吹奏楽強豪校ってどのくらいきついの?実体験を話します

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文化部といえば「吹奏楽部」

吹奏楽部は文化部の中でも多くの学校に存在する部活ではないでしょうか

大人数でも少人数でも、各々が楽器のスキルを磨き、様々な大会、本番に挑みます


吹奏楽は毎年、全国レベルの大きな大会が多く開催されており

そのような大会に多く出場、または良い賞をもらっている高校は「強豪校」といわれます


どんな部活でもそうですが「強豪校」といわれるほど練習が過酷になります

私の出身校も「強豪校」といわれる高校の一つで、その練習は中々にハードでした


今回はそんな私の体験を少しお話したいと思います

吹奏楽部の人も、そうでない人も、入ってみたいなと思う人も、響け!ユーフォニアムが好きな人も

なにかの参考にしていただければ幸いです

どのくらい実績があるの?

全日本吹奏楽コンクール金賞受賞

全日本吹奏楽コンクールは、毎年11月初めごろに名古屋で行われる

いわゆる「全国大会」です

吹奏楽部の全国大会といえば、基本的にこの大会のことを指します

夏頃から各地で予選が行われ、全国大会出場校が決まります

出場校はおよそ1500校ほどですが、そのなかで全国大会に進むことができるのはわずか30校です

さらに、そのうち金賞を受賞することができるのは年にもよりますが

大体10校ほどです


全日本マーチングコンテスト金賞受賞

全日本マーチングコンテストは毎年12月ごろに大阪で行われる

マーチングの「全国大会」です

マーチングというのは、大人数が楽器を演奏しながら、行進をしたり、隊列を組んだりする

パフォーマンス要素の強い競技です

普段とは全く違うことをしなければならないため

「マーチング部」と「吹奏楽部」を分けている学校もあります


他吹奏楽の大会において上位入賞など

そのほかにも毎年各地で行われるコンクール・コンテストなどがありますが

一番大きい大会は上の二つだと思ってください

休みはどのくらいあるの?

やはり、部活をやるうえで休みというのは非常に大事ですよね

休みというのはやはり学校によると思いますが、私の出身校の吹奏楽部では


年間40日ほど、でした

つまり、年間300日以上部活に通っていたのです

主な休みはテスト期間です

私の出身校は前期後期制だったので一年で4回テストがあります

そのたびに9日ほど休みがありました

ですが、大きな本番が近い場合は例外です


そのほかの休みは正月休みが3日ほど、夏休みは1日だけ休みでした

それ以外は、学校のある日はもちろん、大型連休もすべて部活でした

練習時間は?

通常授業日は放課後から20時半まで、に加えて朝7時から授業が始まる前までです

休日は朝8時半から夜20時半までが基本ですが

本番直前は22時頃まで活動していました

なので遅い日は家に帰るのが日付を超えてしまうことも


要するに


基本的に平日は合計6時間、休日は12時間だが例外多数

というわけです


夜遅く朝早いため、高校生にはきつかったです


大会の直前は、本番を想定するためホールを借りて練習をすることがあります

その時はホール近くのホテルにメンバー全員で宿泊し

朝から晩まで3日ほど合宿を行います

こういったホール練習が年間30回ぐらいあったと思います

本番ってどのくらいあるの?どこでやるの?

大会レベルの大きな本番は2か月に1回ほど

各地方や地域での演奏会が月に2回ほど

学校説明会などの小規模なものが月に1回ほどありました

なので多い月は5回ぐらい本番がありました

年間でいうと50回くらい本番があります


演奏場所は様々で、学校内での本番もあれば

全国各地のホールや駅前での演奏もあります

おそらく全国の半分くらいの都道府県で演奏したと思います

そのほかに、有名テーマパークでの演奏や海外での演奏もありました


遠い地域の演奏会で一番大変なことは移動です

海外の演奏に行くのはもちろん飛行機なのですが

それ以外は基本的にバスでの移動となります

本番が終わり、疲れた体での長時間のバス移動はとてもつらいです


本番が夜11時に終わり、学校についたのが翌日の正午なんてこともありました

部員はどのくらいいたの?人間関係は?

これは本当に学校によると思いますが

私の出身校は各学年50人ほど、全体で150人ぐらいいました

うち男子は30人ぐらいでした


人間関係はそれはもう大変です

吹奏楽強豪校に入ってきた人は大体「全国大会に出たい」と思って入ってきます

ですが全国大会に出場できるのは150人中55人までなのです

全国大会でよい成績を獲得するのが目的なのですから

学年は関係なく、楽器のうまい人がメンバーに選ばれます


そのため、3年間全国大会に出られなかった人も出てきてしまうわけです

そうなってしまうともう大変です

「私の子供がなぜ出れない」と学校にクレームをつけてくる親までいました

やっぱりとんでもなく厳しいの?

音程がずれていた、音を外したなど演奏に関することはもちろん

日頃の生活態度にも非常に厳しかったです

部活内に風紀委員のようなものが存在していて

「学校指定のものを着ていない」「髪型が乱れている」などを取り締まっていました


実績のある部活だと、学校からの協力が大きくなってきます

それなのに、学校生活で問題を起こす、例えば遅刻や非行などをすると

それで全国大会のメンバーから外されてしまったりします

中にはスキャンダルを起こさせないために「部内恋愛禁止」にしている学校もあります

運動部よりきついって本当なの?

よく吹奏楽部の人が「運動部よりきつい」っていいますが

これは大体嘘だと思います

確かに、練習とくに演奏しながら歩き回るマーチングの練習はかなりハードですが

サッカー部や野球部の練習メニューに比べれば圧倒的に楽だと思います


ただ、あくまで文化部なので運動が苦手な人が多く入ってきます

なので、そういった言葉が出てしまうのも仕方ないのかもしれません


吹奏楽部の人に「私たちのほうがきつい」といわれても

心の中で言い返しておきましょう

学業との両立はできるの?

これだけ練習や本番に時間を割かれてしまうと勉強がおろそかになり

成績がとんでもなく落ちてしまうと思うかもしれません

ですが、私はこう思いました


できる奴はできるし、できない奴はできない

こんな部活でもしっかり勉強して学年トップクラスの人もいれば

睡魔に勝てず授業中に居眠りをし、赤点を取り続けていた人もいます

部活があろうがなかろうが、成績には大して関係ないと私は思います

そんな部活で楽しいの?

練習は基本的に楽しくないです

そりゃそうです、せっかくの高校時代をこれだけ部活に費やしてしまうのですから

仲のいい友人や、先輩後輩と遊びに行けるところなんて

部活帰りの夜ご飯ぐらいしかありません


ですが本番は本当に楽しいです

本番は練習と違って、「ここまで」というのがはっきり決まっています

さらに、演奏が終わった後の数千人からの拍手喝采ほど気持ちの良いものはありません

多分もう二度と味わうことはないと思います

だから、演奏中疲れたなどとは思いませんでした

全国大会も緊張する、より楽しいが圧倒的に上回っていました

まだまだたくさん大変なことはありますが…

楽器の演奏スキルなんてものは社会に出たらほとんど役に立ちません

楽器だけで食べていける人なんてほんの一握りなのですから


では、なぜこんなにも厳しい練習をみんな続けるのでしょうか

それはきっと


なんだかんだ楽しいから

です

どんなに練習がつらくても、先生が厳しくても

差し引き「楽しい」がプラスになるぐらいには楽しいことがあります

高校時代の友人と会って話すことはやはり部活のことです

それだけ思い出深い出来事が高校時代で体験できるなんてよいことだとは思いませんか?


これから吹奏楽部が高校の部活からなくなることはしばらくないと思います

今日もどこかで強豪校の部員がきつい、つらいと言いながら練習をしていることでしょう


吹奏楽部の人も、そうでない人も吹奏楽の本番見に行ってみてはいかがでしょうか


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著者プロフィール
Sharetube