<西荻窪 無添加パン店廃業>放射性物質が入っていない原材料入手困難「作り続ければ加害者に」 東京新聞 2015.1.14
1/14食の安全と原発へ一石 西荻窪 無添加パン店廃業【北陸中日新聞】
このパン屋さんはとても良心的なパン屋さんだ。生協で野菜を買っていたら近所の深夜スーパーで産地が信じられなくて買えない時があった。もう病気の域だ。
その生協も福島、三陸沖の食品をどんどん売ってくれている。
自分が気にして気持ち悪くなると食べられなくなる。
それで痩せないんだから何なんだろう。
魚は自分から率先して買い物はしないけど「へしこ」とか糠で加工されたものは食べている。
キノコは生涯食べないことにしている割にはヨソで食べている。
宴会でも嫌がらずに「どこの産地か気にしないで食べることにしている」とクチにして食べている。
「看板信用してんのんか?」と風の旅人さんに笑われたこともある。
マクドナルドでびっくりしている世の中だが、製品を安売りするためには人件費をケチるから今まで検査していた人がいなくなったらそら当たり前だ。
出典:1/14食の安全と原発へ一石 西荻窪 無添加パン店廃業【北陸中日新聞】 「本当は営業したい。しかし安心だと言い切れない商品を売ることはもっとつらい」。JR西荻窪駅南口のパン店「リスドォル・ミツ」を営んできた広瀬満雄さん(63)は店の片付けをしながら、そう話した。 1995年に開店。小麦やバターは北海道、牛乳は岩手県、卵は秋田県から、それぞれ化学的肥料や飼料を使っていないものを取り寄せた。酵母も自作。価格は一般店より割高だったが、食パンは1日200斤売れるなど人気店だった。 2011年3月の福島原発事故後、材料の仕入れ先を関西や九州に変えた。しかし、牛乳は手に入らず、大手メーカーの製品を使うこともあった。 「この原材料は本当に安全なのか。自分でも不安なものを人には売れない」 そうした思いの末、店を一時的に閉め、海外で原材料を探し、1度は再開したものの、結局、昨年末をもって閉店した。 「現在も原発からは放射性物質が出続け、東京にも届いている可能性がある。事故では東電が加害者だが、東京でパンを作り続ければ、僕が加害者になる」 広瀬さんには食の安全をめぐる苦い経験がある。パン店を経営する両親のもとで育ち、大学卒業後に渡米して、添加物を使った大量生産の理論に染まった。無添加にこだわる両親と意見が合わず、家を出てパン工場用の機械を製造販売する会社に就職した。 2年後に突然、体中に黒斑ができ、肝機能が低下して3カ月入院した。思い当たったのは、会社でパンを作る際に吸い込んでいた添加物だ。中には後年、発がん性が指摘される発酵促進剤「臭素酸カリウム」もあった。「添加物は体に良くない」と身に染みた。 「今回の閉店は食の安全を軽視している食品業界への抗議だ。神経質すぎると思う人もいるだろう。僕もネットでたたかれている。だが、人の体に入る食べ物を売ることは、中途半端な気持ちではいけない」 マクドナルドの製品からビニール片が見つかるなど、食物への異物混入が問題になっているが、広瀬さんは「異物混入はあんなに騒ぐのに、放射性物質は見て見ぬふりだ」と語る。 大手の製パン会社のサイトを調べてみたが、原材料の放射性物質の検査結果は見当たらない。ただ「自主検査をしています」という表記があるだけだ。 「原材料の安全表記にこだわるパン屋は、僕が知っている限り、数軒だけ。第三者機関に調べてもらい、全結果を公開するくらいでないといけないのに」 震災からもうすぐ4年。世間でも、放射性物質に対しては「大丈夫だろう」という雰囲気が支配的だ。しかし、広瀬さんは「国が都合のよい学者をそろえて、放射性物質は安全だと宣伝しているせいだ。現に安全を求める多くのお客さんにこの店は愛されていた。本来は食の安全と原発は相いれない」と強調する。 閉店を惜しむ声は多い。「これからはどこで安全なパンを買えばいいの?」という顧客からのメールが何通も届いている。 「ありがたい。でも、1人の職人として、やはり安全性がグレーな物は作れない。一つのパン屋の閉店は何の影響も与えられないかもしれないが、原発の議論に一石を投じることになればいいと思っている」 出典:1/14食の安全と原発へ一石 西荻窪 無添加パン店廃業【北陸中日新聞】