沖縄に放したのは失敗!?マングース列伝
せっかくハブ対策に、と沖縄に大量導入したのになかなか成果を挙げてくれないマングースとはどんな生き物なのか解説を。
マングースとは
フイリマングース(学名:Herpestes auropunctatus)は、食肉目マングース科エジプトマングース属に分類される哺乳類の一種。かつてはジャワマングース (H. javanicus)の亜種として扱われていたこともある。雑食性で哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫、果実まで何でも食べる。日本に定着しているフイリマングースの消化管内容物と糞の解析から、昆虫類が主な餌資源であることが判明している。木を登ったり、穴を掘ったりする行動はしない。水を避ける傾向があり、水深5cm以上の水には積極的に入らない
日本の南西諸島でもネズミ対策に加えて、ハブ対策を目的として導入された。その時点ではマングースが素早い身のこなしでハブを攻撃するだろうと考えられていた。沖縄本島では1910年に、動物学者の渡瀬庄三郎の勧めによって、ガンジス川河口付近で捕獲された13〜17頭の個体が那覇市および西原町に放たれた。また、続いて1979年には沖縄本島から奄美大島へ導入が行われた。2009年には鹿児島市でも生息が確認されたが、実際は30年以上前から生息していたと考えられている。渡名喜島、伊江島、渡嘉敷島、石垣島にも導入されたが、定着しなかった。
期待した成果は出ず
マングースが実はハブ退治の役には立っていないことが分かってきました。80年代に入って研究者たちがマングースの胃内容物や糞を分析した結果、ハブを食べている個体はほとんどおらず、代わりに沖縄ではオキナワキノボリトカゲやヤンバルクイナ、奄美ではアマミトゲネズミやアマミノクロウサギ、ケナガネズミなどの島固有の希少種が犠牲となっていることが明らかとなったのです。実はマングースは、昼間しか行動しない昼行性の動物であり、そして、ハブは夜しか動かない夜行性の動物であり、もともとこの2種の動物が野外で出会うチャンスは極めて低かったのです。
マングースはハブと闘わない 有害外来生物をつくり出した学者の責任 ...
https://thepage.jp/detail/20160502-00000013-wordleaf?page=2
ある特定の生物を退治するために海外から導入されて、うまくいかないどころか必要以上に個体数を増やして、日本古来の在来種を絶滅の危機にさらして、駆除対象になる「有害外...
一方、奄美大島は、10万匹以上のハブが生息し、人間や家畜が受ける被害は沖縄以上に深刻だった。1979年頃、奄美大島のハブ対策として30頭ほどのマングースが放たれた。それから自然繁殖を繰り返し、推定生息数1万頭、島全域に広がる勢いだという。もともとハブを退治するために人間が持ち込んだ動物だが、結果は沖縄本島より深刻だ。
結局、沖縄、奄美大島、どちらも期待したような危険生物駆除の効果はまったくなく、むしろ貴重な生物の絶滅危機を招くというひどい結果になったようですね。
天然記念物のアマミノクロウサギなどは、貴重なのに、ハブよりはるかにとらえやすく、マングースに捕食され続け絶滅危機に。