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「3人以上の子どもを産み育てていただきたい」の不快感を探ってみた

サムネイル出典:

殿堂

「3人以上の子どもを産み育てていただきたい」の不快感を探ってみた

Author:
原田サキ原田サキ
Posted date:
「3人以上の子どもを産み育てていただきたい」の不快感を探ってみた

なぜこんなに不快になるんだろう?

先日、自民党の加藤寛治議員の「新郎新婦には、3人以上の子どもを産み育てていただきたい」との発言がありました。さらにここから「他人さまの子どもの税金で、老人ホームに行くことになりますよ」と続きます。

すぐに「発言について、誤解を与えたことに対しおわびします。決して、女性を蔑視しているわけではありませんが、そのようにとられてしまう発言でしたので撤回します」と、なりました。

「子どもを産め」という意図の発言は、いつも本当に不快になります。その不快感にはたくさんの理由や問題があると感じていたので、今回あらためて探ってみました。

この発言への不快感をかんがえてみた

●加藤氏は軽い気持ちで言ったのかもしれません。少子化を心配しているのかもしれません。ご本人でないので、どんな考えでの言葉かわかりませんが、この短い言葉にたくさんの問題が絡んでいると感じたので、1つずつ自分なりに探ってみました。リアルな意見を聞ききたいのですが難しいので、今回はネットからが多いです。

女性は子どもを産まなきゃいけないの?

「子供を持つまでは、女性であることの本当の意味を理解することはありません」

「子供を持つべきでしたね。子供たちといれば素晴らしかったのに」

「子供を持ったことは、私が今までした中で最高のことでした」

「歳を取ったら、だれに世話してもらうんですか?」

「子供が欲しくなかったんですか?」

「子供が嫌いですか?」

「子供を持たなかったことを間違いなく後悔しますよ」

「養子をもらえたのに。どうしてそうしなかったんですか?」

「ああ、つまり子供を持つことよりもキャリアを選んだんですね」

出典:子供を持たない女性から、子供を持つ女性たちへの7つのお願い

ハフポストUS版の翻訳からです。
●子どもを持つのは男女関係なく、個人の自由な意思です。配慮する人も増えていると信じたいですが、それでも適齢期や結婚して子どものいない女性は、このような言葉を容赦なく言われ続けます。

「女性は子供を産んで一人前」も何度言われたかわかりません。

どうして産まないの?はもうやめて

①	産むこと自体、考えられない、②子どもが好きではない、③子どもが欲しいと思えない、④いまの世界に生まれてきた子どもがかわいそう、⑤自分に子どもは育てられないと思う、⑥夫婦(カップル)と二人の生活が楽しい、⑦心配ごとが増えるのが嫌だ、⑧面倒くさい、⑨その他。

出典:日本の女性はなぜ子どもを産ま(め)ないのか? - リプロダク...

一般財団法人 アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)からお借りした、主な理由いくつかです。
持病のために、妊娠出産時に母子ともに発病、悪化するリスクがあるから。
 子どもはいらない、という訳ではありません。
 希望していても、授かる事すらできない場合もあります。

出典:子供がいらない理由、欲しくない理由はなんですか? : 妊娠...

●発言小町から。「子供がいらない理由、欲しくない理由はなんですか?」との質問に、たくさんの回答がありました。
幼少期に親から虐待を受けたトラウマがあります。
よそさまのお子さんを見ると、当時の虐待受けたシーンがフラッシュバックして辛いです。
なので負の連鎖を断ち切るためにも子供は生涯作らないと決めました。

出典:子供がいらない理由、欲しくない理由はなんですか? (2) : ...

●引き続き同じ質問の回答より。
初対面の年上男性に「産めばいいじゃん」「なんで子供産みたくないの?」と延々詰められることがある。
夫が欲しがってないので…と説明しても
「説得が足りない」「産めばなんとかなるって」と言われ辟易する。
1人で育てられないし、第一環境が整っていないのに産めない。
●元々欲しがらない人もいます。
そうとも限らない
自分の子供より自分のほうが可愛くて大事な女はたくさんいるここ最近、人間の雌にほんとうに母性があるのかわからなくなってきてるし嫌になっている
母性じゃなくて義務感




●女性は必ず母性たっぷりとは限りません。
●ネットで探すと経済的な理由が多いですが不妊、持病、もともと欲しいと思えない、虐待のトラウマなど、理由は100人いれば100通りなんですよね。「子ども産まないの?」的な事を聞いてくる相手に本音を伝えて気まずい雰囲気にしないよう、または言いたくないので、多くの女性は無難な理由を言ったり、笑って濁したりしてるんですよねぇ。

少子化ってそんなに大変なことなの?誰か教えて…

統計局ホームページから平成28年の状況、図も割合もお借りしています

●15歳未満人口は1578万人で,前年に比べ16万5千人の減少となり,割合は12.4%で過去最低となっています。

●15~64歳人口は7656万2千人で,前年に比べ72万人の減少となり,割合は60.3%で平成4年(69.8%)以降,低下を続けています。

●65歳以上人口は3459万1千人で,前年に比べ72万3千人の増加となり,割合は27.3%と初めて27%を超え,過去最高となっています。

● 75歳以上人口は1690万8千人で,前年に比べ58万6千人の増加となり,平成27年に引き続き,15歳未満人口を上回っています。
●子どものいない人がよく責められるのが少子高齢化なんです。グラフでは確かに減り続けてますね。第一次、第二次ベビーブームが特に多いだけで、そこまで急激に減り続けているように感じませんが、どうなんでしょう。ところで少子化を問題にする一方で日本の人口はもっと少なくてもよい、という意見もよく聞くんですよね。
「日本の人口は何人が最適か。そんな質問をよくされます。10億人でもいいかもしれないし、数千万人でいいかもしれない。私はそう答えています。たとえばこのまま人口が減っていくと、労働力が足りなくなると言われますが、それは人口問題ではなくて、経済問題。人口を経済の規模にあわせるか、経済を人口の規模に合わせるかで、人口の上限は変わってきます。つまり人口というのは、絶対的に最適という数字はない。日本の歴史を見てみても、大きく見るとそのときどきの食料とエネルギーの生産量が、人口規模を決めてきたと言えますね」

出典:その1 日本に最適の人口は何人? | ナショナルジオグラフィ...

ナショナルジオグラフィックからの引用です。
●食料とエネルギーの量に影響される、とは目から鱗が落ちたようでした。やっぱり人口が増えたり減ったりするのは、歴史の流れや国内の情勢、環境などに自然と影響されるのではと思います。住みやすく育てやすい環境なら自然に増えるかもしれません。

多分ここがポイント?みんな不安な年金問題

●しかしこのままでは、これから多くの高齢者を少ない人口で支えることになってしまいます。ここが問題視されているのですよね。

よく知られている年金制度を改めて!

日本年金機構で図になっていました。わかりやすいですね。
●多くの人が知っているように、年金は「世代間扶養」で、現役世代が今の高齢者の年金を払う形です。

「他人さまの子どもの税金で、老人ホームに行くことになりますよ」はこれを言いたいのでしょう。ところで20歳から60歳まで支払う年金には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とあります。
では、第3号被保険者の保険料は誰が負担しているのでしょうか?
もちろんそれは第2号被保険者、つまり、サラリーマンやOLなどの会社員が全員で負担をしています。

出典:第3号被保険者は保険料を支払っていないから不公平、は本当...

第1号、第2号、第3号についてどうなっているのかの解説がありました。
●よくネットでは「子どものいない人は年金をもらうな」なんて、過激な意見を見るのですよ。

反発に合いそうですが、皆で支えている第3号被保険者の制度を廃止して、全員が払えば解決するのではと思っていました。働けない場合は免除の制度もあります。今、せっせと払っているのに貰うな、なんて酷いです。

さらに女性は結婚、出産などライフステージが変わる事が多いのですが、そのたびに何号になったと変更するのも意外と面倒で、余計に年金がややこしくなるのではとも思います。

これも追加!マタハラ・逆マタハラ…女同士の悲しいバトル

●少し前から現れた新しいハラスメント、マタニティハラスメントも浮かんできました。
この際だから、追加しちゃいます。
●リンク内にあるように退職を迫られたり、中絶をほのめかす、心無い言葉をぶつけるのは良くないですし、妊娠中の心身には悪い影響もあるでしょう。当然妊婦さんや小さい子を持つ女性は気遣いたいと思っていますが、こんな問題も…
不妊症の既婚女性の友人が、時短ママ(というか組織体制)のしわ寄せで身も心もつらいと嘆いていたのを思い出した。>独身社員に業務のしわ寄せが…企業で増えている「逆マタハラ」が問題に さんから
「しわよせ部隊」が出来てしまいます…
●3人産んだら今までと同じに働くのは難しいでしょう。周囲でも沢山見てきました。仕事と子育てでクタクタな女性と、そのフォローで仕事量が増え、休みも取れずぐったりな女性でバトルになっちゃうんですよ。そんなのはもう嫌だし、女性の社会進出をどうしたいのかさっぱりわかりません。

とても重い言葉であることをわかってほしい

望んでないと言いにくいことがある。みんなそれぞれ価値観も事情も違うことが当たり前で、それぞれの考え方や気持ちを口にできるようになるといいなぁ。望んでもなかなか授からない人にとってはこういう話題自体がストレスと聞いたこともあるから、難しいとは思うけどね。
 
本当に同感したツイートです。
独身税 特定の属性を集めて政策決定しちゃいけないってよくわかる。子持ち既婚女性だけあつめたから歪んだんじゃなかろうか。女も男も、子持ちも子なしも、既婚も未婚も、色んな人が集まってみんなにとっていい政策を考えないといけないんだよね。
例のママ課の独身税の件ですね。導入されたら日本を出るか、偽装結婚が増えそうです…
5月17日の朝日新聞の声
「未婚子なし」も納税してます
同世代だけに共感できて、泣けてくる。わたしもたまたま結婚できて、子供3人に恵まれた。でも、別の世界線では未婚子無しの自分もいると思う。
ここまで思いつめることもあるんです…
●この発言がきっかけで、考えがどんどん広がってしまいました。

今の少子化対策は「産めよ増やせよ」な感じがして仕方ないです。また、政策に合わせて人口を調整するのではなく、人口に合わせた政策、が順番ではないでしょうか。

この「新郎新婦には、3人以上の子どもを産み育てていただきたい」「他人さまの子どもの税金で、老人ホームに行くことになりますよ」は、働いて納税している男女の独身者や、子供のいない夫婦を責めているようにも聞こえますし、欲しくても授かれないなら傷ついた人もいたかも。加藤氏も「可愛いお子さんがご誕生すると良いですね」のような、柔らかくて幸せを願うような言い方なら、こんな事にならなかったかもしれないですね。

男性も女性も、1人1人事情や価値観は違うのに、それを無視したような無神経さを不快に感じるのかもしれません。まだまだ日本での多様化は意外と程遠いなあ~、と感じた今回のニュースでした。
	

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著者プロフィール
原田サキ

3年ほどウェブライターをした後、現在は再び会社員に。 世の中に溢れる、隠れるたくさんの情報、特に社会的な疑問を色々と発信したいです。 個人的な趣味も♪