育児に疲れたママの心が癒された「Today」の詩、翻訳され絵本に

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英語圏に伝わる育児をテーマにした詩「Today」が、日本の母親の共感を集めている。育児という日々の戦いで疲れ切ってしまった、そんな育児に悩んだお母さんたちから人気になっているようです。



日本の母親の共感を集めた 絵本「Today」


今日 (福音館の単行本)
今日 (福音館の単行本)下田 昌克

福音館書店 2013-02-13
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英語圏に伝わる育児をテーマにした詩「Today」が、日本の母親の共感を集めている。「ほんとにいったい一日何をしていたのかな」「この子のために すごく大切なことをしていたんだ」。日本語訳された詩は口コミやネットで広がり、絵本も出版された。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 詩は子育てに悩む日本の母親たちの心をつかんだ。


 「一生懸命生きているママをわかってほしい。世界中のママたちみんな同じ気持ちだよ、ってその詩は訴えていると思います」

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 友美さんは結婚して川崎市で暮らし、長女(3)の子育てまっただ中。10月末には第2子を出産した。「一生懸命になるあまり、できないことばかり頭に残る毎日。でもできていることもあるんだと、この詩を読んで自信が持てるようになった」

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル


「『これでいいんだ』と認めてもらえたみたい」と勇気づけられる絵本


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 6歳と2歳の男の子を育てる和歌山県広川町の芝貴子さん(36)は「『これでいいんだ』と認めてもらえたみたい」と勇気づけられた。最後のフレーズ「わたしはちゃーんとやったわけだ」が一番心に響いた。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 松江市の竹野内美由紀さん(32)がこの詩に出会ったのは2年前。子育てに悩むママの独白は「まさに私のことだ」と思った。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 保育士で育休中だった。赤ちゃんの世話で一日が終わる。夫は毎日仕事で遅く、愚痴も言えない。職場で5人の0歳児をみるより、代わりがきかない1対1の育児の方が、息抜くひまもなく気分転換もできない。詩に出会って心のゆとりができた。9月に長女が生まれて育児の気苦労は増すが、「泣きやまないようになったら、また詩を読んでがんばります」。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル


育児ママを応援する絵本「Today」出版までの道のり

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翻訳したのは詩人の伊藤比呂美さん(59)。大学院で育児について研究していた元雑誌編集者の友人(47)から頼まれたのがきっかけだった。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 友人は10年ほど前、ニュージーランドの子育て支援施設を見学した。その際、壁に貼っていた古びたA4判の紙が目にとまり、内容にひかれて書き写したという。伊藤さんは帰国した友人から示された詩を訳した。日本語版「今日」はネットを通して広まり、全国の母親たちにシェアされるようになった。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 児童図書の福音館書店編集者、中村力さん(39)もネットで「今日」を見つけた。調べても作者はわからず、よみ人知らずの詩は英語圏各国に広まっていた。伊藤さんに出版を持ちかけ、2013年2月に発行。これまで1万5千部売れた。「大人向けの絵本としては好調な売れ行き」という。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル



「ずぼら」でOK 詩への反響は、母親が抱く社会の閉塞感(へいそくかん)や息苦しさの裏返しでもある

 横浜勤務の夫と離ればなれで、この7年半は娘3人を育てながらフルタイムで働く兵庫県芦屋市の会社員泉谷美幸さん(44)は、第1子の育休から1年ぶりに職場復帰したとき「重責から解放されてほっとした」と振り返る。「専業主婦のママは育児や家事が十分できなかったときの逃げ道がない。家にいるなら子育ても家事も完璧で当たり前、と意識させられる。日本の女性への社会の要求基準が高いのでは」と話す。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 同市の会社員尾形望さん(41)も詩を読んで「育児に追われていても『家事は女の仕事で当たり前』の空気の中で、助けもなく周りの目を意識しないといけない母親が多いんだ」と受け止めたという。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル

 翻訳した伊藤さんは「子育て中の母親は、地域や社会とのつながりが薄くなって孤立しがち。夫が家事や育児を手伝うことはまだ少ない。とりわけ主婦をとりまく環境は厳しく、支援が乏しいのではないか」とみる。「子育てを始めたころは自分もきちょうめんだった」といい、絵本のあとがきで「『ずぼら、がさつ、ぐうたら』を育児の心構えに」と助言している。

出典:「Today」の詩、ママたちほろり 翻訳され絵本に:朝日新聞デジタル



今日(伊藤比呂美 訳)

今日、わたしはお皿を洗わなかった


ベッドはぐちゃぐちゃ


浸(つ)けといたおむつは


だんだんくさくなってきた


きのうこぼした食べかすが


床の上からわたしを見ている


窓ガラスはよごれすぎてアートみたい


雨が降るまでこのままだと思う


人に見られたらなんていわれるか


ひどいねえとか、だらしないとか


今日一日、何をしていたの? とか


わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた


わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた


わたしは、この子とかくれんぼした


わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った


わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった


わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた


ほんとにいったい一日何をしていたのかな


たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと


でもこう考えれば、いいんじゃない?


今日一日、わたしは


澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために


すごく大切なことをしていたんだって


そしてもし、そっちのほうがほんとなら、


わたしはちゃーんとやったわけだ


Today

Today I left some dishes dirty,


The bed got made about two-thirty.


The nappies soaked a little longer,


The odour got a little stronger.


The crumbs I spilt the day before


Were staring at me from the floor.


The art streaks on those window panes


Will still be there next time it rains.


“For shame,oh lazy one,"you say,


And“just what did you do today?"


I nursed a baby till she slept,


I held a toddler while he wept.


I played a game of hide&


I squeezed a toy so it would squeak.


I pushed a swing, sang a song,


I taught a child what&

right and wrong.


What did I do this whole day through?


Not much that shows,I guess it&

true.


Unless you think that what I&

done

Might be important to someone

With bright blue eyes,soft blonde hair.


If that is true,I&

done my share.










ネットを中心に、子育て中のママを励ましてくれる詩『今日』が話題に



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ネットを中心に、子育て中のママを励ましてくれる詩『今日』が話題になっています。この詩は、ニュージーランドの子育て支援施設に伝わる詩ー作者不詳のまま英語圏に伝わった詩を、詩人の伊藤比呂美さんが日本語訳したものです。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販

初めてこの詩を読んだとき、僕は父親でありながら嬉しくなってしまって、パソコンの前で涙が込み上げました。子育ては大変。子育ては素晴らしい。どちらもそうですが、それぞれすべてではありませんよね。そう、言うなれば「大変だけど素晴らしい」。そんなリアルな、いつも私たちが感じている日常の想いを、スッと見事に表してくれている詩なのです。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販

この素敵な詩に、さらに素敵なイラスト が添えられ、素敵な装丁の本になりました。上質な質感の、小さな本。心の宝物になることでしょう。パソコンやスマートフォンで読むのとは、ひと味もふた味も違う印象ですよね。


自分に一冊、大切な人への贈り物にもどうぞ。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販


すべてのお母さんに贈る、はげましの詩

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 ニュージーランドを中心とする英語圏に、赤ちゃんを育てている母親たちにエールを送る詩が伝わっています。子どもの世話に大わらわで、余裕をなくしているお母さんに、たびたび打ちよせる自己嫌悪の波……。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販

その背中に、この詩のことばは、"たしかに、いろいろ完璧にはできないかもしれないね"と、そっと手をあてます。"でも、いま、かけがえのないこの子をいつくしんでやれているのなら、それで大丈夫なんだよ"と。子を育てるひとにやさしく寄りそう詩行は、作者未詳のまま、口コミでひろまり、世界中の養育者を励ましています。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販

その英詩を、詩人の伊藤比呂美さんが日本語に訳した「今日」も、いつのまにか、知る人ぞ知るものとなっている。公共空間のなかでそっと息づく詩というのも、おもしろい在りかただったかもしれませんが、それにいま、ふさわしい絵によって、たしかな形が与えられました。すべてのお母さんに贈る、小さな本です。

出典:今日|絵本ナビ : 伊藤比呂美,下田昌克 みんなの声・通販


自分に一冊、大切な人への贈り物にもオススメの絵本となっております


今日 (福音館の単行本)
今日 (福音館の単行本)下田 昌克

福音館書店 2013-02-13
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Sharetube