【閲覧注意】8体の市松人形・謎の端部屋・逆さまの老婆【怖い話】
逆さまの老婆
バスガイドである綾子さんは、宿泊先のホテルが満室だったため、近くの民宿に案内された。彼女が通されたのは6畳ほどの和室。少しさびれた感じはあるものの、しっかり掃除もされていて、清潔感のある部屋だった。
彼女は夕食時に飲んだお酒でほろ酔い気分になって、早めに床に就いた。
しかし、深夜に子どもの話し声がして目を覚ました。
携帯を見ると1時を過ぎている。
「何時だと思ってるのよ、まったく!でもどっから聞こえてくるんだろ、隣の部屋? 廊下?」
彼女は頭から布団をかぶって眠りにつこうとしたが、子どもの声はさらに大きくなった。
明日も早起きだというのにもうガマンできず、
「静かにして!」と、布団から上半身を起こして大声で怒鳴った。
次の瞬間、彼女は凍り付いてしまった。
足元から少し離れたところに4、5才位の子どもの影が3つ座っていたのだ。
「きゃー!」彼女が思わず悲鳴を上げると逆さまになって正座し、空中に浮いている老婆が目の前に現れた。
その老婆が人差し指を口の前に置いて、「し~っ」と言った。
彼女はそのまま気絶し、太陽の光で目が覚めた。
「お客さんは絶好の旅行日和と喜んでたけど、私の頭の中は老婆のことでいっぱいだったわ」
謎の端部屋
「あれ、部屋の明かりがついてる。ちゃんと消したはずなのに」夜11時半を少し回った頃、ホテルの正面まで帰ってくると、私たちが乗務員室として使っている5階フロアの端部屋の電気がついています。
「ほんとに消してきた?」
「うん、消したのをSちゃんと2人で確認したから。ね」
「うん、確かに消したよ」
すると、明かりのついた部屋の窓に人影が動くのが見えます。
「ど、泥棒?」
「どうしよう」
普通ならホテル側に知らせるのですが、アルコールも入っていた勢いで、とんでもない行動にでました。
自分たちで捕まえて警察からの感謝状をもらおう!
女性たちは危険だからホテルの外から窓を見張り、男性陣が部屋に入ることに。
しばらくすると、端から二番目の部屋に明かりがつきました。
窓の下で待機するグループの携帯が鳴ります。
「誰もいないよ!電気も消えてたし!」
「窓を開けて顔出してみて」
すぐに、端から二番目の部屋の窓が開き、携帯電話を持ったドライバーが顔を出しました。
じゃあ、いま明かりがついている端部屋は、どういうこと!?
その瞬間、明かりの点いていた端部屋の明かりがフッと消え、人影も見えなくなりました。
「今いる私の部屋、本当に端部屋?」
「端部屋だ、隣は壁だったよ」
「その壁の向こうにもう一室あるわ…」
8体の市松人形
添乗員同行ツアーの場合、添乗員はお客さんと同じ宿に泊まることが多いのですが、バスガイドやドライバーは、別の民宿に泊まることがよくあります。このように他のホテルなどに泊まることを「他館(タカン)」と呼びますが、この「他館」で起こった怖いお話です。
旅行シーズンということもあり、ホテルが満室でガイドさんやドライバーさんが別の民宿に泊まる事になりました。
その民宿は純和風の建物で、廊下側の窓越しに中庭が見えるという、風流な造りが自慢でした。
バスガイドが通された部屋は、10帖くらいの和室でした。
その部屋は、四方の壁に古い掛け軸が2本ずつ計8本も掛けてあり、その前には1体ずつ計8体の市松人形が飾ってありました。
「なぜ掛け軸と市松人形があるのだろうか、ただの飾りとは思えない」
バスガイドはそう感じたそうです。
彼女に何が起こったのか?以下は彼女の証言です。
「ちょっと異様な空気がしたんだけど、私は霊感があるほうじゃないし、特に気にしないでそのまま寝ることにしたの。
電気を消して、床につくと天井に8人の人間の顔が浮かんでた。
部屋は真っ暗だったのに、全員の表情がはっきりとわかった。
武士、江戸時代くらいの若い女性、痩せた赤ちゃん、5歳位の女の子、旧日本兵、40歳位の紳士、白髪の老人、髪の長い若い女性…。
そのうち7人はただ私をじっと見てるだけで、悪意は感じなかった。
だけど、1人は違った。長い髪の若い女がすごく怖い顔で、私を睨み付けていた。
そして、いきなり私の顔に向かって突進してきたの。
そのあとのことは覚えていなくて、私はそのまま失神してしまったみたい。
目を覚ましたときには朝になっていて、まわりを見渡したらゾッとした。
部屋に飾ってあった8体の市松人形の1つが、私の枕元に転がっていたの。」