【死刑判決】福岡3女性連続強盗殺人事件の「鈴木泰徳」とは

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福岡3女性連続強盗殺人事件まとめ


福岡3女性連続強盗殺人事件(ふくおかさんじょせいれんぞくごうとうさつじんじけん)とは、2004年12月から2005年1月にかけて福岡県内で女性3人が殺害された事件。

出典:福岡3女性連続強盗殺人事件 - Wikipedia

	
平成16年12月12日午後11時40分頃、トラック運転手鈴木泰徳(当時35歳)は、福岡県飯塚市内の公園で、専門学校の女性(当時18歳)を強姦のうえ、首をマフラーで絞めて殺害した。その後、財布を奪おうとしたが、通行人が現れたため何もとらずに逃走した。更に、同月31日の朝7時頃、北九州市のパート従業員の女性(当時62歳)を包丁で殺害して現金6万円が入ったバックを奪って逃走した。

翌年の平成17年1月18日早朝、福岡市内の公園で会社員の女性(当時23歳)を強姦目的で襲おうとしたが、通行人がいることから断念。包丁で腹など刺して殺害した後、財布、携帯電話などを奪って逃走した。


鈴木は、僅か1ヶ月間で3人の女性を殺害しておきながら、奪った携帯電話で出会い系サイトに電話するなど、罪の意識はまったく感じられなかった。3月8日、奪った携帯電話を持っていた鈴木を捜査本部が発見し身柄を拘束。同月10日に犯行を自供したため逮捕した。鈴木は、派手に遊んで800万円の借金があった。

出典:

	

現場の大井北公園

ゴミ一つ落ちていないきれいな児童公園で、遊具もそれなりにそろっていたが、人影はなかった。すぐ近くにある別の小さな公園では、対照的に小学生たちの歓声が響いていた。公園横で工事が行われていた影響かもしれないが、地域住民にとって事件の記憶が今も生々しいのではないかとも思った。

福岡3女性連続強盗殺人事件

			

鈴木泰徳


鈴木泰徳

事件当時年齢 35歳

犯行日時 2004年12月12日~2005年1月18日

罪 状 強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、強盗強姦、強盗強姦未遂

事件名 福岡3女性連続強盗殺人事件お気に入り詳細を見る

英会話教材が決め手に 客室乗務員への夢なかば 被害者の福島さん


福岡市博多区の公園で会社員福島啓子さん=当時(23)=が殺害された事件で、福岡県警の捜査本部が同県直方市の作業員鈴木泰徳容疑者(35)を強盗殺人容疑で逮捕する決め手になったのは、福島さんが愛用していた英会話用のヘッドホンステレオだった。客室乗務員を目指して英語の勉強を続けていた福島さんの「頑張り屋の証」が、容疑者逮捕の物証となった。

 事件当日、福岡空港の航空機地上支援(ハンドリング)会社に勤めていた福島さんは午前六時半の出勤のため、まだ真っ暗な道を、福岡市東区の自宅から歩いて通勤していた。いつもは自転車通勤だったが、前日北九州市の実家に帰ったため、自転車は勤務先に残したままだった。


 耳にはヘッドホンステレオのイヤホン、内容は英会話の教材だった。客室乗務員を目指し、通勤時間を惜しんで勉強をしていたのだろうか。無残な姿で命を奪われた福島さんの足元には、耳から外れてしまったイヤホンが残されていた。


 捜査本部は、八日に遺失物横領容疑で逮捕した鈴木容疑者の自宅や車を家宅捜索。このなかで、英会話用のヘッドホンステレオが見つかった。「どうして、こんなものがあるのか」。捜査員は鈴木容疑者に詰め寄った。


 当初は殺人事件への関与を否定していた鈴木容疑者も、携帯電話の使用状況など数々の矛盾に加え「ヘッドホンステレオ」の物証を示されると、「すみませんでした」と頭を下げた。逮捕から、わずか一日半の自供だった。


 福島さんは北九州市立大時代、講義の合間をぬってアルバイトで学費を稼ぎ、二〇〇二年七月から一年半、北九州市内の航空専門学校に通った。「いつか自分が乗った航空機で家族を海外旅行に連れていきたい」。夢は客室乗務員だった。


 卒業後、客室乗務員ではなかったが、福岡空港に勤めるようになり、夢に近づいたことを喜んでいた。「夢を実現するため、将来もう一度勉強します」。親しい友人にはこう話していた。無残にも夢を奪われたのは、その言葉通り、努力を続けていたさなかだった。

出典:050310:福岡で3人の女性殺害/犯罪者名:鈴木泰徳(39) ( 事...

	

裁判焦点


鈴木被告は飯塚市の事件では殺意を認めたが強盗目的を否認。北九州市の事件では「女性ともみ合ううちに転倒し刃物が刺さった」と殺意を否認。福岡市の事件では殺意や暴行、強盗目的を認めていない。

 論告で検察側は事件の動機について「経済的な困窮状態と性的な欲求不満状態から、強盗と暴行目的で女性を物色していた」と指摘。いずれの事件も口封じのために殺害したとした。そのうえで「女性の性や生命に対する畏敬の念もなく、自らの欲望を満たすために女性を襲い殺害した、凶悪かつ残忍極まりない犯行」と厳しく非難した。

 また、飯塚市の事件については捜査段階の供述から強盗目的はあったと指摘。北九州市の事件での殺意については、包丁で刺した回数や傷の深さなどから強固な殺意があったとした。福岡市の事件についても傷の状況や犯行態様、当時の生活状況から暴行・強盗目的だったと指摘した。

 そして検察側は、「若い人に犯罪に走らないよう伝えたい」「命の大切さを伝えるためにも死刑にはなりたくない」などと死刑回避を求める鈴木被告の法廷での態度について、「醜悪極まりなく、常識はずれも甚だしい。遺族の怒り、悔しさを増幅させた」と厳しく指摘した。「何の落ち度もない女性を襲った凄惨、冷酷な犯行に酌量の余地は皆無。死刑の適用をためらう必要性など全くない」と述べ、死刑を求刑した。

 最終弁論で弁護側は、今までの公判で認めていた飯塚市の事件の殺意を否認し、「首は絞めたが、殺害目的はなかった」と強盗致死罪の適用を求めた。弁護人は「被害者3人に対して殺意はなかった。強盗殺人ではなく、傷害致死や強盗致死などに該当する」「被告は、被害者に謝罪し、反省しており、更生の可能性はある」と主張。さらに「自白の誘導などがあった」と捜査を批判し「ごく普通の会社員だった被告が短期間に犯行を重ねており、動機は未解明だ」と述べた。

 鈴木被告は最終意見陳述で、謝罪の言葉を述べる一方、「取り調べでは、捜査側の考えを押しつけられた」「裁判長の質問に、とげがあるように感じるのは私だけでしょうか」などと、約1時間にわたって捜査や裁判批判を展開。これまでの公判で、裁判長から事件と向き合うよう諭される場面もあったが、最後には「事件を起こした原因は、答えが出ません」などと述べて締めくくった。

 判決で鈴木裁判長は傷跡の状況や凶器の殺傷能力などから、いずれも「金品を奪い取る目的で、殺意もあった」と強盗殺人罪の成立を認定した。量刑理由では、「金銭欲などから3人もの女性を殺害した動機に酌量の余地はない」と指摘。1月18日の事件で、犯行後に女性の携帯電話で出会い系サイトを利用したことなどを挙げ、「被害者へのぼうとくで、犯行後の情状は劣悪」と断じた。

 さらに、「被害者の生命だけでなく、遺族らの幸福な生活をも奪った」と遺族感情に言及。鈴木被告が、公判で捜査官の取り調べに対する不平不満を述べることに終始したり、「正義の味方面した検察官は許せない」とする文書を福岡県警に送ったりした点を挙げ、「自分の行った行為を見つめ直しているとは言えず、遺族の感情をさらに害した。自己中心的かつ身勝手な考え方や犯罪性向は深まっている」「動機に酌量の余地はなく、殺害方法も凶悪で残忍。被告には反省の態度がなく、遺族の処罰感情は厳しい」「凶悪で残虐極まりない犯行。人間らしい理性もなく、生命をもって償うのが相当」と結論づけた。

2007年7月10日の福岡高裁初公判で、弁護側は鈴木被告が犯行後、被害者の携帯電話を使い続け、凶器の刺し身包丁を捨てずに車中に置き、罪の意識もなく生活を送っていた点を指摘。「妄想性人格障害か妄想性障害の影響下だった」として、心神喪失か心神耗弱を主張した。そして弁護側は「犯行時、責任能力がないか、著しく欠いた状態だった」と主張、精神鑑定を申請した。検察側は「著しく不自然、不合理な主張で、到底信用できない」として、控訴棄却を求めた。正木裁判長は、精神鑑定の採否について、留保とした。

 11月6日の第3回公判で、正木裁判長は弁護側が請求していた鈴木被告への精神鑑定を却下し、結審した。この日の公判で、遺族は「被告には反省、悔悟が見られない。私の命と引き換えに被告を殺したい」と意見陳述で涙ながらに悲痛な思いを吐露した。これに対し、鈴木被告は被告人質問で「『罪を憎んで人を憎まず』と言う。権力が人を許さないと、更生への道を閉ざすことになる」「都合のいいことを言うな、と言われるでしょうが、生きて償う道を私に与えてほしい」などと死刑回避を訴えた。

 判決で正木裁判長は「被害者の人格を無視した強固な確定的殺意に基づく、非情かつ残酷な犯行」「性的欲求や金銭欲に始まり、人命軽視も甚だしく、身勝手極まりない」「目を覆いたくなるほど残虐で、通り魔的犯行として社会を震撼させた。刑事責任は極めて重大で、死刑はやむを得ない」と指摘した。

 極度のストレスで心神喪失か耗弱状態だったという弁護側の主張に対して、正木裁判長は「日常生活で被告の言動に異常を感じた者もいない」「軍手や包丁を用意して被害者を追跡するなど、その場の状況に即した対応をしており、不自然、不合理な点は一切認められない」とし、「妄想や意識障害を疑わせるような状況は存在せず、責任能力に疑問を差し挟む余地はない」と退けた。


 2011年2月8日の最高裁弁論で、弁護側は「計画的な犯行とは言えない。責任能力に疑問があり、死刑は重過ぎる」などと死刑回避を求めた。検察側は「何の落ち度もない通り掛かりの女性3人を、1か月余りの間に次々と襲った執拗かつ残虐な犯行で、極刑で臨むほかない」として上告棄却を求めた。

 判決で岡部喜代子裁判長は「借金などで金銭に窮し、性的に欲求不満だったことから、わずか1カ月余りの間に犯行を重ねた動機や経緯に酌むべき点はない」と指摘。その上で「犯行は計画的で、非情、残忍。動機や経緯に酌むべき点はない。何の落ち度もない3人の命が奪われた結果も誠に重大で、通り魔的犯行として社会に与えた影響も大きく、死刑の適用はやむを得ない」とした。

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2006年11月13日に福岡地方裁判所は求刑通り死刑判決を言い渡した。


2008年2月7日に福岡高等裁判所は被告の控訴を棄却した。


2011年3月8日に最高裁判所は被告の上告を棄却し、死刑判決が確定した。


2014年現在、福岡拘置所に収監されている。

出典:福岡3女性連続強盗殺人事件 - Wikipedia

	

備考


2006年1月26日の公判で、検察官は「3人を殺して無期懲役になるのは虫が良すぎる。今から(死刑を)覚悟しておいた方がいい。こんな事件を社会は許さない」と語った。また鈴木被告は取り調べに対する不満を述べることに終始し「事件を防ぐにはどうするべきだったか今も分からない」などと述べた被告に対し、谷敏行裁判長は「君は事件に向き合っていない。被害者の立場で考えることが責任ではないか」「遺族は君の反省の言葉を望んでいる。君が殺したんだよ。遺族は『到底許せない』との気持ちを深めたと思わないか」と声を荒らげ約10分間説諭した。

 福岡地検は2005年6月の初公判以降、公判の度に、担当の検察官が遺族に公判内容を解説する異例の犯罪被害者支援の「説明会」を行ってきた。質問に応じ、感想を述べ合って公判内容の充実を図った。

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