15歳の少年が見る天国と地獄…キューブリック作品「時計じかけのオレンジ」見どころ【ネタバレなし】
1972年、今日になっても"問題作"として語り継がれる衝撃映画が公開されました。その名も【時計じかけのオレンジ】。スタンリーキューブリックと言えばコレ!という人も多いのではないでしょうか。比較的古い映画ですが、原作は1962年に発表されたアンソニー・バージェスによる同名の小説。社会に対する風刺・皮肉をたっぷりと含んだストーリーで、"ナッドサット言葉"と言われる独自の若者言葉を使用しているのも特徴です。
映画「時計じかけのオレンジ」のあらすじ
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) 毎日のように事件を起こす4人だが、ある日、些細な出来事をきっかけにグループが仲間割れを起こし、アレックスだけが警察に逮捕されてしまう。 動画
物語のキー:アレックスの犯罪と更生
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) 冒頭ではホームレスを殴り、次に夫婦の家におしかけ夫人を強姦。さらには女性の家に忍び込み、撲殺してしまうのです。 このようなシーンの数々が、のちに「犯罪や暴力を誘発させる」という反論を生むきっかけになったのでしょう。 アレックスは、それらの罪を持って更生することはできるのか…? 動画
見どころ①アレックスが見た「ルドヴィコ療法」の地獄
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) その内容は、彼が働いてきた悪事と同等(暴力や強姦)の映像を見続けるだけ。映画鑑賞のような感覚ですが、上映中は決して目をそらすことができません。 身体はしっかりと固定され、目が閉じられないようにまぶたまで固定されているのです。こうして強制的に罪の意識を芽生えさせ、驚異的な速さで更生させることができるという画期的なルドヴィコ療法。 果たして、アレックスはそこでどのような地獄を見せられるのでしょうか。 動画
見どころ②アレックスのウラ話
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) 例えば、作中もっとも印象が強いと言っても過言ではない楽曲「雨に唄えば」。アレックスが随所でその歌声を響かせていますが、実はこれはもともと台本にはなく、監督からアレックスへ投げた"アドリブ"なのだとか。 「何か歌ってくれ」と言われたアレックスは、とっさに歌えるのがコレしかなかったのだそう。絞りだした歌には年代を感じますが、雰囲気が合っているような合っていないような、しかしアレックスの楽しい気分を表すにはピッタリの選曲ですね。 動画
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) クラシックに詳しくない人でもほぼ確実に知っている名曲たちが、アレックスたちの皮肉に満ちた言葉や犯罪を見事に際立たせてくれています。 動画 Amazonビデオ さらに、過酷な撮影を思わせるエピソードもあります。それは後半、アレックスが窒息するシーン。
本来なら"演技で"窒息できるように工夫するはずですが、その装置が故障したことに気付かないまま撮影に入り"本当に"窒息状態だったのだとか。これを知ってから観ると、このシーンがダントツで恐ろしいです。
見どころ③登場する名曲たち
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おすすめ度【★★★★☆】
★…ストーリーの筋は通っている★…加害描写がドキドキする
★…BGM的なクラシック音楽が最高
★…こんな治療法本当にあったら…こわい
☆…確実に好き嫌いが分かれる
出典:時計じかけのオレンジ (字幕版) 「胸糞映画」「意味が分からない」などとは言われていますが、一応ストーリーの筋はしっかりと通っています。…が、暴力シーンや性描写が激しいので苦手な人にはおすすめできません。 観てみたいけど痛々しいのは…という方は、そんなシーンが出てきたら、目をつむってクラシック音楽に没頭しましょう。 動画