「集団リンチ後に生き埋めに。。。」東大阪集団暴行殺人事件とは

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東大阪集団暴行殺人事件


東大阪集団暴行殺人事件(ひがしおおさかしゅうだんぼうこうさつじんじけん)は、2006年6月19日、東大阪大学(東大阪市)の学生ら2人が9人に集団リンチされた後、生き埋めにされ殺害された事件である。

出典:東大阪集団暴行殺人事件 - Wikipedia

	

事件概要

東大阪大学4年の男子学生藤本翔士さん(当時21)は、同じ大学サークル内にいた東大阪大学の女性(当時18)と交際していたが、同じサークルにいた東大阪大短期大学の卒業生でアルバイト従業員徳満優多被告(当時21)が女性に携帯メールを送ったことを知り激怒。相談を受けた無職岩上さん(当時21)は仲間2人とともに徳満被告から金を脅し取ろうと計画。

 2006年6月16日夜、藤本さん、岩上哲也さん、男性会社員(当時21)、同大3年の男子学生(当時20)の4人は、徳満被告、同じサークルにいる東大阪大3年の佐藤勇樹被告(当時21)を東大阪市の公園に呼び出し、顔などを殴って打撲の怪我を負わせた後、約1時間に渡り車内に監禁。岩上さんは実在する暴力団の名前を出し、女性トラブルの慰謝料の名目で、計40万円を要求するなどした。

 佐藤被告は事件後、中学校時代の同級生だった岡山県玉野市の無職小林竜司被告(当時21)に電話で相談。小林被告は同じく同級生であった大阪府立大3年の廣畑智規被告(当時21)に相談するよう指示した。相談に乗った廣畑被告は仕返し方法を計画。17日、佐藤被告らは大阪府警に恐喝容疑などで被害届を提出した。また小林被告は、同県内の風俗店で働いていた際の知り合いで岡山市に住むも都暴力団員で無職岡田浩次被告(当時31)に電話で対応を相談した。岡田被告は相談に対し、「相手を拉致し、暴行して金を取ってやれ」と指示。さらに、山口組関係者と称していたという岩上さんに関しては「ヤミ金融や消費者金融で借金漬けにしてやるから、連れてこい」と命じた。

 18日、廣畑被告は大阪府に住む大阪商業大4年の白銀資大被告(当時22)、佐藤被告、無職佐山大志被告(当時21)をつれ、岡山県に行き、小林被告、小林被告の元アルバイト先の後輩だった岡山県玉野市の少年(当時16)と合流。廣畑被告はここで、男子学生らへのリンチ計画を明かし、それぞれの役割を決めた。小林被告には凶器を準備するよう指示し、少年が特殊警棒などを事前に購入していた。 ただしこのときは、殺人までは計画していなかった。同日、小林被告の指示で後輩少年被告が仲間として、玉野市の派遣社員の少年(当時16)とアルバイトの少年(当時17)を連れてきた。

 18日夜、佐藤被告、徳満被告は「被害届を取り下げる」「神戸で慰謝料を払う」という口実で男性会社員の車に藤本さん、岩上さんとともに同乗。途中で「岡山なら払える」と偽り、岡山市に誘い出した。


 19日午前3時過ぎ、山陽自動車道岡山インターチェンジで、待ち伏せしていた小林被告は仲間と一緒に藤本さん、岩上さん、男性会社員の3人を取り囲み、仲間と交代で特殊警棒やゴルフクラブなどで殴るなどの暴行を加えた。このとき、携帯電話と現金約98000円を奪った。岩上さんが「知り合いのやくざを呼ぶぞ」という言葉に小林被告らが激怒。さらに岡山県玉野市内の公園に場所を移し、執拗に暴行を続けた。現場で直接、暴行したのは小林、佐藤、徳満各被告と後輩少年被告であり、廣畑被告は指示役、他の被告は見張りなどをしていた。藤本さんがぐったりしたため「やりすぎた」と後悔したが、警察への発覚を恐れ殺害を決意。そして小林被告が以前働いたことのある岡山市内の資材置き場に移動した。午前4時50分ごろ、藤本さんを資材置場で生き埋めにし、窒息死させた。このとき、小林被告が自らパワーショベルを操作して穴を掘り、小林、佐藤、徳満各被告と後輩少年被告がコンクリート片や石を投げつけた上、小林被告が後輩少年に重機で土をかぶせるよう指示。少年がショベル部分で何度も地面をたたいて土を固めた。パワーショベルは、小林被告と少年が以前働いていた解体会社の持ち物で、小林被告の指示で少年が事前に鍵を持ち出していた。廣畑被告は白銀被告、佐山被告に、資材置き場の入り口付近とふもとの道路で人の出入りや車の通行などの見張りをするよう指示。少年2人や佐藤被告と徳満被告にも、藤本さんや一緒に拉致した男性会社員、車のトランクで監禁した岩上さんが逃げ出さないように監視を指示した。


その後、男性会社員は最初の暴行に余り関与していないと佐藤被告や藤本さん、岩上さんが話したことで解放した。男性会社員は廣畑被告、白銀被告をマイカーに乗せて大阪に戻り、19日朝、2人を降ろして解放された。「途中、廣畑被告に口止めされた」と証言している。また佐藤被告らも帰った。

 小林被告と後輩少年被告は廣畑被告に岩上さんを連れていくことを伝え、了承を得た。小林被告は、岩上さんを車のトランクに入れ、自宅マンションに連れ帰ったが、歩行困難なほど衰弱していたため、改めて岡田被告に電話で相談。岡田被告は「それでは金を取れないから、連れて来なくていい」と言ったうえで、「事件を知られた以上、警察に通報されるので、帰さずに処分するしかないだろう」と、暗に殺害するようほのめかした。小林被告は廣畑被告、白銀被告に電話で処置を相談。2被告は「埋めたらいい」と殺害を了承した。小林被告は後輩少年被告とともに20日未明、資材置き場に戻り、パワーショベルで掘った穴に岩上さんを生き埋めにして窒息死させた。

 翌日の21日、廣畑被告は小林、佐藤、徳満、佐山各被告らと岡山県内で会い、「小林と後輩の少年の2人でやったことにしよう」と口裏合わせをした。また小林被告は、暴行後に解放した男性会社員に電話で脅し数10万円を要求した。

 22日、解放された男性会社員が大阪府警に届け出たことから事件が発覚した。

 24日、佐藤、徳満、佐山各被告が岡山県警に出頭、逮捕された。

 25日、小林被告が同県警に出頭、逮捕された。

 26日、小林被告の元アルバイト先の後輩の無職少年が同県警に出頭、逮捕された。

 27日、資材置場から2遺体が発見された。また別の少年2人が同県警に出頭、逮捕された。逮捕された。

 28日、大阪府立大3年の廣畑智規被告(当時21)、大阪商業大4年の白銀資大被告(当時22)が逮捕された。

 8月10日、大阪、岡山両府県警合同捜査本部は岡田浩次被告を逮捕した。

 徳満被告、佐山被告は東大阪大短期大学部の卒業生で、佐藤勇樹被告と同じサッカーサークル内にいた。廣畑、白銀、小林、佐藤各被告は中学時代の同級生。廣畑、白銀、佐藤の3被告は小学時代、同じサッカー少年団のチームメートでもあった。

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加害者


小林竜司(26)無職・・・・求刑死刑→判決死刑

			

広畑智規(26)元大阪府立大生・・・・求刑無期→判決無期

			

白銀資大(27)元大阪商業大生・・・・・求刑25年→判決20年

			

佐藤勇樹(26)元東大阪大生・・・・求刑18年→判決9年

			

徳満優多(26)無職・・・・求刑18年→判決9年

			

佐山大志被告(26)無職・・・・求刑15年→判決7年

			

被害者

藤本翔士さん(当時21)東大阪大生

			

岩上哲也さん(当時21)無職

			

当時のやりとり

徳満と佐藤が頼ったのが、佐藤の中学時代の同級生である小林竜司と広畑智規
小林が口を開いた。

「相手の連れがヤクザじゃあ?上等やないけ。ワシはそんなもんは怖くも何ともないわい。何が慰謝料じゃ。ふざけんな。埋めるだの何だのフカシこきやがって。上等じゃ、向こうがその気ならこっちだってやったろーやないか!」


徳満「待ってくれ、小林!あいつら本気みたいやった。あんまり刺激するようなことすると、ホントに俺ら殺されちまう!」


広畑「そうや小林、ヤクザが絡(から)んどんや。慎重にいかなならん。お前かて、兄弟おるんやろ?


こういうのはどうや?まずお前ら2人(徳満と佐藤)が『金を払います。』と行って奴らをおびき出す。場所は岡山がええな。あの辺りなら俺らもよぉ知っとる。地元やからな。」


小林「そうか、そこでワシらが待ち伏せして・・。」


広畑「そうや、拉致って孤立させて、後はフクロにしたる。お前らかて、このまま済まそう思うとるわけやないやろ?」


徳満「あ、ああ、そりゃもちろん!」

佐藤「俺だって出来ることなら仕返ししてえ!」


広畑「ただし、俺は手出しはせえへん。暴力は苦手なんでな。」

小林「ああ、そっちの方はワシにまかせろ。血の気の多い奴ならぎょーさん知っとる。」


広畑「そいつらには思い知らしたるわ。二度と反抗する気が起きんように、キッチリシメたる。心配すんな。」


広畑が具体的な計画を立てて、役割分担などを決め、小林が人数を集め、復讐計画は実行に移されることとなった。



2006年6月18日深夜。徳満と佐藤は藤本に連絡を取った。


「約束の50万、払うわ。岡山の親戚に相談したら金、貸してくれることになったんや。今から岡山まで取りに行こう思うとる。車でそこまで送ってくれれば、借りた時点ですぐに渡すわ。」


藤本は友人である岩上哲也(21・無職)と、車を運転している仲間の会社員の、合計3人で迎えに来た。この車に全員が乗り込み、岡山に向かって大阪を出発した。


「ホントやろうや、岡山に着いたら金払ういうんは。」藤本が念を押す。

「だ、大丈夫や、話はつけてある。」と徳満も焦った返事を返す。


岡山に入り、降りる予定のインターチェンジが近づいて来た時、佐藤が「あの・・、スマンけどトイレ行かせてくれんか。」と言い出した。


「そんなモン、後にせえ!」と藤本が言うが「インター出たところでええんや。立ちションしてくるさかい。」


「チッ、しょうがねえ。」と、トイレに立ち寄ることにした。


http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/jikenbo/043rinchi.htm

一方小林と広畑たちはインターの出口で藤本たちの乗った車が出てくるのをじっと待っていた。こちらは小林と広畑を含めて7人の男たちが3台の車に分乗して待機していた。


「小林さん、来ました!」仲間の一人が藤本たちの車を見つけて小林に知らせる。料金所を出たところを確認し、小林たちは車を発進させそのままそっと後をつけて行く。


すぐに藤本たちの車は空き地のようなところへ止まった。佐藤のトイレのためだ。ここまでも計画通りである。


車から佐藤や徳満が降り、相手である藤本とその仲間の岩上、そしてもう1人の会社員も小休止のためか、全員がいったん車から降りた。長時間の運転で疲れたのか、藤本たちは背伸びなどをしてくつろいでいる。


その瞬間、小林、広畑の他、7人の男たちがいっせいに駆け寄ってきた。それぞれが手に刃物やバット、特殊警棒、金づちを持っており、たちまち藤本たち3人を取り囲んだ。


何や!お前ら!」藤本たちが叫ぶ。


「状況読めや、死にたいんか、てめえ。」という小林のセリフに、藤本たちもこれが罠だったことに気づいた。


「貴様ぁ!ハメやがったな!」藤本が徳満と佐藤の方を振り向いて叫ぶ。


立場は逆転した。これまで監禁状態で藤本の車に乗っていた徳満と佐藤も小林・広畑と合流し、これで徳満側は合計9人となった。

「三人を別々に車に乗せろ!場所を変えるで。小林、お楽しみはそれからや!」と広畑が指示を出した。


ここからは小林竜司と広畑智規が一切を仕切る。


小林・広畑たちは藤本たちを岡山県玉野市の深山公園につれて行った。車から降ろし、藤本たち3人を並ばせた。


藤本たちからすれば、恐喝した相手から今日50万受け取るはずだったのが、逆に相手の罠にはまってしまったのだ。

「おう、佐藤、お前を殴ったいう奴はどいつじゃ?」小林が尋ねる。

「こいつら2人ですわ!」と、佐藤が、藤本翔士と岩上哲也を指差した。


「フーン、で、もう1人のこいつは?」と小林が聞いたところで藤本が、

「待ってくれ、こいつは運転手やってもろうただけやねん!こいつは関係ない!許したってくれ!」と叫んだ。


「ほぉー、で、組の名前出したのはどいつや?」再び小林が佐藤に聞く。


「それはこいつです!」と佐藤が岩上哲也を指差した。


「おめぇか・・。」小林が岩上にゆっくりと近づく。

「あ・・、いや、あれは本当は・・。」岩上が弁明しようとしたが、小林が言葉を遮(さえぎ)る。


「残念やったな。わしゃあ、ヤクザ大嫌いなんじゃ!」そう言いながら手に持った警棒を頭上に振り上げ、次の瞬間、思いっきり岩上の頭めがけて斜めに振り降ろした。


ガツッと鈍い音がして警棒は岩上の横顔を直撃した。「ぐぁっ!」と悲鳴を上げて岩上が倒れ込む。


「おぅ!お前らもやったれ!」小林が叫んだ。「ヒャッホー!」と楽しむような声を上げて、小林側の数人が一斉に襲いかかった。


ここから一方的なリンチだ。バットで殴り金づちで殴り、鉄パイプで殴り、倒れた所を何人かがかりで蹴りまくる。


「オラー!」「死ねやー!」と声を上げながら藤本と岩上を一方的に痛めつける。2人はみるみる顔が腫(は)れあがり、血ダルマとなった。


「や、やめて下さい・・。」「すいませんでした・・。」2人はリンチを受けながら謝るが、小林側は全くの無視だ。


この件の当の本人である徳満と佐藤はビビッて最初は暴行には加わらず、見ているだけだった。


そこへ広畑が声をかける。「ええんか?見とるだけで。女を守るんやないんか、徳満!借りを返すんやなかったんか、佐藤!」


「う・・。」


徳満と佐藤がためらっているところへ小林がバットを差し出した。

「おめーらもやれ! 誰のためにやっとると思うとんねん!」


バットを受け取った徳満がまだ迷っている。ぐったりとなった藤本を、小林が起こして顔を上げさせる。

「オラ、やれ!」と徳満に声をかける。


藤本にはまだ意識がある。小さな声で「ご、ごめん・・。やめて・・。」と口を開くが、次の瞬間徳満は「うわあああっ」と叫んで思いっきりバットで藤本の顔を横殴りにした。


ぐったりとなって倒れる藤本。


「おう、佐藤!お前はこっちじゃ!」小林が今度は倒れている岩上を抱(かか)え起こし、佐藤にバットで殴るように命令した。


佐藤もためらいはしたものの、「うおーっ」と声を上げ、岩上の顔面をバットで直撃した。


これでタガがはずれたのか、最初は迷っていた徳満と佐藤であったが、これ以降は相手側の2人を凶器でメッタ打ちにし始める。


「はっはー、やりゃあ出来んじゃねーか。」と小林も言う。


散々リンチを繰り返していた時、公園の後ろの方で「キャーッ」という悲鳴が上がった。ハッとして振り向くと、通行人の女性のようである。見られた。警察に通報されてはまずい。


「おう、場所を変えるで!」広畑がすぐに指示した。


半死半生の2人をそれぞれトランクに詰め、会社員も車に乗せて発進した。すでに日付は変わり、6月19日の午前3時になっていた。

次に彼らが来たのは、先ほどの現場から約5km離れた、かつて小林が働いていたという会社の産業廃棄物処理場である。ここは岡山市と玉野市の境の山間部にある場所である。


「いいとこ知ってんな、小林。」と広畑が言うと

「おお、昔、この会社に世話になってな。夜になるとこのゴミ置き場には誰も来(け)えへんねん。」

と小林が答える。


ここで2人に対するリンチが再び始まった。2台の車のヘッドライトが現場を照らす。

2人とも顔面は腫(は)れ上がり、服は裂け、全身血まみれとなりもはや立つことも出来ない。


中には、倒れている藤本たち目がけてゴルフクラブを構え、「次、300ヤード行きまーす。」などと言い、腹に向かって思いっきりクラブを叩きつける者もいた。腹にヒットして悲鳴が上がると「ナイスショット!」などと周りもはやしたてる。


徳満と佐藤もだんだんと不安になってきた。「やり過ぎなんじゃないか?」「このままじゃマジで死んじまう。」


2人でささやき合っていた時、小林がここに置いてある建設機械を見ながら、仲間の1人に向かって、

「おめえ、確かユンボ(建設機械の一種)使えたよな? 穴を掘ってくれや。」と指示した。


重機で穴が掘られ始めた時、徳満と佐藤が驚いて聞いてきた。

「小林、まさか埋める気なんじゃないだろうな・・?」


「ああ。」

「マジか!?」と広畑も驚く。


「奴らにゃヤクザがついとんじゃろ?ここまでやっちまったんや。始末するしかねーだろ。」


小林の言葉を受けて広畑も

「それもそうやな・・。奴らにゃ消えてもらった方がええ。」とつぶやく。ヘッドライトの方向や、穴を掘っている間の見張り役、その他の役割分担などは全て広畑が指示を出した。


まもなく重機は止まり、掘られた穴を覗きこんで広畑が、

「浅いんとちゃうか?この深さじゃよう隠せん。」と言うので穴は更に深く掘られた。


深さ1.5メートルくらいに達した時、作業は終了とされた。瀕死の状態になっている藤本を引きずり起こし穴の横に立たせた小林は、藤本たちの仲間である会社員に警棒を渡し、


「こいつを殴れ。手加減したらお前も殺す。」と命じた。


会社員は泣きながら瀕死の藤本を1回ほど殴った。


「おめーがこいつを突き落とせ!」と更に小林は命じる。

「そんな無理です!仲間を突き落とすなんて・・!」


「そうかぁ、残念やな。おめーだけは助けてやろうと思うとったが・・。おい、穴もう1つや!」と仲間にもう1つ穴を掘るように命じた。


「ま、待ってくれ・・!」と会社員の男が藤本に近づいていった。


「や、やめてくれ・・。」と藤本が懇願する。


「元はと言えば俺はこの件には関係なかったのに、何でこんな目に遭うんや・・。」会社員はゆっくりと手を藤本の背中に近づける。


「お願いやから殺さんといて・・。」藤本は涙ながらに会社員と小林たちに訴えるが、それも無視された。


「やれや!」再度の小林の命令に、会社員は「藤本・・、俺かて命はおしい。」と言いながら藤本の背中を突き飛ばした。


ドサッと音がして藤本は穴の底へ転落した。


次に小林は大きな石の塊(かたまり)を掴(つか)み、

「おい! こいつをあいつに向かって投げろ。」と今、突き落とさせた会社員に渡した。


「そんな・・、そんなこと出来ません。」


「さっさとせいや、おめーも埋めるぞ、コラァ!」小林が怒鳴る。


石を受け取った会社員は、穴の底の藤本めがけて投げ入れた。ゴキッと音がして藤本に命中した。


小林がやたらとこの会社員に命令したのは、殺人に加担させることで、この会社員から警察への通報を防ぐためでもある。


「おう、お前らもやれ!」小林が仲間にも命じる。数人が穴の周りを取り囲み、次々と石やコンクリート片を投げつけ、藤本を直撃した。


「もうええやろ、土、入れよか。」


小林が広畑に言うと「せやな。」と広畑も指示を出した。

仲間の1人が再び重機を操作し、まだ生きている藤本の上から次々と土砂をかぶせていった。


間もなく穴は完全に埋められた。それはすなわち下に埋まっている藤本が死亡したことを意味する。


後に死体が掘り起こされて解剖された結果、死因は窒息死だった。鼻や器官の中にも土が詰まっていた。

1人を殺害して、いったんリンチは終了した。もう1人の瀕死の状態であった岩上はトランクに詰め込んでいったん小林のマンションに連れて行かれた。


この時点で、小林は、ある知り合いの男に電話をかける。電話の相手は以前小林が風俗店で働いていた時の知り合いで、岡山市の暴力団関係者である。


実際にヤクザと関係があったのは、最初にヤクザを名乗った藤本・岩上側ではなく、小林の方だったということになる。


小林はこれまでの経過と1人殺したことを報告し、今後のことを相談すると、その電話の相手は「ヤミ金融で借金漬けにして金を奪え。」と指示した。


しかし、岩上は瀕死の状態で血まみれとなり、立つことさえ出来ない状態だった。金融会社に出向ける状態ではないのでこの計画は断念し、そのことを再び電話で報告すると、「金が取れんのなら連れてこんでもええ。警察に通報されるとまずい。生かして帰さずに処分せえ。」

と言われた。


「やっぱりこいつも埋めるしかねーな。」と小林が言い出し、再び岩上をトランクに詰め、仲間の2人と共に先ほどの現場に戻って来た。


藤本を埋めた穴から5メートルほど離れた場所にまた穴を掘る。突き落とす前に両腕を頭の上で粘着テープのようなもので縛(しば)り、更に両足も縛っておいた。動けない状態にしておいてから藤本と同様、穴の中に突き落とした。


再び重機で上から土をかぶせた。岩上の死因も窒息死だった。


3人の中で、ただ1人殺されなかった、運転手役をやっていた会社員はそのまましばらく監禁されていたが、警察には絶対言わないと約束させられて翌日ようやく開放された。開放する時に広畑は、警察への通報を防ぐ目的で、その会社員の免許証のコピーを取らせておいた。


開放はされたが、しかしいつまた小林たちに拉致(らち)されて殺されるかも知れない。恐怖に耐え切れずこの会社員はすぐに警察に出頭して全てを話し、助けを求めた。

出典:No.043 2人を生き埋めにした、大学生たちのリンチ殺人

	

逮捕・判決


小林は指名手配されていたものの、事件から数日の間は逃げ回っていた。

時が経って冷静になったのか、6月23日午後、母親に電話し、「友達から困っていると相談を受けたんやけど、相談に乗っているうちに殺してしもうた。」と打ち明けている。


それを聞いた母親も「(それが)本当なら、自首しなさい。」と自首を勧めた。小林から母親への連絡はしばらく途絶えたが、24日に再び小林から電話があり、


「これから自首する。一緒に来て欲しい。」と頼んできた。翌日25日、自宅近くの神社で待ち合わせ、母親と2人で車に乗り、警察へ向かった。


小林は自首する前に母親に「母さんの子で幸せでした。」とメールを出している。また、警察へ向かう車の中で、「死刑にならんかったら出てこれるから。長生きしてな。」とも言っている。そして母親に付き添われ、玉野署に出頭した。


後の小林の供述によると「暴行しているうちに歯止めがきかなくなった。」と話しおり、また、他の仲間も「そこまでやるとは思わなかった。」と供述している。


25日の小林の逮捕から始まり、28日までにリンチに関わった9人は全員逮捕された。

出典:No.043 2人を生き埋めにした、大学生たちのリンチ殺人

	

裁判焦点


公判前整理手続きを採用。弁護側は精神鑑定を求めたが、後に却下されている。

 2007年1月23日の初公判で、小林被告は被害者から財布を奪ったことについて強盗目的ではなかったとしたが、殺人や監禁などについては起訴事実を全面的に認めた。弁護側は「Fさん殺害を持ちかけたのは廣畑被告で、小林被告が明確に殺意を抱いたのは、資材置き場でパワーショベルのかぎを見つけた時点」と主張した。

 3月27日の論告求刑で、検察側は小林被告が事件を主導したとし「人間の所業とは思えない。更生の可能性は乏しく、年齢は若いが極刑で臨むほかない」と主張。同日の最終弁論で弁護側は「責任は重いが、反省を深めており更生は期待できる」として死刑回避を求めていた。被害者2人の両親ら遺族も意見陳述し、「全員を死刑にしてほしい」などと述べた。

 判決理由で和田裁判長は「犯行を主導し、集団で暴行を加えたうえ、生き埋めという冷酷かつ残虐な方法で2人の前途ある若者の命を奪った。まれに見る凶悪な犯行で、被害者を物のように扱い生きたまま土中に埋めたのは、人として絶対に許されない行為。人間としての優しさが欠如していると言われても仕方ない」と断罪。「2人の若い命を奪った結果は重大で、犯行に至る経過や態様もむごすぎる」「これ以上残忍な殺し方がないという冷酷で凶悪な犯行。反省しており更生の可能性も認められるが、極刑は免れない」「共犯者の中でも責任は特に重く、極刑を選択するほかない」と述べた。

 小林被告は公判で、殺人罪については認め、「金品を強取するつもりはなかった」と強盗罪のみ否認していた。和田裁判長は強盗罪の成立も認定したうえで、「一方的に激しい暴行を加えるなど粗暴性が如実だ」などと小林被告を指弾した。


 被告側は量刑不当を理由に控訴した。

 2008年1月22日の控訴審初公判で、被告側は控訴趣意書で「犯行当時は人格が未熟で集団心理に支配されていた。犯行当時21歳と若く、更生は十分可能。死刑を科すのは誤り」と死刑の回避を訴えた。検察側は控訴棄却を求めた。

 以後も一審の認定事実について争いはなく、弁護側は「多数の共犯者に後押しされる集団心理に支配された犯行。拘置所で写経するなど内省を深めており、命を絶つのは酷」と死刑回避を訴えた。

 判決で若原裁判長は、「前途ある若者2人の命が奪われた結果は重大。用意周到に計画されたわけではないが、偶発的ともいえず、逮捕を恐れるなど、自己保身のための冷徹な犯行」と指摘。さらに、被告側が「遺族に謝罪の手紙を書き、冥福を祈って写経も続けるなど反省を深めている」として死刑回避を訴えたことについて、「犯行当時21歳で、更生の可能性は否定できない」としつつも、「残虐非道で人間性を欠く冷酷な犯行。犯行の態様や結果の重大さに照らすと、死刑が重すぎて不当とはいえない」と断じた。


 2011年2月25日の最高裁弁論で、被告側の弁護人は「幼児期に両親から受けた虐待などの影響があり、現在は心から反省している。若く、更生も期待できる」などと主張し、死刑回避を求めた。検察側は上告棄却を求めた。

 判決で千葉裁判長は「暴力を肯定する発想から共犯者のトラブルに介入して安易に殺害に及び、動機や経緯に酌量すべき点はない。2人に執拗な暴行を加え、生き埋めにした犯行態様も残虐非道。率先して実行し、果たした役割は大きく、結果も重大だ」と指摘。「責任は誠に重く、死刑はやむを得ない」と述べた。

出典:kobayasir"

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判決

小林竜司は一審・二審ともに死刑判決、徳満優多は懲役11年、佐藤勇樹は懲役8年、広畑智規は無期懲役となった。広畑智規は暴行には加わっていないものの、計画のほぼ全てを仕切った主犯格であると見なされた。


大阪地裁で和田真裁判長は「なぶり殺しとも言える無慈悲極まりない犯行で、これ以上残忍な殺し方はない。広畑被告は犯行を指示するなど役割は極めて大きい。」と述べた。また、積極的に暴行を行った白銀資大(もとひろ・23・大阪商業大学)は一審で懲役20年という判決も出された。その後、小林竜司被告は平成23年(2011年)年3月25日、最高裁でも上告棄却の判決を受け、死刑が確定した。

出典:No.043 2人を生き埋めにした、大学生たちのリンチ殺人

	

集団心理・群集心理


集団による暴行がエスカレート、殺害に至った事件は多くあります。「女子高生コンクリートづめ殺人事件」「名古屋アベック殺人」などがそうです。

 いずれも、犯罪史に残るような残虐な事件といえるでしょう(個人的に今思い返してみても胸が締め付けられるような事件でした)。そのほかにも、中学生 によるホームレス集団暴行死事件の時なども、「集団心理」が語られました。

いわゆる群集心理、集団心理と言われるものには、次のようなものがあります。


匿名性(無名性):

大勢になればなるほど、自己の言動に対する責任感と個性がなくなり、しばしば無責任、無反省、無批判な行動になりがち。「赤信号みんなでわたれば」といった心理になる。


被暗示性:

暗示にかかりやすくなる。人に言われたり、その場の雰囲気にしたがった行動をしてしまう。目立つ人、声の大きな人、の過激な号令に盲目的に従ってしまうことも。また、人の思いがまるで伝染するように、共通した考えや感情を持ちやすくなる。


感情性:

感情的になる。論理的に考えられなくなる。


衝動性:

理性のブレーキがきかなくなる。


力の実感:

自分達が強くなったような気がする。


 今回は、無統制な群集ではありませんが、主犯格の過激な言動に全員が引っ張られ、理性をなくしていったのかもしれません。

また主犯格の男性自身、もしも一人であれば途中で暴行を止められたかもしれませんが、大勢の前で、強さを誇示していたわけですから、途中から弱気な発言はできなくなってしまっていたかもしれません。

 また、社会心理学の研究によれば、一人で考えて結論を出すよりも、集団で話し合ったほうが、結論がより過激で危険性の高いものになりやすいことがわかっています。

出典:集団暴行2人殺害事件(岡山集団リンチ殺害事件)の犯罪心理学...

	

オススメ書籍

慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話