【死刑判決】福岡架空取引連続殺人事件とは
福岡架空取引連続殺人事件
不動産ブローカー菅峰夫被告は会社社長を名乗り、1996年1月頃から、福岡県小郡市西部の工業団地開発計画予定地の地権者約50人に「予定地を買い取って大手企業を誘致したい」などと勧誘。菅(すが)被告と不動産ブローカー手柴勝敏被告は「開発予定地の農地転用申請に必要」などとして、地権者の大半から土地の売買契約書や印鑑証明を入手しており、それを使って予定地の転売を計画していた。しかし地権者の世話役だった佐賀県鳥栖市の不動産会社社長(当時59)が邪魔になり、殺害を決意。6月8日午後11時半ごろ、同市で開かれた地権者との会合後、以前から二人に借金を申し込んでいた社長に「(現金を)用意している」と声を掛けて福岡県嘉穂郡庄内町の作業所に呼び出し、首を絞めるなどして窒息死させ、同町内の空き地に埋めた。
11月19日には、巨額で架空の建設計画で騙して呼び寄せた嘉穂郡穂波町の建設会社社長(当時54)を庄内町のアパートで殺害、社長の経営する会社振り出しの約束手形二通(額面総額4100万円)と現金900万円を奪い、遺体を同町内の造成地に埋めた。
菅被告は詐欺容疑で11月21日に、1997年1月23日には横領容疑で逮捕された。手柴被告は1997年2月21日に暴力行為容疑で逮捕された。二人が会社社長の死体遺棄容疑で逮捕されたのは2月22日だった。不動産会社社長の遺体は1997年4月24日に発見され、二人は再逮捕された。
裁判
一 審2004年3月11日 福岡地裁 林秀文裁判長 菅被告:死刑判決/手柴被告:無期懲役判決
控訴審
2006年5月16日 福岡高裁 虎井寧夫裁判長 菅被告:控訴棄却 死刑判決支持/手柴被告:一審破棄 死刑判決
上告審
2009年12月11日 最高裁第二小法廷 古田佑紀裁判長 上告棄却 死刑確定
出典:sugami"