へりくだり過ぎの日本語「させて頂く症候群」「ですし・ますし師匠」「語尾上げ口調」も復活か!
何でもかんでも遜った言い回しで話す妙な日本語がありますよね。芸能人の方がよく使うので一般の方にも浸透してしまい(と言うより感染ですね)「ヘリクダリ語」が日本中に広まりました。そんな事が取り上げられてからもう7,8年は経っていますが、未だ猛威を振るっています。映画公開に伴って行われるイベントや記者会見などでよく見るヘリクダリ語、気になったことはありませんか?とある役者さんの新作映画公開イベントのインタビューはヘリクダリ語連発で見事なものでした。ポイントだけ抜粋してみますと、、、。
「お声をかけて頂いて」「驚かせて頂いて」
「作品に出させて頂いて」
「共演させて頂いて」
「観させて頂いて」
「感動させて頂いて。」
「共感させて頂いた。」
「劇場に来て頂いて」
「見て頂いて」
「主人公とシンクロして頂きたい。」
と。要するに、
映画の依頼が来て驚いた。
作品では○○さんと共演出来た。
共演者と一緒に試写を観て共に感動した。
劇場に来て主人公になった気持ちで観て欲しい。
という事を言いたかったんだと思いますが、とにかくへりくだりまくるんで正直イラッとしてしまいました。いや、イラッとさせて頂きました。
「こんな感じでやらせてもらってます。」「小学生やらせてもらってます。」
「長い事芸人やらしてもろてるけど」
芸人さんでよくこういう物の言い方をする方がいらっしゃいますが、何となく芸人さんが使う分にはいいような気がするんです。「芸人やらしてもろてますー。」でも、最近、サラリーマンの方とか小学生も使っていますよね。まあ、しゃれで言っているのでいいっちゃ良いんですけど、うっかりマジなシーンで出てこないように気を付けなくちゃ、ですね。
彼女の家に行って「お仕事は?」「ハイ!サラリーマンやらせてもらってます!」なんてね。
「子ヤギやらさせてもらってますー。」
これも良く聞きますよね。「○○さんとは仲良くさせて頂いてます。」例えば、母親が「○○ちゃんと仲良くさせて頂いているようで」なんていう使い方は合っていると思うんです。会話の相手は子供の友達の親御さんですからへりくだった物の言い方で合っていますよね。芸能人の方もこの言葉はホントーによく使っていますが、時々、んっ?それ違うんじゃない?という使い方をしている方を見かけます。明らかに年下の後輩を指して「○○君とは仲良くさせて頂いて。」と。結構なお年の方なので本当は正しい言葉で話せると思うのです。
ここが、ヘリクダリ語の怖いところ。ここまでへりくだる言葉が蔓延してしまったら使わない訳にいかなくなってくる。ヘタに「ああ○○君とは仲良くてね。」なんて言おうものなら○○君ファンに「上から?」とも言われかねない。『謙虚な人』『いい感じの人』と思われるためには、あくまでも仲良くさせて頂く立場でものを言わなければならない。という風潮、もう出来上がった感ありますよね。
出典:shiba 仲良し柴犬♡ 全員で稽古に励んでいる。 ⇒ 全員でお稽古に励んでいますし。 天気がいいので ⇒ お天気が良いですし スーパーやコンビニにも行きますよ。 ⇒ スーパーやコンビニにも行きますし。 ですし、ますし、の後に言葉が続かず完結するのがですし・ますしの不思議なところ。最近お天気が良いですし、お散歩など楽しんでいますよ。とはならないのね。不思議なところはもうひとつ、ですし・ますしを使うと普通の言葉がえらく丁寧で柔らかな印象に変わるところ。ですし・ますしの元祖ではないか?と思われる方は、言葉遣いが丁寧だと定評のある松田聖子さん。若い頃からですし・ますしを頻繁に使ってました。いつもの仕草で唇をンパッと舐めて「ですしぃ、ますしぃ」と言うので可愛かったですけども。 動物/Animal Pinterest
出典:Sun Conure - Picasso 映画の基本は、人間の基本 ⤴⤴ それを描く事 ⤴⤴ アナログを単純に ⤴⤴ デジタル化 ⤴⤴ そんなのしてもうまくいかないよ。 違いを大事にする ⤴⤴ そこから何かが生まれるんだ。 (テレビの内容とは違いますが、大袈裟ではなくこれくらいの頻度で使っていたんです。) ああ、もう止めて下さい!と、見ているのが辛くなるほどでした。国民のほぼ8割が知っているアニメ作品に携わっている有名プロデューサーの事なのですが、たぶん見ておられた方は相当気になったのではないでしょうか。語尾上げは意識的に使っていると言うより、もう癖になっているのだと思うのです。普通、語尾を上げるのは疑問形、質問の時に使いますよね。なので、聞いている方は反射的に〇〇⤴⤴と上げられた言葉に反応してしまいます。これを終始やられると会話する事自体疲れてしまう。言葉遣いに関して注意した方がいいと思う事はあっても、なかなか出来ないものですよね。 「昨日⤴⤴妹と⤴⤴飯⤴⤴食いに⤴⤴行ったんスよ。」 語尾上げが人気絶頂当時にバイトの子が使っていたリアル語尾上げです。さすがに注意しましたよ。 OMG CUTE!!! Pinterest
出典:fotos-dia-apreciacion-ardillas (16) これは、日本人の性質に寄るものだと言う研究結果が出ています。日本人はハッキリ物を言いたがらない、断言したくない、という性質を持っていますよね。なので、「鶏のから揚げです!」ではなく「鶏のから揚げになります。」になってしまうのだとか。もう慣れっこになったこの言葉も、先程の言葉遣い同様に連発されるとなんとなく気になります。多く感じるのはやはり飲食店とコンビニですね。飲食店、コンビニの言葉遣いあるあるでは「なります。」に加えてこんな言葉も使われています。 「ビールになります。」 「お刺身になります。」 「取り皿になります。」 「ポン酢になります。」 これは「スタンダードなります」で「お会計バージョンのなります」はこんな感じです。 「5000円からお預かりいたします。」 (5000円を預かったのではなく"5000円から"預かったのね) 「820円のお返しになります。」 (お返しです。ではなく"なります"なんです。) お釣りのないシーンではこんな事もあります。 「1220円丁度お預かりします。」 どこかのおじさんに「預かったんなら返してくれよ!」と言われてコンビニの子が「チッ、うるせえ」的な顔をしていたのが印象的でした。「1220円丁度頂きます。」が正解でしょうか。でも、そのおじさんがネチネチしつこくて、並んでいた私も「チッ」的な顔になっちゃいました。
もう、ガッツリ定着してしまった"なります言葉" 。 何から唐揚げになるのか、そりゃあ鶏肉だろうけどとにかくなっちゃうんだから仕方がない。この"なります言葉"が使われるようになってから、もう20年以上になるんですよ。北海道に居た頃、道新ニュースで取り上げられていたのをハッキリと覚えています。ニュースで取り上げられたという事は、それより前から使われていた事になるので、"なります言葉"の歴史(?)はそれより長いという事です。20年以上も歴史のある言葉なので今更治るとは思えませんが、出来れば何からにもならないで欲しい。 INSTA YA