「集団リンチ後に生き埋めに。。。」東大阪集団暴行殺人事件とは
東大阪集団暴行殺人事件
東大阪集団暴行殺人事件(ひがしおおさかしゅうだんぼうこうさつじんじけん)は、2006年6月19日、東大阪大学(東大阪市)の学生ら2人が9人に集団リンチされた後、生き埋めにされ殺害された事件である。
事件概要
東大阪大学4年の男子学生藤本翔士さん(当時21)は、同じ大学サークル内にいた東大阪大学の女性(当時18)と交際していたが、同じサークルにいた東大阪大短期大学の卒業生でアルバイト従業員徳満優多被告(当時21)が女性に携帯メールを送ったことを知り激怒。相談を受けた無職岩上さん(当時21)は仲間2人とともに徳満被告から金を脅し取ろうと計画。2006年6月16日夜、藤本さん、岩上哲也さん、男性会社員(当時21)、同大3年の男子学生(当時20)の4人は、徳満被告、同じサークルにいる東大阪大3年の佐藤勇樹被告(当時21)を東大阪市の公園に呼び出し、顔などを殴って打撲の怪我を負わせた後、約1時間に渡り車内に監禁。岩上さんは実在する暴力団の名前を出し、女性トラブルの慰謝料の名目で、計40万円を要求するなどした。
佐藤被告は事件後、中学校時代の同級生だった岡山県玉野市の無職小林竜司被告(当時21)に電話で相談。小林被告は同じく同級生であった大阪府立大3年の廣畑智規被告(当時21)に相談するよう指示した。相談に乗った廣畑被告は仕返し方法を計画。17日、佐藤被告らは大阪府警に恐喝容疑などで被害届を提出した。また小林被告は、同県内の風俗店で働いていた際の知り合いで岡山市に住むも都暴力団員で無職岡田浩次被告(当時31)に電話で対応を相談した。岡田被告は相談に対し、「相手を拉致し、暴行して金を取ってやれ」と指示。さらに、山口組関係者と称していたという岩上さんに関しては「ヤミ金融や消費者金融で借金漬けにしてやるから、連れてこい」と命じた。
18日、廣畑被告は大阪府に住む大阪商業大4年の白銀資大被告(当時22)、佐藤被告、無職佐山大志被告(当時21)をつれ、岡山県に行き、小林被告、小林被告の元アルバイト先の後輩だった岡山県玉野市の少年(当時16)と合流。廣畑被告はここで、男子学生らへのリンチ計画を明かし、それぞれの役割を決めた。小林被告には凶器を準備するよう指示し、少年が特殊警棒などを事前に購入していた。 ただしこのときは、殺人までは計画していなかった。同日、小林被告の指示で後輩少年被告が仲間として、玉野市の派遣社員の少年(当時16)とアルバイトの少年(当時17)を連れてきた。
18日夜、佐藤被告、徳満被告は「被害届を取り下げる」「神戸で慰謝料を払う」という口実で男性会社員の車に藤本さん、岩上さんとともに同乗。途中で「岡山なら払える」と偽り、岡山市に誘い出した。
19日午前3時過ぎ、山陽自動車道岡山インターチェンジで、待ち伏せしていた小林被告は仲間と一緒に藤本さん、岩上さん、男性会社員の3人を取り囲み、仲間と交代で特殊警棒やゴルフクラブなどで殴るなどの暴行を加えた。このとき、携帯電話と現金約98000円を奪った。岩上さんが「知り合いのやくざを呼ぶぞ」という言葉に小林被告らが激怒。さらに岡山県玉野市内の公園に場所を移し、執拗に暴行を続けた。現場で直接、暴行したのは小林、佐藤、徳満各被告と後輩少年被告であり、廣畑被告は指示役、他の被告は見張りなどをしていた。藤本さんがぐったりしたため「やりすぎた」と後悔したが、警察への発覚を恐れ殺害を決意。そして小林被告が以前働いたことのある岡山市内の資材置き場に移動した。午前4時50分ごろ、藤本さんを資材置場で生き埋めにし、窒息死させた。このとき、小林被告が自らパワーショベルを操作して穴を掘り、小林、佐藤、徳満各被告と後輩少年被告がコンクリート片や石を投げつけた上、小林被告が後輩少年に重機で土をかぶせるよう指示。少年がショベル部分で何度も地面をたたいて土を固めた。パワーショベルは、小林被告と少年が以前働いていた解体会社の持ち物で、小林被告の指示で少年が事前に鍵を持ち出していた。廣畑被告は白銀被告、佐山被告に、資材置き場の入り口付近とふもとの道路で人の出入りや車の通行などの見張りをするよう指示。少年2人や佐藤被告と徳満被告にも、藤本さんや一緒に拉致した男性会社員、車のトランクで監禁した岩上さんが逃げ出さないように監視を指示した。
その後、男性会社員は最初の暴行に余り関与していないと佐藤被告や藤本さん、岩上さんが話したことで解放した。男性会社員は廣畑被告、白銀被告をマイカーに乗せて大阪に戻り、19日朝、2人を降ろして解放された。「途中、廣畑被告に口止めされた」と証言している。また佐藤被告らも帰った。
小林被告と後輩少年被告は廣畑被告に岩上さんを連れていくことを伝え、了承を得た。小林被告は、岩上さんを車のトランクに入れ、自宅マンションに連れ帰ったが、歩行困難なほど衰弱していたため、改めて岡田被告に電話で相談。岡田被告は「それでは金を取れないから、連れて来なくていい」と言ったうえで、「事件を知られた以上、警察に通報されるので、帰さずに処分するしかないだろう」と、暗に殺害するようほのめかした。小林被告は廣畑被告、白銀被告に電話で処置を相談。2被告は「埋めたらいい」と殺害を了承した。小林被告は後輩少年被告とともに20日未明、資材置き場に戻り、パワーショベルで掘った穴に岩上さんを生き埋めにして窒息死させた。
翌日の21日、廣畑被告は小林、佐藤、徳満、佐山各被告らと岡山県内で会い、「小林と後輩の少年の2人でやったことにしよう」と口裏合わせをした。また小林被告は、暴行後に解放した男性会社員に電話で脅し数10万円を要求した。
22日、解放された男性会社員が大阪府警に届け出たことから事件が発覚した。
24日、佐藤、徳満、佐山各被告が岡山県警に出頭、逮捕された。
25日、小林被告が同県警に出頭、逮捕された。
26日、小林被告の元アルバイト先の後輩の無職少年が同県警に出頭、逮捕された。
27日、資材置場から2遺体が発見された。また別の少年2人が同県警に出頭、逮捕された。逮捕された。
28日、大阪府立大3年の廣畑智規被告(当時21)、大阪商業大4年の白銀資大被告(当時22)が逮捕された。
8月10日、大阪、岡山両府県警合同捜査本部は岡田浩次被告を逮捕した。
徳満被告、佐山被告は東大阪大短期大学部の卒業生で、佐藤勇樹被告と同じサッカーサークル内にいた。廣畑、白銀、小林、佐藤各被告は中学時代の同級生。廣畑、白銀、佐藤の3被告は小学時代、同じサッカー少年団のチームメートでもあった。
出典:kobayasir"