【閲覧注意】合宿で起こった恐怖体験・おうちはどこ?・トイレの窓をのぞく顔【怖い話】
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トイレの窓をのぞく顔
俺が振り返って動き出しても、その顔はうろたえる様子もなくそのままトイレの中を必死でのぞいているようだった。 その顔はガラスに顔をべったりとくっつけているのか、鼻や頬が押し付けられて平べったくなっていた。 ガラスにぴったりと張り付いているので、異様に大きな顔に見えた。 太った男の顔のようにも見えた。 夜9時ごろ、自宅のトイレで大をしていたときのことだ。 ふっと横の窓を見上げると、変な顔があった。 その窓は、家の外の路地に面していた。 (のぞきか…?) 俺には高校生の姉がいるので、姉目当てにトイレをのぞいたのかもしれない。 でも窓はすりガラスで、中に入っている人間が男なのか女なのかよくわからないはず。 (だから、あんなにぴったり顔をつけてるのか) トイレの外に出てから、 (しかしこのままにしといたら姉貴がかわいそうだなあ) と思い、どんな奴か見てやろうと外に出た。 路地に出てトイレの窓を見ると、人影はない。 そりゃもう、逃げてるよな。 ちょっと苦笑しかけて、すぐにあることに気づいた。 トイレの窓の外枠には防犯用のステンレスの格子が取り付けられている。 格子の間隔は10センチ。窓ガラスとの距離は5センチ。 そのわずかなすき間からどうしてあんな大きな顔が入るんだ!? 人間じゃなかったのか! 俺はあわてて家の中に戻り、頭から布団をかぶった。
おうちはどこ?
夕暮れの児童公園内に、ひとりでブランコに乗った小学生ぐらいの女の子がいました。 このあたりの子どもならたいていは分かるのですが、その女の子は今まで見たことがなく、おかっぱ頭でクリクリとした瞳がかわいい女の子でした。 同じ公団住宅に住む山田さんとその横を通りすぎようとすると、女の子は山田さんに声をかけてきました。 「おばちゃんのおうちはどこ?」 山田さんは「あそこよ」と言って、ちょうど公園から見える場所にある家を指さしました。 「ありがとう」 女の子は礼儀正しくお礼を言って頭を下げると、走って行ってしまいました。 「何でそんなこと聞いたのかしら?」 「そうよねえ」 子どものいうことだからと私たちは特に気にもせず、それぞれの家へ戻りました。 その翌日のことです。 ゴミ出しにいった私は、ゴミの集積場に集まっていた人たちから、山田さんが昨夜、階段から落ちて大ケガをしたことを聞きました。 そのとき、私はそれ以上何も考えなかったのです。 数日後、あの女の子の姿を見かけました。 やはり夕方に児童公園内を歩いていた私は、どこかから「おばちゃんのおうちはどこ?」という子どもの声に、ギクリとして立ち止まりました。 声のした方へ目を向けると、私の隣の部屋に住む主婦がおかっぱの女の子に声をかけられていました。 私は妙な胸騒ぎを感じました。 あんなあどけない子どもの言動に不安を感じている自分がいて、私はそそくさとその場を立ち去りました。 しかし、その夜に私は自分のカンが正しかったことを知りました。 隣家の主婦が自分の足に熱湯をこぼして、救急車を呼ぶ大ケガをしたのです。 あの少女と不幸な事故のあいだに何かの関係がある! 私はできるだけ夕暮れには家から出ないようにしました。 そんなある日の夕方、住民集会についての緊急の回覧板がまわってきました。 なるべく早くまわすようにという指示で、同じ建物の中ならまさかあの女の子に会うこともあるまい、と外に出ました。 幸い途中で誰に会うこともなく上の階の部屋へ回覧板をまわし、自分の部屋へ戻ろうとしました。 階段を下って角を曲がればもう自宅のドアです。 安心して角を曲がった瞬間、思わず悲鳴をあげそうになりました。 そこには、あのおかっぱの女の子が笑顔を浮かべて立っていたのです。 私は声も出せずその場に立ちすくんでしまいました。 「おばちゃんのおうちはどこ?」女の子が話しかけてきました。 私は無視して自分の部屋に駆け込み、鍵をかけました。 その直後に小さくドアをノックする音がします。 しばらくすると女の子はあきらめたようで、ドアの覗き穴を確認すると女の子はいませんでした。 私は一人でいるのが怖くて夫の帰りを待ちかねていましたが、そんな日にかぎって夫の帰りが遅く、深夜十二時近くに帰宅しました。 玄関まで走って出迎えた私に、ほろ酔いの夫が 「いま下で、小さな女の子に話しかけられたよ。もう夜中だよなぁ」と言いました。 「何て話しかけられたの!?」 「『おじちゃんのおうちはどこ?』だって。」 「まさか、ここって?」 「いや、ちょっとからかうつもりで、『おじちゃんのおうちは、そこの電話ボックスだよ』って言った」 「よかった…」 私は主人に、あの女の子と不幸な事故のことを話しました。 主人は信じがたい様子でした。 しかし翌日、主人が女の子に示した電話ボックスが不審火で黒焦げになったのです。 いつか私がターゲットにされる…。 私はそれ以来、その団地にいることに耐えられず、すぐに引っ越しを決めました。 それでも、いつか後ろから声をかけられるかもしれない、という恐怖は消えません。
合宿で起こった恐怖体験
僕は都内にある美術専門学校の1年で、テニス部の合宿で軽井沢に来ていました。 僕たちはテニスコートが近くにある小さな民宿に泊まっていました。 全員で20人くらいの部員がいたので、その民宿は貸切状態でした。 合宿が始まって3日ほど経ったある日、休息をかねて夕方から有志を募り、麻雀大会をすることになりました。 1年の男子が使っていた2階の2部屋を間仕切りのふすまを開け放ってつなげ、そこに10人ほどの部員が集まり、深夜まで白熱した勝負が続けられました。 麻雀がさほど好きではなかった僕はすっかり眠くなってしまい、先に寝ることにしました。 しかし僕の部屋は他の連中に占領されていたので、仕方なく麻雀卓からなるべく離れた部屋の一角に、ひとり分の布団を敷いて眠ることにしました。 話し声やパイをかき混ぜる音が気になりましたが、それでも僕はいつの間にか眠りかけていました。 ふと、誰かが布団をめくって、僕の背中の後ろに滑り込んできました。 はじめは、誰かが妙ないたずらっ気を起こしたのだと思い、眠かった僕は相手にせず目を閉じたままでいました。 しかし、入り込んできた奴は、僕の背中にべったりと身を寄せてきます。 「暑苦しいからいい加減にしろよ」 そういいながら寝返りをうち、僕はそいつのほうへ向き直って目を開けました。 その瞬間、僕は思わず息を飲みました。 真っ赤に充血した目がぎょろりと僕をにらみつけていたのです。 恐ろしいのは目だけでなく、その相手の顔は一面に焼けただれたように赤黒く、水ぶくれのできた表皮で覆われていたのです。 マツゲも眉毛もなく、その顔面は崩れ果てていました。 僕は金縛りにかかったように体が動かず目もつぶれず、叫びたくとも声が出ません。 相手はそのただれた顔を僕の頬に押し付けています。 (誰か助けてくれ!) 僕は絶望の淵をさまよいつづけました。 「俺も寝たいから、そろそろ起きて代わってくれよ」 先輩のその言葉で金縛りがとけ、僕はすごい勢いで飛び起きました。 あまりの勢いに他の連中もいっせいに僕のほうに目を向けました。 僕は動揺のあまり言葉につまりながら、今の出来事を話しましたが、みんなニヤニヤ笑いを浮かべるだけです。 そのうち、仲間の一人が疑わしそうに布団のほうへ歩み寄り、掛け布団をめくりました。 そして次の瞬間、彼は真っ青な顔で振り向いたのです。 「みんな、これ見ろよ!」 彼が指し示したシーツには、血膿のような赤黄色いシミがべったりとついていたのです。 翌朝、民宿の主人に昨日の出来事を話してみましたが、 「そんなこと、今まで起きたことないですねえ」と言われ、謎は解けませんでした。 数日後、僕らは合宿の日程を終えて宿を去りました。 あの民宿には絶対、なにかある。 翌年から合宿先は清里に変わりました。

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