映画「悪魔のいけにえ」は完全オリジナル?エド・ゲイン事件を基にしたと言われる定説の真相とは
ホラー映画大好きなみなさん、なかでもスプラッター系を愛してやまないそこのあなた…40年以上前から語り継がれる恐怖映画「悪魔のいけにえ」はご存知でしょうか。観たことなくても題名は聞いたことある!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。では「エド・ゲイン事件」はどうでしょう?人の肉で食器を作ってたとかいうアレです。
映画と事件について、関連性があるのをご存知の方も多いことでしょう。今回はその噂についてお話してみようかと思うのですが…本題に入る前に、その2つについておおざっぱに説明していきます。どっちも知ってる~って方は飛ばしちゃってください。
映画「悪魔のいけにえ」
下の動画は予告編ですが、けっこうグロい描写が多いのでご注意ください。
レザーフェイスで有名なホラー映画。ジャンルとしてはスプラッターにもなりますが、ストーリー性はけっこうしっかりしています。グロ系にありがちな5人の旅行者がたまたま襲われて…みたいな流れですが、レザーフェイス一家の意味不明で大胆なセリフや行動が楽しめます。
ちなみにチェーンソーと言われて想像するのは「13日の金曜日」でおなじみのジェイソンですが、こちらのレザーフェイスが本物ってご存知でしたか?本物って言い方が合っているのかわかりませんが、ジェイソンは映画のなかで一度もチェーンソーを使用していないのだそう。なぜチェーンソー=ジェイソンとなったのか…不思議です。
観るなら古いほうがおすすめ!
ピッカピカでキラキラの高画質で観るのもいいですが、1974年バージョンもおすすめです。当時製作費削減のためにスクリーンには向かないフィルムで撮影し、スクリーン用にサイズを合わせたので画質が悪くなってしまったのだそう。しかしまあこれが余計に恐怖と気持ち悪さを倍増させております…。画面から血の匂いが漂ってくるくらいのリアルさ。余談ですが、本作の原題は「Texas Chain Saw Massacre」で、直訳すると「テキサスチェーンソー大虐殺」。悪魔のいけにえとはまったく違う題名になっております。どうでもいいですが、てきさす・ちぇーんそー・まっさかー というふうに聞こえます。
エド・ゲイン事件(グロテスクな表現が含まれるのでご注意ください)
出典:殺人博物館〜エド・ゲイン
1957年にアメリカで起こった事件。エド・ゲインの犯行は数えきれないほどの墓荒らしと、2人の殺害です。連続殺人鬼とも言われるために何十人も殺したと思われるようですが、実際に殺害したのは2人です。それでも連続は連続ですが。というか殺人ってのがもうアウトですが。
人々が衝撃を受けたのは、墓から盗んだ死体や殺害した2人の女性を「戦利品」や「勝利品」としてさまざまなものに作り変えていたことです。人間の皮でつくった食器、靴下、ランプシェード、ベルト……。女性への変身願望があったとされるエドは、おっぱい付きの胴着を作って着用していたそう。器用ですね、とは言えません。
ゲインは医師団に「回復の見込みのないほどに精神を病んでいる」として責任無能力者と診断され、州立の精神病院に収監された。この措置に身内の墓を暴かれたプレインフィールドの住民たちは猛反対した。
出典:殺人博物館〜エド・ゲイン
エド・ゲイン逮捕後、呼吸不全で亡くなるまで精神病院で過ごしたのだそうです。犯行については素直に供述したようですが、そこに罪の意識はあったのでしょうか…。
「悪魔のいけにえはエド・ゲイン事件をもとにした」は本当?
さて、映画と事件について少し紹介しましたのでここからが本題です。映画として人々に衝撃を与えた「悪魔のいけにえ」は、これまた人々に衝撃と恐怖を与えた「エド・ゲイン事件」をもとにした作品だと言われています。果たしてその真相はいかに…?
ずばり「似ているがもとにはしていない」
いきなり結論出しちゃいましたが、事件をもとにして作った映画ではないのだそう。
監督本人はこの事件については記憶が曖昧で、ある評論家がエド・ゲイン事件に似通っている部分があると評したのがこのような説の流れた端緒である。
似ている場面があるのは確かなのでそりゃ言っちゃいますよね。事件の世界を表現できるのもすごいですが、参考なしに悪魔のいけにえのストーリーを思いつくのはもっとすごいと思います。
「これは真実の物語」
映画の冒頭で流れるテロップ。始まる前にそんなこと言われたらそう思って観ちゃいますよね。これは観客の恐怖をあおるために後付けした演出なのだそうです。
監督は完全否定をしなかった?
「この映画、エド・ゲイン事件に似てる!」という声は当然監督の耳にも入るわけですが、どうもトビー・フーパー監督はそこで別段否定はしなかったそうな。「いや、僕はこの事件覚えてないし真似してないし参考にもしてない!」な感じで完全否定すればここまで『悪魔のいけにえ≒エド・ゲイン事件』になることもなかったのかもしれません。
子どもの頃に父親から事件の話を聞いた
エド・ゲイン事件が発生したのは1957年のお話。残酷極まりない事件を知ったトビー・フーパーの叔父が、事件の話を聞かせたというエピソードがあります。
ドキュメンタリー映画アメリカンナイトメアのインタビューでは、「ウィスコンシン州で人間の皮でランプシェードを作った男」の話を、「子供の頃に叔父から何度も聞かされ強く印象に残っていた」とも話している。
どこまで詳しく話したかは不明ですが、子どもには衝撃的な話だったに違いありません。残酷な事件を耳にしたトビーは、内容は忘れてもどこか強い印象が残っていたのかもしれませんね。それにしても表現力がすごいです。
悪魔のいけにえは最高で最悪な傑作ホラー
『悪魔のいけにえ≒エド・ゲイン事件』のイメージが定着しているのが悪いというわけではありませんが、一部で悪魔のいけにえはエド・ゲイン事件の概要であるというように言われているのは…それは少し言い過ぎですね。監督や脚本家が精を出して作った超グロ残虐描写だらけの衝撃作…最悪というのは褒め言葉です。めっちゃ最悪です。
あなたも映画や事件の世界に引きずり込まれてください…((ガタガタ
悪魔のいけにえとエド・ゲイン事件の関係についてお話してみましたが、いかがだったでしょうか。映画は知ってるけど事件はあまり知らないという方も興味が湧いてきたのでは…?残酷な事件を笑いものにはできませんが、映画と似ている点を探してみるのも面白いかもしれません。
とくに映画ではシュールで笑えるシーンや意味不明だけど面白いセリフもたくさん出てくるので、一度観た人も「悪魔のいけにえ」の凄さを再確認しましょう!