【早くドアを開けろ!】小田急線火災は一步間違えれば大惨事だった!?
9月10日午後4時すぎ、小田急小田原線参宮橋駅付近(東京都渋谷区)にあるボクシングジムから出火し、約300人の乗客は次々と降りて、線路を歩くなどし、ケガ人はいなかったが、小田急線の一部区間が5時間以上運休した。沿線の列車に延焼したことがニュースに取り上げられたが、乗客や近隣住民が撮影した写真や動画を見ると、想像以上に危険な状況だったのがわかる。
車両の中からは、「ドアを開けろ」と叫ぶ乗客の声
火災を間近で目撃した男性によると、車両内の電気が消え、乗客は動揺した様子だったという。火元の建物と線路を挟んだ反対側に住む自営業武藤淳さん(51)は、けたたましいサイレンの音で火災に気付いた。建物から火柱が上がっており、そこに電車が走り込んで停車した。
屋根が燃え始めると、電車は少し進んでまた止まった。車内では、乗客が火災に気付き、運転席に向かって「ドアを開けろ」と叫んでいた。
運転席から数人が出た後、乗降用の扉が開き、乗客が次々と線路に降り始めた。しばらくすると、前方の参宮橋駅から数人の職員が駆け付けた。抱きかかえるようにして乗客を降ろしていったが、全員が脱出するまでに20分ほどかかった。
武藤さんは自宅で窓を開けたとき、顔が焼けるほどの熱を感じたという。外からは、沿線住民に避難を促す声が聞こえていた。
消防隊員「運転士ドア開けろ」「電車に燃え移った。早く避難しなさい」
なぜ列車に延焼してしまったのか?
警視庁などによると、出火の約5分後に消防から「火災が起きているので、電車を止めてほしい」と要請があり、代々木署員が現場近くの踏切の非常停止ボタンを押した。このため、列車は自動的に非常ブレーキがかかったが、緊急停車した場所が、たまたま火災現場の脇だった。火事現場から離れようと運転士が列車を動かし始めたが、先頭から2両目の屋根に火が移っているのが確認されたため、列車を再び停止させた。車内放送などで乗客を先頭と最後尾の車両に誘導して線路に降ろし、午後4時45分ごろまでに避難を完了した。この列車のほかに、付近を走っていた上下線計7本の列車も駅間などで停車し、乗客が車両から降りて、最寄りの駅や踏切まで歩いたという。
火災現場付近の緊急停止ボタンを押さないほうが良かった?
火事の規模にもよりますが、この場合車両は停車させず、通過させた方が良かったのかもしれません。ただ、現場の状況が全てつかめない中での対応なので、判断は難しかったと思います。
列車は止まるとすぐに動かせない
緊急ボタンが一度押されると、安全確認など多数の手順を踏んでからでないと、電車を動かせないルールになっているようだ。また運転士も当初は踏切の不具合と思っていたらしく、火災とは認識していなかったとのこと。
列車は燃えにくい構造になっているが、大切なのは情報の共有と連携した対応
専門家によると日本を走る列車の多くは、火災に強い構造や素材が採用されているため、車外は燃えても社内に燃え広がりにくいそうだ。しかし、多数の乗客の命をづかる鉄道会社としては、今後このような事故が起こらないように消防、警察と密な連携をちってもらうことを望む。
車内放送などで乗客を先頭と最後尾の車両に誘導して線路に降ろし、午後4時45分ごろまでに避難を完了した。この列車のほかに、付近を走っていた上下線計7本の列車も駅間などで停車し、乗客が車両から降りて、最寄りの駅や踏切まで歩いたという。