介護、ひきこもりからの悲しい事件…愛あるからこそ痛ましい

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家族ってなんだろう

先日こんなニュースを見て、やるせない気持ちになりました。

●40年引きこもっていた男性が、亡くなったお母さんを放置していた事件です。お姉さんが来て解決しましたが、取り調べでも話ができず、筆談しているそうです。


社会との接触がなかった男性にはどうしたらよいのかわからず、行動も起こせなかったのでしょう。


事件の詳細を書くと長くなるため、印象に残っているニュースのリンクを貼りました。

言葉が出ません…親から子、夫婦、子から親…

京都認知症母殺害心中未遂事件
息子から“殺してくれ”と頼まれた

●こちらは逆になります。若い頃に体調を崩してから、引きこもってしまった息子さんをお父さんが…といった件です。


この記者さんが福山市保健部健康推進課に、ご家族が来られたか聞いた所「個人情報」と教えて貰えなかったそうです。

さらに、相談には乗るそうですが「概ね40歳まで」となっているそうです。


産まれたときは息子さんの未来を想ったはずが、言葉にならないです。

ごめんね。母さんを許して…

●こちらは40代の娘さん。統合失調症を発症してから家庭内暴力のほかにも深夜の大声や、ご近所への迷惑行為もあったそうです。


行政や医療機関に相談しても、結局「家庭」になってしまったそうです。突然、娘さんの首を絞めようとするお母さんを見て「妻を犯罪者にするわけにはいかん」とシャツを奪い取ったお父さんが手をくだしたそうです。


どこからも見放された形になり80代の自分達がいなくなったら…と、自分達で責任を取ろうとしたのかもしれません。


何故どこも助けなかったのか。腹立たしい気持ちになります。

可純にはできる限り不自由な思いはさせないようにした

●住んでいた県営住宅の家賃を2年以上滞納したため、行政による部屋の明け渡し強制執行が行われる、その日とのことです。家賃は1万2800円、月収は約12万円。


中学生のお子さんがいるご家庭では厳しいですよね。しかも、お母さんは「娘には不自由な思いをさせないようにしたい」と、同年代の子達のようにおしゃれな恰好で過ごさせていたそうです。


このケースでは生活保護の申請にいったそうですが、記事を読むと完全に役所の手抜きで下りなかったようです。

今でも妻を愛しています

●とても仲がよく、ご近所でも評判の良いご夫婦だったそうです。


奥様の足腰が衰えてから必死で介護をされていたそうですが、ある日、廊下で転倒して「もう痛みに耐えられない。何もできない、苦しいだけ。殺してほしい」と言われ、断れなかったそうです。


その日の夜、添い寝をしながら60年分の想い出話を語り続け、その時の様子を「妻はニコニコしていた。とても綺麗だった」と公判で語ったそうです。


「私がしっかりした男だったら(もっと)上手な対応を取ったと思う。今でも妻を愛しています」


何故こんな事になってしまったのか、悲しすぎます。

実は多い親族間での悲しい事件

こんなにも多かった…

殺人事件の人間関係では、家族が52・4%となっています。傷害も22.6%と多いです。このグラフだと関係性がわからないのですが、上記のケースの他、虐待など様々なケースがあるのでしょう。


「平成28年版 犯罪白書」から。

若年無業者等

「内閣府」の若年無業者数の統計です。年齢が上がるたびに少しずつ増えているようです。問題は15歳から39歳までしかこのグラフにないのです。


親が70代、子が40代の「7040問題」については、何も対策はないのでしょうか…。

なんとかならないのか調べてみましたが…

40代はどうしたら…

厚生労働省では「地域若者サポートステーション」による「若年無業者等集中訓練プログラム」を行なってますが、年齢が39歳までなんです。零れ落ちた40代はどうしたらいいのでしょう…。


シニアとしては早い気もしますし、宙ぶらりんな印象です。

介護はややこしいです

介護は他人事ではないですし、働きながら祖母の介護をメインで行ったこともあります。


下半身が動かず車いすというだけで比較的楽だったと思いますが、それでも仕事しながらは辛かったです。


家で…というのは大変です。ホームの表をお借りしました。


「かづな先生の保険ゼミ」というサイトさん。介護について、詳細に書かれています。

Q9. 出産や親族の介護、病気などにより退職したのですが、雇用保険は支給されないのですか。


A9. 雇用保険の基本手当を受けられる期間は、離職した日の翌日から起算して1年間で、これを「受給期間」といいます。実際の給付はこの受給期間中の失業している日について、所定給付日数を限度として支給されます。例えば、勤続年数15年の自己都合退職者の所定給付日数は120日ですので、受給期間中の120日分の基本手当が支給されることとなります。このため、退職してから求職の申込みが大幅に遅れた場合、所定給付日数分の基本手当がもらえなくなることがありますので、ご注意ください。


さて、この受給期間については、本人の病気やケガ、妊娠、出産・育児、親族等の看護・介護等のために退職後引き続き30日以上職業に就くことができない状態の場合、受給期間の満了日を延長することができます。これによって、本来の受給期間(1年)に職業に就くことができない状態の日数(最大3年間)を延長させることが可能となります。

出典:q9"

target="_blank">ハローワークインターネットサービス - 失業された方からのご...

「ハローワークインターネットサービス」から。

●問題になっているのが介護離職ですよね。「ハローワークインターネットサービス」で失業保険の質問集を見ました。


少し文章がわかりにくいのですが「親族等の看護・介護等のために退職後引き続き30日以上職業に就くことができない状態」の場合、働いていた期間なども関係すると思いますが、延長もできるみたいですね。


再就職や収入が減るという問題はありますが、一旦失業保険を貰いながら介護の状況を整えるのも方法かもしれません。


●生活保護


最後のセーフティネットになると思います。色々と条件があるので、住んでいる自治体に相談しましょう。

せめて、助けてと言えたら、助ける人がいたら

結婚したとき、産まれたとき、家族ができる…ほとんどの人が喜びを感じ未来を想像したでしょう。


何故、こんなことになるのか…生きていると、本当に何が起こるかわかりませんよね。前もって防げるものも、防げないものも。


1つ歯車がかみ合わなくなるだけで状況がみるみる悪化していくケース、たくさんあります。周囲でも多く見てきたし、話も聞いたりします。どうか「助けて」と声をあげてほしいと思います。


そして、とにかく行政やNPO、医療機関に相談に行ってほしいと思います。道が開けそうになるまで、何度も何度も。


行政はリンクにあったようないい加減な対応を絶対しないよう、強く望みます。

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Sharetube