扱いにくいと思われる女性の部下をスムーズに動かす対処法!
1億総活躍社会と言われ女性の社会進出も珍しくない時代になってきました。しかしながら未だ日本では、男性の管理職が絶対的に多いのが実情です。
必然として女性の部下を持つことも多くなり、男性管理職の中では女性の部下は扱いづらいと思われているのではないでしょうか。
そこで今回は、業務を円滑に進めるために、女性の部下の特徴と扱い方、注意事項をまとめてみました。
女性には女性の扱い方がある!?
男性女性に関わらず扱いにくい部下はいますが、男性上司は女性の部下を扱いにくい部下と思うことが多いようです。そこにはやはり性別の違いが性格の違いとなっているからでしょう。
男尊女卑としての違いではなく、そもそもスペックに違いがあると思うべきです。例えば貨物トラックは沢山の荷物を運べますがスピードは出ません。
対して二人乗りのスポーツカーではスピードは出ますが人も物もほとんど運べません。
いずれかが優れているのではなく用途の違いです。
あなたの部下に男性女性それぞれがいるのであれば、用途(業務)毎に配置する、まさしく適材適所を考える必要があります。
男女平等と言われ久しいですが、男性女性必ずしも全て同じではないといけないと思い込んでしまっていないか注意が必要です。
男性用と女性用の教育法や指示の仕方など変えてみるのも一つの方法です。
考え方も性格も違う異性なのですから、男性には男性の、女性には女性の扱い方があります。
扱いにくい部下の悩みでストレスを貯めるより、そもそも違う種類の人間だと割り切ることも大事な事です。
扱いにくい女性部下の扱い方!
・敬意を払っていると思わせるように接する
扱いにくいと思われる女性の部下で、とかく多いのが年上女性への対処ではないでしょうか。「我が強い」「言うことを聞かない」「敬語を使わない」など様々な声を聴くことがあります。
男性が自分の立場やビジネス上の利害関係で作るコミュニティーと、女性の個人的な好き嫌いで作る、俗に「群れる」と言われるコミュニティーでは違いがあります。
特に年上女性はその群れでリーダー格や影響力がある立場にいることが多く、少なからずプライドを持っています。
人は性別の違いに関わらずプライドを傷つけられたり、傷つけられそうになると、どうしても反抗します。
男性はビジネス上のプライドを持つ傾向が強いですが、女性はコミュニティー内での立場など内向的なプライドを持つ傾向が強くなります。
「おい」「お前」「~やっておけ」などの男性部下に何気なく使う言葉も、女性には人前で高圧的に言われたと意識します。
女性の扱いにくい部下をうまく使うには、自分(上司)対女性(部下)の1対1よりも、周りの部下も聞いていること(部下も聞かれていることを認識していること)を意識することが大事です。
その為、他の社員がいる時は特に、年上の部下に対して敬語を使うことも重要なポイントとなります。
「上司に敬意を払われている自分」と周りから見られることに喜びを感じれば、自ずと聞く姿勢も変わってくるでしょう。
業務をスムーズに促すために、孫悟空を手のひらで躍らせる釈迦の気持ちで下手に出てあげることも大事な要素です。
但し注意しなければいけないことは、常に下手に出ていてはいけません。
あくまでも他人の目を気にする女性の性質を加味しての対処なので、立ち位置が変わってしまった印象を持たせると元も子もありません。
特に年上の扱いにくい部下にはこのさじ加減に注意しなければいけないポイントです。
・褒めて特別な存在と思わせる
「女性差別」「セクハラ」「えこひいき」などは、女性社員から言われる上司や会社への不満への単語ですが、女性の扱いにくい部下をどうにかしたいのなら怯んではいけません。女性は「お姫様症候群」と言われる「自分を特別に見てほしい」願望を持っています。
実際に「えこひいき」だと言うクレームは、ひいきされた人からではなく、他の人からのクレームです。
ひいきされた本人は決してクレームは言いません。
その心理を突いて業務をスムーズにやらせるために「褒める」「ねぎらう」などの言葉でその業務を行うために『あなたが』特別な存在なのだ、『あなただから』出来るんだと思わせるのです。
ただし、その女性を特別扱いしていることを、他の人に気づかれないよう注意する必要があります。
要らぬ誤解を招くだけではなく、ひいきされた女性は自分のコミュニティーで噂されるなどの評判を気にします。
コミュニティー内での立ち位置は女性にとって職場で働くうえで何より重要です。ですから特別扱いされていることは本人しか気づかないようにしてあげる配慮が重要です。
・業務を行うメリットがあると思わせる指示の出し方する
女性の扱いにくい部下の特色として「自分勝手」「わがまま」だという言葉もよく聞くことです。結論から先に言えば、そもそも女性は自分勝手でわがままな生き物です。
男性は一生涯働く深層心理があり未来、将来に向けて何をするべきか、無意識に外交的、大局的に判断しますが、女性は生涯働くという歴史が短く、家庭など小さなコミュニティー内での意識が強いので、自分を中心にした内向的に考える傾向にあります。
会社の利益や部署の成績などを総合的に考える上司が自分を中心に考える女性社員をわがままだと思うことは仕方のないことかもしれませんね。
それではどうやってこのような扱いにくい部下の対処をしたらよいのかというと、自分に重きを置く考え方をするのですから、会社のためとか誰かのためにやってくれと言っても聞きません。
その業務を行うことで『あなた』にとってメリットがあると思わせる指示の出し方をしなければなりません。
給料やボーナス査定に加味されるとか、他のみんな(できればその部下が所属するコミュニティー内で)から称賛されるなどの『自分』にとってプラスになると思わせることが重要です。
・パートナー、配置を考えて移動させる
女性はコミュニティーを作る性質と言いましたがそれは一つではありません。社内のコミュニティーとプライベートのコミュニティーを分けている人が多く、同級生、趣味仲間などシーン毎に違うコミュニティーを持つ人さえもいます。職場でよく話しているからといって、必ずしも仲が良いわけではありません。
この人間関係を見誤るとスムーズな業務を行えない恐れもあります。
扱いにくいと思う理由の一つに「陰口をいう」「おしゃべりが多い」「チームワークが取れない」などの理由が挙がりますが、それにはその群れ(コミュニティー)で優位な位置を確保したい現れです。
おしゃべりが多いのはそのコミュニティーで注目を浴びたいからなのです。
例えばAさんの陰口をBさんにいうのは、そうしないと自分の位置がBさんの中でAさんより低くなるから。
まずは、そうしたそれぞれの理由を考えて、力関係を計ります
そのうえで誰と組ませれば扱いやすくなるのか。どの部署、班に所属させれば摩擦は起きないのか。
こうして整理して配置移動をするのも一つの方法です。
扱いにくいから移動させるのではなく、その社員が働きやすい場所に動かしてあげることなのです。
・彼女にとって理想の上司を演じる
人間は元々狩猟民族で男は狩り、女は巣穴(集落)を守っていたDNAからなのか、とかく女性は群れを作る傾向にあります。しかしこの群れは生きるための知恵であり、一概に仲が良いだけではありません。
表面上は仲良くしても別の場所(コミュニティー)では悪口を言う。
これはそれぞれのコミュニティーで生き抜くための演技であり、本来の自分ではないのです。
女性はそのコミュニティーなどの群れの中で良く思われたいと無意識的に思い、その局面に合わせた顔を演じます。
それが群れの中での地位向上に繋がり、自分自身の価値を高めるものと認識しています。
このように局面毎に違う顔を見せる女性社員に対しては、自分も違う顔を演じる必要があります。
その社員にとってどうしたら理想の上司なのか。どんなキャラを演じれば素直に支持を聞いてくれるのかなど自分のキャスティングを考えて対処します。
しかし注意しなければいけないのがミスキャスト。
表面上の判断でその社員の本質を間違うと中々うまく運びません。
重要な要素は、「その社員が周りにどう思われたいのか」です。
女性が演技をするのは自分自身のためではなく人目を気にしてコミュニティー内での地位を確保したいからなのです。
古典的な考えが通じない時代へ
一般に扱いにくい部下と称される女性や高齢者も、今後どんどん社会に進出してくる時代です。今以上に女性の職場での割合は増加してくるでしょう。
歴史上、男性社会では集団での秩序を美徳としてきましたが、これからの組織は違う価値観の集まりとなっていきます。
扱いにくい部下という悩みでストレスを抱えるよりも、良い意味で開き直る割り切りも必要な時代なのです。
未だ、男性が社会の中心だった封建的思考で、「昔なら…」「俺が若い頃は…」と論じる人も多いことでしょう。
しかし確実に時代は変化しています。
本文をお読みの方たちは、そのような時代の変化を敏感に捉え、職場関係を改善しようと検索する人が多いのではないでしょうか。
グローバル的に見ても、社会の男女比率は確実に変化しています。これからは、過去の物差しに捉われず、組織や企業内での人間関係ヒューマン・リレーションズを考慮した組織改革が必要な時代です。