【閲覧注意】ヤビツ峠・広瀬団地・多良崎城跡【怖い話】
多良崎城跡
ゴールデンウィーク中に仲の良かった同僚の男女4人で、心霊スポットへ行くことになった。身近な割にはあまり行ったことのない場所ということで、「多良崎城跡へ至る道」と「多良崎城跡」の2つの心霊スポットが連なる場所に決定。
僕は昼間に何回か通ったことがあったので友達が運転手、僕がナビ担当で車を走らせた。
国道245線を海浜公園前から日立方面に向うと、やがて右側にコンビニがある交差点が見えた。
そこを左折してしばらく行くと右側に「勝田ゴルフ倶楽部」がある。
ゴルフ場を過ぎて右折すると「多良崎城跡へ至る道」があり、ゴルフ場の側道を少し進むと左側に「多良崎城跡」が見えてくる。
「多良崎城跡へ至る道」には、なぜかバイク通行禁止の標識がある。
ガードレールを見ればボコボコ。 ここを夜バイクで通ると、女の幽霊を見て事故るという話。
復旧しても復旧しても、事故が後を絶えないからそのままにしているのか。
しばらく進むと城跡の石碑があったので石碑の前に路駐。
みんなで車を降りて城跡へ向かう林道へ。
女の子が突然転んだので、
「気を付けなよ。」
と声をかけると
「女の人の声が聞こえたの!耳元で。それで腰抜かしちゃった!ヤバいよここ、戻ろう。」
女の子の手を取って立たせてあげると、あたりに霧がかかってきた。
ひんやりした空気が流れてきて、急激に視界がさえぎられる。
皆恐怖に怯えて、4人で手をつないで車へダッシュした。
あわてて車に乗り込む俺達。濃霧が車を取り囲み、先が全く見えない。
急いでエンジンをかける。
突然、女の子が泣き出した。林道を指さし、
「女の人が歩いてくる!もう無理!早く逃げて!」
県道に出ると霧など全くない。 その前兆すらない。
霊の話を聞いたことはあったが、霧は聞いてなかった。
あんな霧の中をバイクで走ったら、事故るに決まってる。
もう二度と行くのはやめようと、4人で話し合った。
広瀬団地
「銀行員が大金を持ったまま行方をくらました。」銀行の集金係りだった男性が、ある日の集金中に行方不明となった。
残された家族は世間から白い目で見られ、耐えかねた母子は心中してしまった。
しかし、数日して事件の真相が判明した。
実は、男性は集金中に強盗にあい、殺害されていたそうだ。
一家が住んでいたのは、古びた団地である広瀬団地。
この団地は事件、事故が頻繁に起こることでも有名だったという。
広瀬団地の家族が暮らしたその部屋はしばらく無人となった。
しかし、事件のほとぼりが冷めた頃、新しい入居者を迎え入れた。
しかし3日も経たずに退去してしまった。
その後も新しい入居者が部屋に入ったが、数日ともたなかった。
最終的に肝の据わったその筋の人が入居したが、彼らも瞬く間に部屋から逃げるように去ってしまった。
こうした事態に耐えかねた団地管理者はようやくその部屋を廃棄することにした。
室内の家具などを処分するため解体業者を呼んだのだが、 その業者すら家具を運び出す途中で逃げてしまったそうだ。
しばらく家具を積んだトラックさえ放置してある始末。
いったい、その銀行員家族の住んでいた部屋で何があったのか。
その団地は、今はもう取り壊されて月極め駐車場となっている。
ヤビツ峠
バイトを終え、家で夕飯を食べて風呂に入り、後は寝るだけ。その日はそれで終わるはずだった。
なのに、なぜかこの日は無性にバイクを走らせたい気持ちに駆り立てられた。
「ちょっとバイクでそこらへん走ってくる。」
「もう夜遅いからやめなさい。」
「大丈夫。すぐ帰るよ。」
母の見送りを背に、俺は走り出した。
久々にちょっと遠出してみるかな…。
なぜそんな気持ちになったのだろう?
普段は走るといっても近所を20分ぐらい走るだけなのだが。
今夜はヤビツ峠へ足をのばすことにした。
寒い中走ること40分。峠の入り口に到着した。
頂上までノンストップで行くぞ!と意気揚々と進入したものの、相変わらずこの峠は外灯がないので暗い。
「なんか変な空気を感じる。」
中腹地点にさしかかったあたりで、引き返そうかなと思った。
迷っているうちに全長10メートル弱の短いトンネルにさしかかった。
なんだか入ってはいけない気がして、俺は引き返そうとした。
ところが、ブレーキが効かないのだ。
パニックにおちいりながらも何とか必死に運転した。
どうにか停まったのだが、まだトンネルの中?
状況がつかめなかった。
その瞬間、前方からすごい数の気配がした。
何かが近づいてくる。
エンジンをかけようとしたが、まったくかからない。
気配はその間にもどんどん近づいてくる。
くそっ!かかってくれ!
何度も何度もかけようとしているのだがかからない。
かかった!
その瞬間、ガツンと肩をすごい力でつかまれた。
泣きながら逃げた。無我夢中で走り続けた。
走っている間もずっとつかまれていた。
「ドウシテ?」
何だ?誰だ?
「ドウシテ…ドウシテ…ドウシテ…ドウシテ…ドウシテ…」
男か女か。声の区別もつかない。
半狂乱になりながらなんとか峠から出ることができた。
声は聞こえなくなり、肩も軽くなった。
どうにか落ち着きを取り戻しはじめていた、ちょうどそのとき!
「アキラメナイ」
俺は必死で逃げた。そこから先の記憶はない。
母によると、俺は今まで見たことのないような青白い顔をして、部屋に入っていったそうだ。