「小説を書いてヒットを出し、後は優雅な印税生活」
　そんな夢を描いている人は多いかもしれない。
　確かに、自宅で、しかも好きな時間に仕事ができ、上司や同僚、得意先といった人間関係に悩む必要もなく、パソコンさえあれば作業が可能。1冊が数百万部というメガヒットになれば、億単位の印税が振り込まれる。しかし、小説家になるには、それなりの文学賞を取らない限りデビューは難しいし、どんなによく書けたと思っても、編集者の意向で出版にまで至らないことのほうが多い。
　だが、出版編集者との打ち合わせも必要なく、しかも好きな時に好きなだけ、自分で執筆した小説を売る方法がある。それがアマゾンの展開する電子書籍販売サービス「キンドル・ダイレクトパブリッシング」（KDP）だ。
　個人で電子書籍が販売できるKDPは、印税率が最大で70％と、一般的な書籍の7～10倍。文章データや表紙の作成にちょっとした技術も必要だが、慣れれば簡単に出品できる。ブログに書き込むような気軽さで、世界に展開しているアマゾンのマーケットを利用して、自分の作品が販売されるのだ。