5000万人のフェースブック個人情報を集め米大統領選で印象操作か?
Facebookアカウント削除がTwitterをはじめとしたSNS上でハッシュタグをつけて頻繁に飛び交うようになった。
2016年のアメリカ大統領選でトランプ陣営を支援したイギリスのデータ分析が、Facebookの5000万人分を超える個人情報を不正に利用した可能性があることが明らかになった。利用者の不信感や怒りが高まり、Facebookページの削除を促す「Facebookの最高責任者(CEO)マーク・ザッカーバーグ氏はCNNのインタビューで「このようなことが起きて、本当に申し訳なく思う」と一連の騒動を謝罪しているが、事態は収まりがつかず、利用者離れが加速しそうだ。
英国のデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカはフェースブックユーザーのプロフィールにアクセスしデーターを吸い上げ、嗜好に元づいたプロパガンダで大衆を操作、大統領選でトランプ氏を勝利に導いたとする不正疑惑が湧き上がった。
我々はインターネットを「肥溜め」にしてしまった ケンブリッジ・アナ...
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52643
英国のデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカは5000万人のフェイスブックユーザーのプロフィールにアクセスしたとされ、そのおかげで米国人有権者の政治志向を推測し、共和...
ロンドンのケンブリッジ・アナリティカのオフィスの玄関
英ロンドンにある情報分析企業ケンブリッジ・アナリティカのオフィスの玄関に貼られたアレクサンダー・ニックス同社最高経営責任者(CEO)の投獄を求めるビラ(2018年3月20日撮影、資料写真)
ケンブリッジ・アナリティカは5000万人のフェイスブックユーザーのプロフィールにアクセスしたとされ、そのおかげで米国人有権者の政治志向を推測し、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏に有利になるよう、パーソナライズされたメッセージをこれらの有権者に送ることができたという。「一人ひとりの有権者の耳にささやきかけるということだ」
ケンブリッジ・アナリティカの活動について内部告発したデータサイエンティストのクリストファー・ワイリー氏は、こう語っている。
そのおかげで、政治力を持った人々が、様々な人の耳に様々なメッセージを密かに送ることができた。「共通の理解がなければ、どうやったら社会が機能し得るのか」とワイリー氏は問いかける。
内部告発したワイリー氏は、「フェイスブックプロフィールに載っていたことならほとんど取れました」と証言した。
出典:ケンブリッジ・アナリティカ内部告発者インタビュー翻訳 こうして集めたビッグデータを使い、個々の有権者の性格を丸裸にし、それぞれの心に突き刺さる選挙広告・選挙情報を提供するのがCAの手法である。2016年選挙ではCAは、選挙戦の半ばからトランプ陣営に呼び込まれ、ソーシャルメディア戦略を進めたクシュナー氏(現上級顧問)や2020年選挙の選対責任者にすでに任命されているブラッド・パースケール氏とともにターゲット広告を幅広く配信した。
マーク・ザッカーバーグ フェースブックCEOが間違いを犯したと認め責任を果たすと約束した。
Mark Zuckerberg - I want to share an update on the...
2013年にケンブリッジ大学のアレキサンダー・コーガンという研究者がパーソナリティクイズアプリを作成しました。それは彼らのデータと友人のデータの一部を共有したもので約30万人がインストールしました。当時のプラットフォームが機能していたことを考えると、コーガンは数千万の友達のデータにアクセスすることができました。
2014年、不正なアプリを防ぐため、アプリ全体にアクセスできるデータを大幅に制限するためにプラットフォーム全体の変更を発表しました。重要なことは、コーガンのようなアプリは、友だちがアプリを承認しない限り、友達に関するデータを要求できなくなりました。また、開発者は、人々から機密データを要求する前に私たちの承認を得る必要がありました。これらの変更ははコーガンらのようなアプリが多くのデータにアクセスできないようにするためです。
<中略>
2015年にザ・ガーディアンのジャーナリストから、コーガンがアプリからのデータをケンブリッジアナリティカと共有していることを知らされました。開発者が人の同意なしにデータを共有するというポリシーに違反しているため、コーガンのアプリケーションをプラットフォームから即座に禁止し、コーガンとケンブリッジアナリティカが不適切に取得したデータをすべて削除したことを証明するよう求めました。彼らはこれらの認証を提供しました。
先週、Guardian、The New York TimesとChannel 4から、ケンブリッジアナリティカが認定したデータを削除していない可能性があることを知りました。すぐに私たちのサービスを使用することを禁止しました。ケンブリッジアナリティカは、すでにデータを削除したと主張し、私たちが手配した会社がこれを確認するための法的監査に合意しました。また、規制当局と何が起こったのかを調査することにも取り組んでいます。
これはケンブリッジアナリティカとフェースブックの間の信頼の違反でした。しかし、それはフェースブックと私たちとデータを共有し、私たちがそれを保護すると期待している人々との間の信頼の違反でもありました。私たちはそれを修正する必要があります。
出典:Mark Zuckerberg 2014年、フェイスブック上で、性格のタイプを診断する、あるクイズがユーザーに勧められた。 このクイズはケンブリッジ大学の教員であるアレクサンダー・コーガン氏によって開発された(ケンブリッジ大学とケンブリッジ・アナリティカ社には何のつながりもない)。 当時のアプリやゲームによくあったように、クイズは実際にそれに答えたユーザーのデータだけでなく、回答したユーザーの友達に関するデータも収集するよう設計されていた。 フェイスブックはその後、開発者がこの方法で収集できるデータの量を変更している。 ケンブリッジ・アナリティカ社で働いていたクリストファー・ワイリー氏は、27万人がクイズに答えたことで、主に米国に住む約5000万人分のデータが、フェイスブック上の友人ネットワークを通じてユーザー側にはっきりと意識されないまま収集されたと主張した。 データはケンブリッジ・アナリティカ社に売却され、人々の心理学的な輪郭を描き出すとともに、彼らに親トランプ的な素材を送り届けるのに利用されたとワイリー氏は主張している。 ケンブリッジ・アナリティカ社は、大統領選のトランプ陣営に提供されたサービスのなかで、これらのデータは一切使われていないとしている。 当時、データはフェイスブックの仕組みを使って収集されていたし、他の多くの開発者も利用していた。ただ、データを第三者に共有することは開発者にも認められていなかった。 もう1つの主要な論点は、性格診断クイズを直接回答した人であっても、それが潜在的にドナルド・トランプ氏の選挙陣営に共有されることは分からなかっただろうことだ。 フェイスブックは、ルール違反があったことを認知したら、アプリを消去し、情報が削除されたことの保障を要求すると述べている。 ケンブリッジ・アナリティカ社は、データを使ったことはないし、収集したデータはフェイスブック社から消去しろと言われたときに消去したと主張している。 フェイスブック社と英国のデータ保護を管轄する情報コミッショナー事務局(ICO)はともに、データが適切に使用不能となっているかを確認したいとしている。ワイリー氏は、データは使用不能になっていないと主張している。
このことはフェイスブックの規約に違反しているのか