地元育ちのハンバーガーチェーン「FIVE　GUYS（ファイブ・ガイズ）」だ。

　銀色の袋を開け、ちょっとくずれてぺたんこになったバーガーをほおばる。かりっと揚がったベーコンとしっかり焼かれた牛肉の香りが口に広がる。その後に、フレッシュなオニオンと、柔らかいマッシュルームの食感が追いかけてくる。

　ハンバーガー以上に存在感を放っているのが、フライドポテトだ。店に入ると、1袋22キロ入りのジャガイモが入った袋がうずたかく積まれている。その上のホワイトボードには「今日のポテトは『アイダホ州エギンのダグ・ハンクス』」と、産地と生産者の名前も書かれている。

　「持ち帰り（to　go）」と頼むと、何の変哲もない茶色の紙袋に、ハンバーガーと紙コップに入ったポテトを入れてくれる。この店の売りは、その上からさらにポテトを振りかけてくれることだ。要するに、紙袋の中がポテトでいっぱいになる。だから油がしみ出る。

　このポテトがうまい。その秘密は、冷凍のジャガイモは使わず、生のジャガイモをすべて店でスライスしていることだ。それをピーナツ油でさらりと揚げる。

出典:（地球を食べる）「5人の男」が始めた店

店内に冷凍庫はなく、注文を受けてから全てを作り始める。そのため混雑している時には出来上がるのに時間はかかるけど、ベルトコンベアのような流れ作業なので、言うほど待たされることはない。

出典:【アメリカ】 DCの人気ハンバーガー「FIVE GUYS」

店のあちこちに箱に入ったピーナッツが置いてあり、全てがフリー。待ってる間に食べることも可能だ。もちろん食べ過ぎには注意が必要なのだが、塩が効いていて美味しい。

出典:【アメリカ】 DCの人気ハンバーガー「FIVE GUYS」

レギュラーサイズです。カップにまったく入りきっておりませんでした。

生のジャガイモを切って揚げたシンプルなフライドポテト。うまうま。3.19ドル。

出典:ファイブガイズ - エイリアン、地球を行く

今回ワタクシがオーダーしたのは「レギュラーサイズチーズベーコンバーガー」の全部入り。無料トッピング全部入っております。8.45ドル。

このチーズベーコンバーガー、トッピングなしでも920キロカロリー。

フライドポテトは953キロカロリーであります。

コーラとピーナッツも付けて、余裕の2000キロカロリー超え。

たっぷりカロリー摂取したい時におすすめのお店であります

出典:ファイブガイズ - エイリアン、地球を行く

　ファイブ・ガイズは1986年、ワシントンから川を隔てたバージニア州アーリントンで生まれた。創業したのは、生命保険会社につとめていたジェリー・マレルと妻ジェニーに4人の息子たち。「大学に行くか、事業をやるか、どちらか決めろ」。長男の高校卒業間際、父親のジェリーがそう聞いた。長男は迷わず事業を選び、始めたのがこの店だ。父親と4人の息子からつけた店名の「ファイブ・ガイズ（5人の男）」は、翌年に5人目の息子が生まれ、5人の息子を指すようになったという。

出典:（地球を食べる）「5人の男」が始めた店

　1号店は、赤と白の派手な看板をつけた小さな店だった。口コミで客が増え、ワシントン周辺で5店を運営。2002年にフランチャイズ化に踏み切ってから、爆発的に店が広がった。現在は全米で千店以上、カナダと英国でも展開している。昨年の米消費者情報誌「コンシューマー・リポート」のファストフード部門では、西海岸の「ハビット（Habit）バーガーグリル」「イン・アン・アウト（In－N－Out）バーガー」に次ぐ3位。東海岸を代表するハンバーガーチェーンとなった。ちなみに、マクドナルドは21位で最下位だった。

出典:（地球を食べる）「5人の男」が始めた店

　ファイブ・ガイズのメニューはいたってシンプル。ハンバーガーは、「ハンバーガー」「チーズバーガー」「ベーコンバーガー」「ベーコンチーズバーガー」の4種類しかない。千店以上のチェーンとなり、本社には「バニラシェークがほしい」「コーヒーはないのか」などの要望が殺到するという。実際、経営陣は何度も試作品を試したが、最低限のメニューに絞り込んでいる。禅を愛し、日本のわび、さびを尊んだ米アップルの故スティーブ・ジョブズ氏にも通ずる、「シンプルさ」へのこだわりを感じる。

出典:（地球を食べる）「5人の男」が始めた店