5人が死亡!「大阪此花区パチンコ店放火殺人事件」高見素直とは
大阪此花区パチンコ店放火殺人事件
大阪此花区パチンコ店放火殺人事件(おおさかこのはなくパチンコてんほうかさつがいじけん)とは、2009年に起きた大阪府大阪市此花区での5人が死亡したパチンコ店への放火殺人事件。
大阪此花区パチンコ店放火殺人事件 概要
2009年7月5日午後4時15分頃、大阪市此花区の雑居ビル1階のパチンコ店から出火した。約20分後に消し止められたが、約400㎡の店内は全焼。この火事によって、69歳男性、72歳女性(会社会長)、62歳女性、20歳女性(同店派遣従業員)の4人が死亡し、19人が重軽傷を負った。店員らの証言により、油のようなもの(後にガソリンと判明)をまいて火を点けて逃げた男がいたことが分かり、大阪府警は現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で捜査を開始した。死亡した4人を司法解剖した結果、3人が焼死、1人が一酸化炭素中毒死と判明した。翌6日、「自分がやった」と山口県警岩国署に男が出頭。供述が状況と矛盾しないことから、此花署捜査本部は、現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で41歳男を逮捕した。
同年8月6日午後11時20分頃、重症だった50歳男性(無職)が入院先の大阪市内の病院で死亡。事件での被害死者が5名となった。
高見素直被告
動機
大量殺人の心理
ほとんどの殺人者は、一人しか殺しません。それなのに、一度に大量の人々を殺害する大量殺人者は、ほとんどの場合、逃げることを考えていません。今回も、防犯カメラに簡単に映されています。何人もの人が、加害者の姿を見ています。
大量殺人者の多くは、その場で射殺されるか、逮捕されるか、自殺するか、あるいはまともに逃亡することもなく、すぐに逮捕されたり、自首したりしています。
普通の犯罪者のように、自分が得になることを考えたり逃げようとしたりはしないのです。
彼らの心には、激しい絶望感と孤独感があります。自分の人生を終わりにしたいと思っています。そしてその最後に、「一発大逆転」を考えます。
自分を消すと同時に、社会を破壊することを考えます。こんな自分も、こんな世の中も、終わってしまってよいと思うのです。
そして最後に大きなことをして、自分の気持ちを世間に知らせようとします。
彼らの多くは、声明文を出したり、遺書を残したり、逮捕後に雄弁に自分の思いを語ります。大量殺人は、表現としての殺人といえるかもしれません。
放火犯の心理
かつての放火の動機は、怨恨、恨み、激しい怒りでした。しかし放火犯罪の心理学的な研究 によれば、現代型の放火は、住んでいる人へのうらみではなく、連続して放火する犯人がいるように、 社会全体への不満をはらすために、放火という行為に出ることが多く見られます。
あわててる人を見て楽しんだり、大騒ぎになることを喜ぶような人々です。
今回の場合は、建物に火をつけるだけではなく、明白な殺意を持っていたようです。
自分の人生がうまくいかないことで、社会の人々への不満を高めていったのかもしれません。
裁判経過
一審5人が死亡した大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた高見素直被告(43)の裁判員裁判の判決が31日、大阪地裁であった。和田真裁判長は被告の完全責任能力を認めた上で「まれに見る悲惨な事案で動機も身勝手極まりない。生命をもって償わせるしかない」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。争点となった死刑の違憲性については「違憲ではない」と判断。ただし「絞首刑が最善の執行方法といえるかは議論がある」と指摘した。
裁判員裁判の死刑判決は10例目。弁護側は控訴する方針。
日本の絞首刑は残虐な刑で違憲とする弁護側主張に対し、和田裁判長は「死刑制度が存在する以上、精神的・肉体的苦痛を与え、ある程度のむごさを伴うことは避けられない」と指摘。「死刑に処せられる者は多少の苦痛は甘受すべきだ」として退けた。
また、和田裁判長は死刑の執行方法の在り方について「残虐と評価されるのは非人間的な場合に限られ、そうでなければどのような執行方法を選択するかは立法の裁量の問題だ」と述べた。
一方、弁護側は起訴前の精神鑑定を根拠に「被告は統合失調症による妄想に支配され、善悪判断能力などが著しく損なわれていた」と心神耗弱を主張したが、判決はこれも否定した。
判決によると、高見被告は09年7月、自らの生活が行き詰まった不満から、世間や自分の妄想上の人物に復讐(ふくしゅう)しようと無差別殺人を計画。大阪市此花区のパチンコ店にガソリンをまいてマッチで放火し、客や従業員の男女5人を殺害、客10人に重軽傷を負わせるなどした。
主任弁護人の後藤貞人弁護士の話 絞首刑について少々の苦痛は甘受すべきだとの判決は非常に問題がある。
大阪地検の大島忠郁次席検事の話 裁判員の方々は、犯行の本質を的確に把握され、適正な判決をされた。
二審一審の判決を不服とした弁護側は控訴を申し立てたが、大阪高裁・中谷雄二郎裁判長は2013年7月31日、「犯行時やその前後を通じて特に異常な言動はなく、周囲の状況を正しく認識しながら合理的な行動を取っていた」「妄想はあったが、物事の是非善悪を判断し行動する能力は著しく減退していなかった」と被告の刑事責任能力を認め、求刑通り死刑とした一審・大阪地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。弁護側は上告すると見られる。
犠牲者親友、消えぬ自責の念
客ら5人が死亡、10人が負傷した昨年7月の大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件から5日で1年になるのを前に、亡くなった森下幸司さん(当時50歳)の親友で、
やけどを負ったトラック運転手の男性(51)が読売新聞の取材に応じた。
その場にいながら助けられなかったことを今も悔やむ。
男性は森下さんとは中学の同級生。一緒に旅行したり、息子の野球の試合に
応援に来てもらったりしていた。「人付き合いのいいやつでした」と語る。
事件当日は一緒にパチンコに行き、森下さんが打つのを後ろで見ていた。
ふいに足元に透明の液体が流れてきたかと思うと、男がマッチを投げ、一気に炎が広がった。
「逃げろ」と叫び、走った。森下さんは途中で転び、店内から出てきた時は
火だるまだった。必死で水をかけていたら、逆に「お前、大丈夫やったんや。
良かったな」と気遣ってくれた。約1か月後、やけどによる感染症で森下さんは亡くなった。
男性は「やけどの跡を見るたび、森下を思い出す」と、赤く腫れた右足首をさすった。
この1年、「もっと何かできたのではないか」と自責の念が消えない。
「でも、暗い顔をしていても、あいつは喜ばへん」。命日には森下さんをしのび、仲間と酒を飲むという。
パチンコ店放火殺人事件 大阪市此花区のパチンコ店「cross(クロス)ニコニコ」で、
無職高見素直被告(42)がガソリンをまいて放火、大阪府警の調べに「人生に嫌気がさし、
誰でもいいから人を殺したかった」と供述した。大阪地検は精神鑑定を経て、
「責任能力はあった」と判断、殺人、同未遂、現住建造物等放火罪で昨年12月3日、起訴した。
大阪の放火被害店舗不正改造で社長ら逮捕
ニュースサイト「MSN産経ニュース」は7月20日、大阪府警保安課と此花署が、大阪市此花区四貫島のパチンコ店《Ciao(チャオ)》(旧crossニコニコ)など系列3店舗を風適法違反(遊技機の無承認変更)容疑で家宅捜索し、経営者ら幹部2人を逮捕したと報じた。同店は、2009年7月に放火され、遊技客ら5人が犠牲となった店舗。
報道によると、府警は経営者らが収益を上げるため、客数などに応じて大当たりの確率を変えて営業していたとみて調べているという。
逮捕容疑は、2年前の09年6月、系列店の1店舗が「CR大海物語スペシャル」など12台に大当たり確率を変えるICチップを不正に取り付けて営業していたことで、府警は3店からパチンコ台など計約60台を押収したという。
改造を請け負った男も同容疑で逮捕されており、府警では不正改造を請け負うグループが存在するとみて調べている。
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