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【洒落怖】竹林の手(山・中編)

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【洒落怖】竹林の手(山・中編)

Author:
ankouankou
Posted date:
【洒落怖】竹林の手(山・中編)

『竹林の手』

184 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/27 03:25 ID:v/qeq24d
ところで、俺の話も聞いてくれよ。 
不思議な話って感じなんだが、ちょいと喋りたくなったんだ。 

俺がまだ中学生だった頃、地元じゃまだ自然がいっぱい残ってた。 
川に竹筒を沈めとけばでかいウナギが取れたし、
山にいけば自生してるビワを勝手に取って食えたわけよ。 
当時、俺は悪ガキだったから、
まあ、ホントはやっちゃいけない事も結構平気でやってたのね。 
例えば、人様んちの山に勝手に入って作物を泥棒したりとかね。 

で、ある日、竹の子が欲しくなって、夜中に家族が全員寝たのを見計らって、
明け方こっそり抜け出したのよ。 
まだ辺りは真っ暗だったけど、俺は全然平気。
ポケットライトを持ってたけど、家族に気づかれちゃ困るから、それも消して山へ出かけた。 
そこら一帯は遊びつくしていたから、自分の庭みたいなもんで、
俺にとっちゃ星明りで十分なわけ。 

185 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/27 03:26 ID:v/qeq24d
そんで、かねてから目をつけてた竹林に行って、いよいよ竹の子探し。 
そこの竹林の所有者ってのが、また怖いジジイでさぁ、見つかったら最後、 
鎌もって追いかけてくんだよ。いや、もうすんごい剣幕でさ。 
夜中でも見張ってるから、ありゃ一種の病気だね。 

で、そこでライトを初めて点けたのね。明かりが漏れないように手の平で隠して。 
地面を這いつくばって微妙な土の盛り上がりを探すの。 
竹の子は土の上にまだ顔を出さないうちに掘り出して、生を醤油で食うのがうまいのよ、 
これ最強。俺の頭はもうその事だけしかないのね。はあ~竹の子食いてー!って。 
そんで、見つけましたよ。竹の子。かすかに土が盛り上がってんの。 
俺はもうにんまりしちゃって、ライトを消して、もちジジイに見つからないようにね、 
いそいそとスコップで掘り始めたわけよ。 
掘ってると、竹の子のとんがりの部分が出てきました。 

186 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/27 03:28 ID:v/qeq24d
でも、ちょっとおかしいのよ。 
手触りっつうのかな、形が妙なのね。ごつごつしてるっつうか。 
なんか俺、嫌な気がして、掘るのやめたのね。で、ペンライト点けた。 
そしたら、それ・・・爪があるのよ。もろ人間の爪。指だったのね、それ。 
人間の手が、指先すぼめたようになって、埋まってたの。 
指の色は黒くなっちゃって、もう相当時間たってる。 

俺、悲鳴上げた。 
死体だ、死体だ、死体だ!って、もう頭ん中パニック。 
俺、その時わかっちゃったんだ。 
なんでジジイがいつもここを見張っているのか。 
殺したの・・・ジジイだ。・・・俺、ぞっとした。 
そん時の俺は、とにかくばれない様に、ここに来た証拠を消す事しか頭になかった。 
もういっぺん死体を埋めて逃げ出す。ただそれだけ。 
だけど埋める前に、ほんとに人間の手だったかどうか確かめなくっちゃって思って、
怖いの我慢してもう一度ペンライトを当てたの。 
だけど、どっからどうみても死人の手。 

187 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/27 03:30 ID:v/qeq24d
でもそん時、突然手が動いた。蛇みたいにすばやく、シュシュッ!!って。 
あっと思ったら、俺、右手をつかまれてた。 
俺叫んだ。うわあーーーーっ!って。たぶん泣いてたと思う。 
無理やり腕ひっぱった。このまま捕まったら、殺されると思ったから。 
そしたら泥で滑って、絡みついてた指がはずれたんだ。 
指は俺が持ってたペンライトをつかんで、穴にひっこんだ。 
明かりでペンライトが穴に吸い込まれるのが見えたんだけど、 
次の瞬間、「ベキベキッ」ってすごい音して、ペンライトひしゃげちゃった。 
そのまま真っ暗になった。 

俺逃げました。よく知ってたはずの山なのに、どこをどう走ってるんだかわからない。 
気づいたら、沢ん中に座り込んで泣いてた。水で尻までびちゃびちゃになってた。 
顔くしゃくしゃにして、声上げて泣いてた。 
そしたら、急に体をつかまれた。「がしっ」て、わしづかみにされた。 
俺、ひーーってかすれるような声出して、死に物狂いで抵抗した。 
そしたら、「大丈夫だ、大丈夫だ」って声がしたの。 
それ、ジジイだった。俺、近づいてくる水音さえ気がつかなかったらしい。 
ジジイ、すげえ優しかった。「よかったな、よかったな」って、何度も俺を抱きしめた。 
ジジイに送られて、俺、家まで帰った。 
お袋はすげえ怒ったけど、親父はなんも言わなかった。

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著者プロフィール
ankou

怖い話を中心にしてまとめています。