海外で死刑判決を受けた日本人リスト

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鈴木英司

1994年。フィリピン中部ネグロス島のバコロド空港で、娼婦から渡された土産の中に大麻2キロが入っていたことが発覚して逮捕された男がいる。鈴木英司氏である。

この事件は発端から私もよく覚えていて、時おり報道される記事には注意深く目を通していた。前にも、どこかで彼のことは書いたかもしれない。


鈴木氏は知らなかったと一貫して主張したが同年12月には死刑判決を受けた。翌年、マニラ首都圏モンテンルパ市の刑務所に移送されてずっと服役していた。


「麻薬が入っていたのは知らなかった」が、通用しない。なぜなら、麻薬の運び屋は誰もが同じことを言うからだ。そう主張すればするほど、心証を悪くして泥沼にはまる。


かと言って、知らないものを知っているというのはもっと恐ろしい結果になる。


どっちにしろ、麻薬に巻き込まれて逮捕されると、その瞬間に、生きるか死ぬかの戦いが始まると言っていい。


麻薬でなくても、海外に出てふらふらしていると誰もが経験することだが、ありとあらゆる陥穽や罠が仕組まれていてトラブルに陥ることも多い。


かく言う私もトラブルに巻き込まれっぱなしだ。何度モノを盗まれたか分からないし、恐喝から強盗、置き引きから詐欺まで、ほとんどのトラブルは経験した。


そして言うまでもなく警察は何の役にも立たない。そもそも、警察に行けば助けてくれるというのは日本での話だ。


後進国では警察もギャングの一味のようなものだから、苦い想い出しかない。警察自体がトラブルの元である。カンボジアからバングラデシュまで、いろんな国で警察にはひどい目に遭わされた。


私は警察からも金銭を強請り取られたこともあるし、寝ているところを踏み込まれて連行されたことすらある。


外国人は金づるだと思っている汚職警官がうようよしている。後進国の警察官は、私にはとても恐ろしい。そういうところで徘徊していると、何が起きてもおかしくない。


誰もが鈴木英司氏のようになる可能性がある。すでに同じような目に遭って収監されている日本人もかなりの数だろう。鈴木氏の収容されていたモンテンルパ刑務所でも、7人の日本人がいるようだ。


フィリピンでの逮捕はやはりドラッグがらみが多い。安易に手を出した人間もいれば、陥穽にはめられて冤罪が証明できなかった人間もいる。


罠を仕組まれれば、避けるのは非常に難しい。外国人は金を持っているのでターゲットになりやすい。


フィリピンでも年末になると、クリスマスには現金を持って過ごしたい貧困層が外国人をターゲットに強盗や詐欺に走る。年末のフィリピンはとても危険なのだ。


強盗や詐欺もあるのだから、外国人に麻薬を持たせて運ばせようと考える人間がいても不思議ではない。


空港ではずいぶん前からいろんなことを質問される場所になった。


「荷物はどこでパッキングしましたか?」「荷物はあなたがパッキングしましたか?」「知人・友人・知らない人から預かった荷物はありますか?」


搭乗前に確認されることが普通になってきているが、それは知らない間に「運び屋」にされるのを避けるためである。


「知らない人から預かった荷物はありますか?」と尋ねられるたびに、私は鈴木英司氏の事件を思い出す。


彼は前日に知り合った娼婦の荷物を預かって、それを知人に渡して上げようとして逮捕された。もし、これが本当に善意であるのならば、彼は逮捕されて、まさに青天の霹靂だったに違いない。


一貫して彼は「知らなかった」と無罪を主張している。


決してそれを曲げなかったから、もしかしたら本当に知らなかったのかもしれない。


しかし、私なら通りすがりに近い女性に荷物を預かったら、その時点で裏があると思うし、即座に中を確認する。要するに、私はそういう面でまったく人を信用していない。


だから、鈴木英司氏が知らなかったというのは、本当なのかどうかは私は未だに真偽を疑っている。


普通の日本人は他人から預かったものを勝手に開封するのは失礼だと思って開封しないのかもしれない。あるいは他人の善意を疑うと失礼だとも思うかもしれない。


鈴木英司氏は、そういう善意の人で、だからこそ罠にはまったのかもしれない。知らなかったというのであれば、そういうことになる。私には真実は分からない。


しかし、彼は恩赦を与えられて刑務所を出た。そして、200万円の支払いが済むと16年ぶりに帰国することになる。


16年というのはとても長い年月である。一時は死刑判決されていたが、そこから終身刑、そして恩赦だから、文字通り「命拾いした」と言ってもいい。僥倖である。

出典:ダークネスDUA

	
16年ぶり「やっと帰れた」「一日も早く墓参りに」 比で死刑判決→恩赦、鈴木さん帰国

出典:ダークネスDUA

1994年に麻薬所持の罪でフィリピンで死刑判決(後に終身刑に減刑)を受け、今年6月に恩赦で釈放された元死刑囚の鈴木英司さん(54)=愛知県田原市出身=が17日、中部国際空港に到着、16年ぶりに帰国した。

空港で出迎えた友人や支援者と握手し「やっと帰れた。一日も早く父の墓参りに行きたい。母にもつらい思いをさせた」と感慨深げに話した。


集まった報道関係者の前で緊張した様子。長期にわたって拘束されたことについて「無実でも、外国では十数年を無駄にすることもあると訴えたい」と涙を浮かべて語った。

檻の中の闇

			
【大連(中国遼寧省)浦松丈二】中国遼寧省高級人民法院(高裁)で昨年4月に麻薬密輸罪で死刑判決が確定した赤野光信死刑囚(65)=大阪府出身=の刑執行を前にした家族らとの面会が5日午前赤野死刑囚が収監されている大連市看守所で始まった。

中国で日本人の死刑が執行されれば、1972年の国交正常化以降初めてとなる。


 赤野死刑囚の家族と友人は同日午前9時15分(日本時間同10時15分)ごろ

在瀋陽日本総領事館大連出張駐在官事務所の職員に伴われ、マイクロバスで同看守所に入った。同省当局によると、約20分の面会終了後に注射で死刑を執行し、その後、家族が遺体を確認することになる。


 判決によると、赤野死刑囚は06年9月に大連の空港で、共犯の石田育敬受刑囚(同罪で懲役15年確定)と約2.5キロの覚せい剤を日本に密輸しようとして警察に拘束された。08年6月に大連市中級人民法院(地裁)で死刑判決を言い渡され、控訴。理由として(1)取り調べ通訳は正式な通訳資格がなく、記録は証拠にできない(2)他人から指示された補助的な役割だったのに刑が重すぎる(3)

覚せい剤は押収されて社会に害を与えていない--と主張した。


 中国は2審制。同省高級人民法院は09年4月、いずれの主張も退けて1審判決を支持、刑が確定していた。

死刑執行には最高人民法院(最高裁)の許可が必要で、同法院は死刑確定から1年となるのを前に許可した。


 中国政府は3月29日に赤野死刑囚の刑執行予定を日本政府に通告。鳩山由紀夫首相が懸念を表明していたが1日には同罪で死刑が確定した名古屋市の武田輝夫(67)▽岐阜県の鵜飼博徳(48)▽福島県の森勝男(67)の3死刑囚についても今月8日に刑を執行すると通告した。

出典:理不尽スクープ     : 赤野光信

	

池田研五

【バンコク27日共同】タイ中部の山中で2007年に東京都足立区の男性経営者が殺害された事件で、中部パタヤの地方裁判所は27日、殺人罪などに問われた男性の知人でタイ在住の無職池田研五被告(60)=本籍北海道=に死刑判決を言い渡した。

 判決などによると、池田被告は07年12月、タイを訪問していた知人の不動産会社経営、中園浩さん=当時(67)=の現金約300万円やパソコンなどを奪い窒息死させた上、遺体をチョンブリ県の山中に放置した。


 池田被告は昨年12月にタイで逮捕された当時、偽名で「佐々木利彦(53)」と名乗っていた。パタヤに数年前から住み、以前からパタヤを訪れていた中園さんと面識があったという。

出典:

	

竹内真理子

マレーシアでひとりの女性が覚醒剤を4キロも持ち込んだとして逮捕されたのは2009年10月のことだった。竹内真理子容疑者、35歳。

誰もが知っていることだが、東南アジアで麻薬の持ち込みは無期懲役か死刑かのどちらかになってもしかたがないほどの重罪である。


覚醒剤を4キロと言えばもはやプロの密輸と同じ量であり、そのニュースを見たとき、これは冤罪が証明できなければ間違いなく死刑になるケースだと感じた。


それから2年後の2011年10月25日、彼女は大方の予想通り、死刑を宣告された。


彼女は「荷物の中身は知らなかった」と無罪を主張しているが、残念ながらそれは通らない。


なぜなら、ドラッグ所持で逮捕された密売人は100人中100人が同じことをいうからだ。


これだけ麻薬に対して世界各国が目を光らせている事情があって、35歳にもなる女性が「中身は知らなかった」など、そんな言い訳が通るはずもない。


しかも、荷物の底にそれを隠していた。携帯電話も4つ持っていた。状況証拠を見て判断すると、どう考えても彼女の言い分は不可解だ。


荷物の「底」に隠しておいて、それは「預かっただけ」で、「中身は知らない」のだが、中身を知らないのになぜ荷物の底に隠しておくのだろうか。しかもなぜ、携帯電話を4つも所持する必要があるのか。


明らかに彼女は自分のしていることを知っていた。それが説明できないから死刑判決なのである。彼女は上訴する方針だと言うが、おそらく死刑は覆らないだろう。


彼女の最終目的地だったのは、もちろん日本である。


彼女はクアラルンプールを経由地に選んだが、恐らくそれが一番審査が「甘い」と見越して選んだのだと思う。

出典:死刑判決を受けた竹内真理子。マレーシアに4キロの覚醒剤

	

竹内真理子

2013年1月18日、控訴審が始まった。被告の弁護人は3月27日の審理で認定事実に疑義を唱えたが、裁判長は「一審判決を覆す事実は見いだせなかった」とそれらの主張を退けた。控訴審の実質的な審理はこの日だけで、竹内被告本人が陳述する機会は一度も与えられず、証人調べもなかった。

宮崎敦司と岩崎透

日本人の男2人が中国南部、広東省で覚醒剤の密売に関わったとして、現地の裁判所は、2人にそれぞれ死刑と、執行猶予のついた死刑の判決を言い渡しました。

現地の裁判所や日本総領事館などによりますと、いずれも日本人の宮崎敦司被告と岩崎透被告は、去年9月と11月の2回にわたって、広東省東莞の市内で合わせておよそ8キロの覚醒剤の密売に関わった罪に問われていました。


地方裁判所に当たる東莞市の中級人民法院では16日、2人に対する判決公判が開かれ、宮崎被告には死刑が、岩崎被告には、宮崎被告から指示を受けて覚醒剤の取り引きを行ったとして、執行猶予のついた死刑の判決がそれぞれ言い渡されました。


判決に対して、宮崎被告は控訴する方針を示しているほか、岩崎被告も控訴を検討しているということです。


中国政府は、薬物の犯罪については、外国人に対しても厳しく対処する方針を示しており、去年4月には、覚醒剤を日本に密輸しようとした罪などで日本人の男4人の死刑が執行されたほか、その後も薬物の密売に関わったとして、日本人が警察に身柄を拘束される事件が相次いでいます。

出典:★覚醒剤密売 日本人2人に死刑判決|あげはの夢 日記

	

中国は死刑の数世界一

死刑の数世界一、厳しい罰則を、国際社会は果たしてこれを容認するのでしょうかと・・・

中国は、罰則を厳しくすることによって犯罪の抑制をしようとしているようだが

それは無理な気がしますが・・・

出典:理不尽スクープ     : 赤野光信

	

中国は死刑の数世界一

			

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