フリーランス・独立希望者必見!起業の失敗要因から学ぶ攻略法とは!

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最近のフリーランス・副業・独立開業希望者の増加により、働き方も大きく変わろうとしています。しかし新規開業者の多くは数年で廃業しているのも実情です。

そこで今回は、失敗しないためにどうしたら良いか。またもし失敗してしまった時の対処法など実例を交えてまとめました。

起業での失敗と実情

起業失敗の定義

起業とは生業を起こすことですので、自営で仕事を始めるということです。

お店を開業する、会社を作る、ネット上で商売をする、フリーランスで仕事を請けるなど、様々な形態がありますが、失敗するということは、すなわち、廃業や倒産。その仕事が出来なくなることです。

では、具体的にその状況をまとめてみます。


倒産/廃業

法人登記して起業した場合、(登記しないみなし法人も含まれます)支払わなければいけない債務を約束(契約)した日までに払うことが出来ず、事業を継続することが困難になった状況を指します。法務局で手続きをして廃業する倒産登記と、自然消滅然の事実上倒産などがあります。

法人にしていない場合でも、債務不履行(支払わなければいけない約束の日までに債務を支払えない)に陥って、その事業を継続できなくなると、廃業するしかなくなります。

金銭的な問題だけではありません。個人で仕事をしている場合、怪我や病気、事故などで廃業に追い込まれる場合もあります。


廃業の主なケース

・仕入れ代金を払えない。

・リース代が払えずに機材を取り上げられた。

・借入金を払えず差し押さえられた。

・家賃や公共料金が払えない。

・従業員に給料が払えない。

・約束の日に納品できなくて、次回の仕事が無くなった。

・客商売で相手に甚大な損害を与えた。

・怪我・病気でその業務を続けらなくなった。

・売上金を盗まれた。

・火事。天災で継続できなくなった。


   

起業の失敗率・成功率

それでは、起業して失敗する人はどのくらいいるのでしょうか。

業種や地域など条件によっても様々ですが、経済産業省管轄の中小企業庁で発表している中小企業白書から、考察してみます。

表1、表2から分かることは・バブル経済崩壊後、新規開業数より廃業数の方が上回っている・新規開業数と廃業数の比率(廃業率)は2000年代に入ると68.08%となり約7割近くが廃業して   いることとなる。・2004年以降では、表1の廃業数は770,129件に対して、表2の資本金1,000万以上の倒産数は143,904件しかなく、廃業の約80%以上が資本金1,000円以下の零細企業である。

以上のことから、過去10年ほどのデータでみると、全体では開業者の約70%が廃業し、零細、個人事業に至っては、約85%が廃業していることになります。しかもこの数字は廃業届が出されている分だけですので、実際は更に厳しい数字になるでしょう。

起業が失敗する原因とは!

それでは、前章での厳しい結果になる要因は何でしょうか。

廃業に追い込まれる原因と実例をご紹介します。


人為的要因

上表でもわかる通り、倒産理由は圧倒的に経営不振です。

具体的には、金銭的に経営が成り立たないということです。


例1)飲食店の実例

Aさんは10年間、様々なお店で修行して遂にイタリア料理のお店を開業することになりました。

イタリア野菜のメニューを目玉に、契約農家から直接仕入れることで新鮮さと素材の良さを打ち出します。

お店の外観、内装にもこだわり、イタリアから家具や食器を買い付け、訪れるお客様には目からも満足してもらえるお店を目指しました。

場所も隠れ家的なお店をイメージして、表通りから少し小路に入ったところの店舗を改装して、地域に根ざすお店作りを意識しています。

開店当初は半額イベントやオープン記念もあり、常に満席で店外に行列も出来るほどでした。

しかし半年、一年経った頃、客足も数が一定し行列は途絶えます。

開店準備にこだわったため、自己資金では足りず数千万のお金を銀行融資で賄いました。

そのため支払いは毎月高額です。毎月の経費、借入返済に追われるようになり、遂には支払いが滞りお店を差し押さえられ廃業に追い込まれます。


原因分析)開業資金と借入返済を含めた運転資金は、売り上げをベースに考え予算を決めるのは鉄則です。この例の場合は明らかに掛かる経費が先で、それを回収するために売り上げを作らなくてはいけないというギャンブル的な経営に陥っています。

席数と回転率、平均客単価、仕入れ率から損益分岐の想定など財政的な計画が必要です。

また表通りではないところに行列は永遠には続きませんし、隠れ家的レストランと混雑した繁盛店のイメージは相反します。やりたいお店と好まれるお店は違います。

よって、市場調査不足予算管理マネージメンント不足による経営者責任と言えます。



例2)雑貨屋さんの実例

Bさんは海外旅行が大好きで、特にアジアの雑貨が大のお気に入りでした。

5年務めたOLを退社して海外から仕入れた雑貨を売るお店開きます。

単価は安いので知り合いのお店の中に間借りして経費を節約。旅行仲間や自身が行った渡航先で日本では珍しい小物を並べました。

当初はそれだけで食べていくには難しいほど大変でしたが、1年を過ぎた頃、たまたま近くに住んでいた著名なモデルさんがブログに載せてくれたのをきっかけにブレークします。

Bさんの商品を選ぶ目は評判を呼び品切れ続出となり、お店を拡大。店舗はアルバイトに任せてBさんは仕入れに奔走します。

ある日2週間ほど海外で仕入れをして戻ってみると、お店は営業時間なのに閉まっています。任せていたアルバイトの人に連絡しますが繋がりません。

Bさんは仕方なくお店を開けると、レジに入っているはずのお金がありません。出かける前に用意したつり銭と2週間分の売り上げです。店頭にあったはずの商品もほとんど無くなっているので、相当の現金があるはずでしたが。

その後、Bさんは仕入れ代を払えず、人間不信にもなりお店を閉めることになります。


原因分析)

明らかにリスクマネージメント不足。現金商売の場合、日銭の管理は重要な要点です。

日々のレジ金管理POSシステムの導入、スタッフ管理を怠ったことによる経営者責任です。

人間不信になったと従業員に責任転換していますが、誰も好き好んで罪を犯すわけではありません。その機会を作ってしまったことが最大の課題で、最終的に痛手を被るのは経営者ですので人任せにしないことが重要です。


以上の2例は、ほとんど毎日と言っていいほど、どこかで起きている典型的な例です。

いずれも経営者の力量不足により経営を悪化させた、人為的な要因で廃業に追い込まれたものです。



外的要因

例3)リサイクル輸出業の実例

Cさんは自作パソコンを組み立てるのが趣味でした。ある日材料を買うお店から不要になったパソコン、携帯電話の基盤や部品が中国で買い取ってくれることを聞きます。

調べてみると船便の輸出コンテナで大量に送るとネット上で手続きが出来て、高額で買い取ってくれることがわかりました。

Cさんは軽トラック1台で起業して、会社や個人で不要になったパソコンやOA機器を集めて輸出業を行うことにしました。処分に困る不用品を無料回収して、お客様にも喜ばれますし、もともとパソコンなどは詳しかったので個人情報の削除や法的要件もクリアして順調に売り上げを伸ばしていきました。

しかしある日見たニュースに驚愕します。急激な円高相場が激変。今まで輸出していたものが買い取り不可になります。

Cさんは慌てて為替事情を調べ、中国の買い取り先に問い合わせしますが、すでに為替は大暴落しどうすることも出来ない状況です。

送料や売れなくなった不用品の整理に莫大なお金がかかることになり、遂には廃業に追い込まれます。


原因分析リーマンショックの時によくあった事例です。自分の力ではどうしようもない要因で廃業に追い込まれたケースです。

その他にも災害なども同様に外的要因となり得ます。

どんなに正確なマネージメントを行っていても自分の力だけではどうにもならないことは、世の中にはあることです。

しいて言えば、リスクの想定をどこまでして、保険などの対応策を検討できるかによると思われます。

起業で失敗すると、その後どうなるか!?

借金、財産、金銭問題

起業に失敗するとどうなるのか。廃業のほとんどは金銭的に継続できなくなったケースですので借金が残る場合がほとんどです。

特にリース契約や借入金は経営者個人が連帯保証人になっていますので、廃業したとしてもその債務は残ります。

債権者(支払いが残っている先方)との契約内容にもよりますが、仕入れの売掛や、従業員がいた場合は未払い給与も対象となります。

銀行や税金などに債権が残っている場合、財産の差し押さえもあり得ます。車や土地、持ち家など調べられることになります。

財産を配偶者や子どもに移して逃れようとする人もいますが、相続税がかかったり、日常債務とみなされたりすると、払わなくてはいけない場合もあります。


債務を支払える財産もなく、支払える見込みもないと破産申し立てをすることになります。

破産すると自己所有の家などの財産は没収され、その後一定期間弊害をうけることになります。

また、破産まではしなくても債務を長期に返していく債務整理という方法もあります。

いずれにしても弁護士などに相談して対応する必要があります。



信用問題

廃業した後、もし破産してしまったら、その後の社会的信用に大きな影響を与えてしまいます。・一定期間の借り入れ不能   

 10年間(ケースにより変動)は、借り入れや連帯保証人にはなれません。

・職業・資格の制限

 特定の資格者や職業に就くことが出来なくなります。

・官報に記載されます

 普段の日常生活には支障は出ませんが、破産したことが公にされるということです。


破産まで至らなかったとしても、債務を残して廃業すると信用を無くしますので、次に何かをしようとしても、協力を得られないことが予想されます。また、家族や友人からの反対も強くなるでしょう。

起業に失敗してしまったらどうすればよいか!

対応と対策

それでは、起業に失敗してしまったとしたら、どうすればいいのか。

まずは状況を冷静に把握することです。

起業に失敗し金銭的にも精神的にも追い込まれると、パニックを起こしても致し方ありません。

しかし、泣いても落ち込んでも状況は変わりません。

メンタル的に大変難しいとは思いますが、冷静に状況を把握しないと対策を講じることも出来なくなります。


①債務の確認と履行の可否

まずは、廃業しなくてはいけない一番の理由であろう金銭面の把握です。

未払いの債権は、どこにいくらあるのか。支払いがいつなら可能かなどをまとめます。

②優先順位

例題の表4にもありますが、支払わなければいけない順番をランク付けします。

従業員がいたのならば、未払い給料は第一優先です。

銀行などの大口融資先は、自分以外の保証人が付いている場合がありますので、他人に迷惑をかけないように優先しなければいけない

リースなどは契約にもありますが、物件を返せば減額になるかもしれません。

仕入れ先の未納は先方と話し合いましょう。契約もありますが連鎖倒産は避けなければなりません。

公共料金や税金、家賃などは分割交渉も可能です。


③対策協議

債権者や弁護士、税理士などと協議して、解決にあたりましょう。分割で支払い和解するか、大手などは損金控除などもありますし、一人で思い悩むことはありません。

廃業は珍しいことではありませんので、対応しだいでは信頼をなくすことなく和解出来る可能性もありますし、ことによっては廃業自体を回避できる可能性もあります。


再就職、再チャレンジ

起業が失敗したからといって、人生が終わるわけではありません。

世の中には何度も起業、倒産、再起業を繰り返している人もたくさんいます。

よく家は3軒建てると理想の家が建つと言いますが、それと一緒で何回目かの起業で初めて理想の開業になるのかもしれません。

その為にも、まずは最低限の日常生活を確保する収入が必要です。仮に破産した場合でも給料が差し押さえられることは、特殊な場合を除きありません。

自営業主は雇用保険がありませんので、失業保険も貰えません。貯金や積立保険は債権者に押さえられる場合が多いので、新たに仕事を探す必要があります。

まずは生活基盤を確立することで、精神的にも安定して、また未来を描けるようになります。

起業で失敗しないための対処法とは!?

起業の困難さと失敗した場合の対処法を紹介してきましたが、もちろん失敗しないことが一番です。

そのためにも、最後に起業を失敗しないためにどうしたら良いかを考えてみましょう。


経営力を磨く

経営は数字が全てです帳簿がわからないと予測も目標も曖昧になり運任せになりかねません。

経営者が覚えなければいけない帳簿は財務諸表と言われるいくつかの計算書の内、最低でも基本3書のBS(貸借対照表Balance Sheet)、PL(損益計算書Profit & Loss statement)、CS(キャッシュ・フロー計算書Cash Flow Statement)の3種類です。

・BS:ある時期の資産と負債のバランスを示し、事業体の財産状況を示す表・PL:ある期間で事業体の収益と経費を記し経営状況を示す表・CS:お金の出し入れを表す表BSとCSは結果を確認して次の展開を考えるために必要ですし、PLは目標設定やシミュレーションとしても使います。

PLにより事業を始める前から、かかる経費などを想定することで経営戦略を立てることができます。

目標達成プロセス(プログラム)

財務諸表などの帳簿から目標値の設定をしたならば、次はそこに至る道筋をストーリー仕立てでアプローチします。

アプローチ例)飲食店

PLでの予算設定(目標設定)0により、1日平均70人のお客が平均客単価2,500で1日売り上げ175,000円必要だとしたら、

① 営業時間ごとに目標人数を設定

(18時~20人 19時~20人 20時~10人 21時~10人 22時~5人23時~5人)

② 客単価を2,500円以上上げるメニュー作り

(セットメニューやコースメニュー 団体客の獲得 イベント メイン+飲み物など)

③ 1日70人なら1か月2,100人の固定客

(1ケ月の外食数などから、有効地域の誘導可能数を探る=市場調査)

④  有効客数確保のための対策を考える

(SNS 口コミ チラシ ティシュ CM媒体 などの直帰率を分析)

⑤ 広告、集客、アプローチなどを決めたら、PDCAサイクルに照らし合わせ、常に分析、行動を止めない(PDCA→「Plan=計画」「Do=実行」「Check=評価」「Action=改善」)


お客様はお店を出せば来るわけではありません。そのお店に来るのはお客様一人一人それぞれのストーリーがあり必然的に来店します。

ストーリーを最初から演出し、来店する理由を予測して用意することが来客数を伸ばすコツになります。



起業スピリット

「一月にして能くせずんば、則ち両月にして之を為さん。両月にして能くせずんば、則ち百日にして之を為さん。之を為して成らずんば輟めざるなり。【訳】いったん志を立てたなら、一ヶ月で出来なければ、二ケ月でこれを成し遂げよう。二ケ月でも出来なければ、百日をかけてもこれを成し遂げよう。いくらやっても出来なければ、出来るまで絶対やめるものか、必ずやるのです。」『吉田松陰の名言100 −変わる力 変える力のつくり方−』より引用

起業に失敗しないための一番必要なことは、夢を達成するという強い意志です。

「儲かりそう」「楽しそう」「自由にやりたい」など、起業希望の動機の導入部にはいいとは思いますが、実際に起業するのであれば、そんな楽なものではありません。

前出の資料を見ても、そのほとんどが失敗するのは、導入部の軽い気持ちのまま経営も安易に行う人が多いからなのです。

本当に起業するのであれば、必ず成功させるという決意が必要です。

その決意が強ければ強いほど、準備にも余念がなく取り掛かれます。成功と失敗の分かれ道は起業する前の準備でほとんど決まってしまいます。


それでは、どのように強い意志を持つのか。それは行う業務に大義があるか。その業務を行っていくうえで大志を持てるかに比例します。

流行りに便乗した商品や、自分の好き嫌いで仕事を選ぶのではなく、その仕事が世の中のためになるのか。存在する意義があるのか。将来を通じて必要なものなのか。

そんな大義ある仕事はやりがいも大きく、強い意志を持つことができますし、大義が大きければ大きいほど追随する人も増えます。

お客様、従業員、取引先など必ず人と関わっていくわけですので、あなたの大義にどれだけの人がついてくるかは、成功と失敗を分ける重要な要因と言えます。

即ち、起業する成否の鍵は社会的存在意義と入念な事前準備です。

失敗は予期せず来ると動揺します。失敗を想定内と考え準備することで、物質的にも、精神的にも攻略できる可能性が広がるのではないでしょうか。

著者プロフィール
Sharetube