感を感じている時、彼の高頭部めがけて引き金を引いた。響音が響き渡って血が飛び散り、男はそのままばったりと倒れた。初めての自分一人の殺人にしばし呆然としていたが、やがて心が落ち着き、以前クラークがやったように狩猟用のナイフで男の首を切断しにかかった。

これは女一人でやるのは大変な作業で、完全に切断するまで約一時間かかった。切断した首はプラスチックの袋に入れた。

数時間後、興奮覚めやらぬキャロルは、クラークに自分の実績を報告する電話をかけた。

「クラーク、ついに私やったの!あの男を自分一人で殺したのよ!ここにその首を持って来てるわ!すぐにあなたに見てもらいたいの!」

これに対してクラークの反応は期待していたものとは逆だった。

「なんてことをしてくれたんだ!軽はずみなことはするなと言っただろう!その男の死体が見つかれば、警察から真っ先に疑われるのはお前だぞ!お前はその男と付き合ってたんだからな!そうなれば俺だって疑われる!」

全くクラークの言う通りで、せっかく喜んでくれるかと思ったが、その逆に大変なことをしてしまった。キャロルは自分のしたことの重大さを知り、涙声でクラークにこれから先のことを相談した。

「今どこにいる?今から俺がそこに行くから、そこを絶対に動くな!」

クラークは急いで死体処理に向かった。

結局この男の死体は数ヶ月後、ロサンゼルス郊外の山の奥で首のない状態で発見された。この時にはすでに白骨化していた。首は見つかっていない。

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終結:取り戻した人間性

それからというものキャロルは憔悴し、ずっと寝れない日が続いた。

何という事をしてしまったのだ、という後悔の念。そしてクラークは「もし殺人の事を話したらお前の子供を殺すからな!」と脅すようになった。

マレーの遺体が発見された2日後、良心の呵責に耐えられなくなったキャロルは、上司の看護婦長にすすり泣きながら相談した。

驚いた婦長は警察に自首するように勧め、そして8月10日、キャロルはジャック・マレー殺害の容疑で逮捕された。

キャロルは主犯としてクラークの名を挙げ、4日後クラークも逮捕される事になった。

警察はクラークの自宅から被害者の下着類やスナップ写真を証拠として押収した。

職場のボイラー室から拳銃も押収。弾道テストの結果、それは殺害された被害者を撃った銃と確認された。


1982年10月から始まった裁判はアメリカ中が注目する一大イベントとなり、傍聴席には『刑事コロンボ』でおなじみの俳優ピーター・フォークもいた。

クラークと彼の弁護士は


「全ての犯行はキャロルとマレーによるもので、自分は単にキャロルの彼氏に過ぎない」


と全面無罪を主張、キャロルとマレーを非難した。

しかし陪審員はそんな主張を真に受ける訳もなく1983年1月28日、6件の第一級殺人、死体損壊、殺人未遂でクラークに死刑を宣告した。

陪審員の1人は「我々はこのような事件には死刑に投票しなければならない」と強い口調で言い切った。

2月15日には裁判長もクラークに死刑判決を言い渡した。

判決を言い渡された瞬間クラークは裁判長に


「せめて微笑みながら言ったらどうなんだ」


と悪態を突いた。

キャロルは「クラークの有罪を裏付ける証言をすれば死刑を求刑しない」という検察との司法取引に応じ、マレー殺害の1件と殺人幇助により終身刑を宣告され、

2003年12月9日、心不全の為に刑務所内で死亡した。61歳だった。

クラークの上告は全て棄却され、1992年6月、カリフォルニア州最高裁判所は死刑判決を支持。これによりサンセット通りの殺人鬼クラークは死刑が確定した。

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逮捕から32年が経過し64歳になったクラークは、サン・クエンティン刑務所で同じ死刑囚仲間であるランディ・クラフト同様、 カナダの死刑反対団体をバックにつけ、今も全面無罪を主張しているという。

			
ダグラス・クラークは6件の殺人(うち1件は逮捕後の証言に基づいて発見された身元不明の女性の殺害容疑)で有罪となり、死刑を宣告された。裁判中にヴェロニカ・コンプトンとラブレターを交わし、エクシー・ウィルソンの生首の写真を送ったりして話題になったが、結局、ケニー・ケニストンというプリズン・グルーピーと結婚し、彼女と共に現在も無罪を争っている。

 一方、キャロル・バンディは1件の殺人とその他の幇助で有罪となり、終身刑を宣告されたが、2003年12月9日に獄死した。

 2人はサンセット大通りで犠牲者を拾っていたことから「サンセット・ストリップ・スレイヤー」と呼ばれて、今日もなお語り草になっている。

出典:殺人博物館〜クラーク&バンディ

	

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Sharetube