道路は続くよどこまでも。飛び乗れ高速道路!オツな魅力アレコレ

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イントロダクション

無機質なアスファルト道路でありながらコクのある魅力!
道路は続くよどこまでも!ドライブといえば高速道路ですね。緑色の案内看板、旅情をそそるご当地看板、SA/PAでのグルメやお土産、たたずまいの雰囲気・・・高速道路を取り巻くものはさまざまなおもしろみであふれています。


高速道路自体、行けば行くほどなかなかオツなもの。無機質なアスファルト舗装を行きながらも、着眼点次第では随所にさまざまな魅力が孕まれていることに気づかされます。ときに、思わぬ景色を見せてくれることも。


今回はSAやPA、ハイウェイ旅情を演出するさまざまな看板に至るまで、高速道路を取り巻くものにも着眼しながら魅力をクローズアップしました!

外国人の興味反応もいいSA/PA

旅路のテンションにハクをつけるSA/PAはドライバーのオアシス!
高速道路といえばSAやPA!これは日本ならではの文化でもあり、今や海外の人からも多々注目を受けるほどのハイウェイレジャーです。中にはこのSA/PAだけを目当てに高速道路を使う外国人もいるほど。日本人にとってもさまざまな愉しみ方があるSA巡りが、海外の人にもウケているとは嬉しいですね。

それほど魅力たっぷりのSA/PAは、もはや現代の路上エンターテイメント!このワクワクぶりをたたえるハイウェイファンも少なくありません。その秘密は非日常感にありますが、その前にSA/PA本来の役割を押さえておきます。

写真は八ヶ岳PA。現地のカントリーぶりを発揮するには十分なたたずまいでお出迎え。いかにも八ヶ岳高原らしい、カントリーな外見!

それぞれの機能&役割

魅力を語る前にまず情報整理ですが、一応の基準としては、
SA:サービスエリア。およそ50~60km間隔を目安に設置。一般的には休憩所、駐車場、トイレ、売店、食堂、給油所などが備わっている。


PA:パーキングエリア。およそ15~20km間隔を目安に設置。一般的には駐車場、トイレ、必要に応じ売店が備わっている。

ですが、そうした一応の基準はあるものの、「一般的には」という前置きがされた上で現実的には路線の特徴などを総じて考慮がされ、実際のところSAとPAの境界線はあやふやであることが現状です。

イメージとしてPAの方が規模が小さく、SAは規模が大きいかというと、そうとも言い切れません。


実際、大きな規模でガソリンスタンドを備えたPAもあり、名前としてはPAでも実情SA並みにサービスが充実している場合もあります。逆にSAと名づけられてはいてもガソリンスタンドがないところもあります。

各道路の特徴や利用状況などがさまざまであるため、線引きがビシッ!とできるようで実際には「名前に関わらず付帯の機能は現地次第」という実情に基づいている、という理解の方が現実的と言えそうです。


ましてや近年では、SA/PAごとにテーマ性の高い施設も続々と登場しています。もはやSA/PAの枠組みを超えた路上レジャースポットと言っても過言ではないでしょう。単なる休憩所の枠を超え、近年の発展のめまぐるしさが伝わってきます。

いずれにしてもドライバーの休憩オアシスには違いありません。お休み処でもあるPAやSAの看板が視界に入ると、オアシス到達にホッとするドライバーも多いことでしょう。各々、国土交通省が定義する「一応の」基本的役割があった上で、共通の機能は「旅の雰囲気を醸し出す」「テンションを上げる」と言えそうです。


名称や機能に関わらず、SA/PAともども、たたずまいや雰囲気などもさまざまです。訪れる人の個人的な好みと相まって、旅テンションの上がりようにもさまざまなハクをつけています!

さまざまなSA/PA

本が一冊できるほどの魅力!地方路線まで詳細に収録されているガイドもある。
続いて、それぞれの魅力です。ご当地ごとに実にさまざま。その地ならではの味わいを出し、提供フードや飲み物、お土産物などにも現地色が反映されます。ますます上昇の非日常感です!ハイインパクトの名物フードが売られていたり、地元や知る人ぞ知るゼッピングルメも日々人気を集めています。

何しろ現地の数だけ存在するSA/PAです。ご当地モノの中には感じ方として「ええーっ!?」「本当か!?」と思うようなものに当たることも、無きにしもあらずでしょう。ある意味それもひとつのインパクトです(笑)。されど基本としては、おいしいご当地グルメが現地の数だけあることに違いないSAやPAです!

世界一の販売数を達成した海老名メロンパンは海老名SAの名物。48時間で27,503個売り切り、ギネスの菓子パン販売個数世界記録に認定されるほどの圧倒的な勢いを持つ。「メロンパンを買ってしまう」は、海老名SAあるあるの一つ。
さしずめハイウェイ版テーマパークであり、ショッピングモールでもあります。目的地に続いている高速道路、目的地に行くための高速道路でありながらこうした魅力がたまらず、SA自体を目的に今日も高速に乗るファンがいるというわけです。ドライブの最終目的地がSAやPAというのも納得ですね!


なお、近年では一般道への解放も積極的にされており、一般道から入れるSA/PAも続々登場しています。この一般道解放は人気のある大型SAなどでよく見られます。2005年、日本道路公団が分割民営化されてNEXCOの発足以降、方針が転換されました。一般道から利用できるSA/PAは「ぷらっとパーク」と名付けられ、近隣地域の人々にも気軽に親しんでもらうという目的があります。


ますますの路上レジャー、今や実に全国250か所以上!場所によっては高速道路にありながら徒歩でも行かれるところもあります。これは嬉しいですね!

グレードアップぶりはとどまるところ知らず!海老名SAはキングオブサービスエリアとして、SA人気ランキング(じゃらんドライバーが選ぶSA・PA満足度ランキング)1位に君臨!上下ともに日本一の集客数を誇り、平日も多くの人で賑わう。

初狩PAにて。緑に囲まれ、突き抜けるような青空の下でいただくミル挽きは、まさに格別の味!キンと冷えたコールド感と強めの甘みは、ドライバーの疲れを一気に癒してくれる。こういうときの味は歴代脳内カテゴリーの中でも特別な記憶ファイルに残る。現地のおいしい空気も込みで、まさに五感で味わうひととき。ミル挽き珈琲アドマイヤファンなら感動もひとしおではないだろうか。初狩PAは上下ともアドマイヤ自販機の設置がされている。

アートなPAとして有名な新倉PA。施設全体に独特の雰囲気があり、モダンな美術館に来たような感覚がおとずれる。

同じく新倉PAのひとコマ。トイレのデザインもアーティスティックで印象的。

こちらは三芳PA、関越下りにて。食券自販機とメニューの賑やかっぷり!券売機で購入できるメニューが多く、十分なセレクト幅。この部分だけでかなりのエンタメ度がある。

不夜城PAの凄味、童心へのアクセス!

もはやとどまるところ知らず!リニューアルを経ては、日々グレードアップを遂げるSA/PA。
割と閉まるのが早い道の駅に比べて、PAは不夜城ありけりなところが味部分です。これまた高速道路ファンの旅情を絶妙にそそる、コアな愉しみでもあります!


長距離を時間をかけて走ってきた先に、しずかに佇むご当地のPA不夜城・・・暗がりの中ぼんやりと浮かび上がるご当地PAの灯りを見れば「非日常感」、「遠くまで来た感」もひとしお。そんな旅情に浸るのもなかなかオツなものです!

夜から深夜にかけてこそ、PAはたまらなくテンションと非日常感が上がるというファンも一定数存在します。それは疲れた日常からちょっと距離を置くためであったり、幼少期の家族旅行の想い出があっての愛着だったり・・・深夜ならではの静寂に包まれたPAは、いっそうのワクワク感を駆り立てます。

そんなシチュエーションを純粋に愉しみ、味わう時間もいいものです。そうすることで、社会人になるとついつい見失いがちになる童心に帰ることができるのです。

夜の高速道路。鮮やかなハイウェイ灯に随時照らされつつ、この無機質ロードを行くだけでも十分な非日常感!このためだけに車を買ってもいいというドライバーも一定数いる。

不夜城PA!人のいない、夜の帳に包まれたPAは静謐。賑わいを見せていた日中の延長線上に、確実にそんな時間が存在する。ひんやりと静まった空気の中、誰もいないPAで飲むコーヒーは味もひと味変わってくる。

新倉PA、夜のお姿。なじみのコンビニチェーン店も、不夜城にあればいつもと違って見えてしまう非日常感なパワーがある。こうした空気の中、暗がりにボヤッと浮かび上がるお店ロゴ部分はなかなかの幻想度。

自販機コーナーも然り。こちらは三芳PAからのひとコマ。数ある自販機が放つ灯りから、人工物ならではの無機質な秩序と美しさが際立つ。独特の自販機旅情を醸し出す一枚。三芳PAは自販機も台数を確保しており、名前はPAでありながらも規模は大きめ。ハイウェイドライブで大事な一服の一翼を、夜も引き続き担っている。

先の初狩PAの写真でも取り上げたミル挽き珈琲アドマイヤ。ドリップ中はコーヒールンバBGMが流れる上、「あなたのためにドリップ中♡」とまで書かれた上抽出ライブ中継もある。ここまで揃ったドリップマシンもなかなかない。陽気に響くか、センチメンタルに響くか。流れるコーヒールンバが、日中とはまた違って聞こえる人も少なからずいることだろう。このミル挽き珈琲アドマイヤを追うファンもいる。砂糖の量もグラム単位で細やかな設定ができ、自販機文化の進化ぶりを見るには十分なマシン。これはSA/PAに親しむ海外の人たちも驚くのではないだろうか。誰もが一度は聞いたことがあるであろうコーヒールンバをたずさえ、アドマイヤ自販機は今晩もきっとどこかで静かにたたずんでいる。
なお、全国ミル挽き珈琲アドマイヤの分布は下記リンクよりご確認を。

労い系

労い系ご当地看板ビフォーアフター。東北自動車道下り線終点、青森IC付近に設置された「おつかれさま」看板。平成まで40年ほどドライバーを労わり続けた。

そしてアフター写真。令和になりさらに丁寧さを増し、「おつかれさまでした」と表記チェンジを見せる。これを目ざとく知る人々からは惜しみの声も寄せられているほど。やはり、こうした路上看板を見て感じる人は感じるという事実が伝わってくる。

高松自動車道にて。「ちょっとひといき」。府中湖PAまであと3kmを案内するタヌキ。お遍路さんに扮している姿も四国ならでは。なかなか粋な演出です!これに癒されるという声も少なからずあり、レア度、ほっこり指数ともに高い。

北陸自動車道にて。公団ウサギことハイウェイナウ君。「昔よくいたよね~」という具合に、分かる人には分かるシリーズの看板。旧日本道路公団のマスコットキャラとして、かつては本線車道のみならず、PAやSAのちょっとしたところなどあらゆるところに出現していた。公団ウサギは全国でもペンタッチに差異が見受けられ、ものによっては同じキャラでありながらも印象がだいぶ違うウサギもいた。日本道路公団が分割民営化がされた近年では絶滅の危機を迎え、「このまま残っていてほしい」「一度飼ったら最後まで飼わなきゃ」「ぜひがんばってほしい」というお声も少なからずある。新規の設置は見受けられないものの、それでも旧看板を継続的に使っている道路では随所に健在中。そんなハイウェイナウ君探しに一種のロマンを感じる人もいるほど、未だ根強いファンは一定数いる。

出典:錦江湾をぐるっと廻って桜島へ

どこでも晴れたらワン歩http://ryuudesu.blog.shinobi.jp/%E9%B9%BF%E5%85%90%E5%B3%B6%E7%9C%8C/%E9%8C%A6%E6%B1%9F%E6%B9%BE%E3%82%92%E5%BB%BB%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%A1%9C%E5%B3%B6%E3%81%B8

九州自動車道にて。鹿児島へ入るとたちまち西郷隆盛さんがお出迎え。無表情でようこそ鹿児島へ。背後では桜島がドカーーンと大噴火!西郷さんと桜島コラボにより、全国の中でもインパクト度上位に君臨するであろう歓迎を受ける。

注意喚起系

磐越自動車道、現地ならではのだっぺ方言語調で注意喚起。ここは70kmだっぺ!発見直後、思わず吹き出しそうになる。

キツネ注意看板。本州ではシカなどが主流に対し、北海道ではキツネが主流。国道、道道ではそれぞれ異なった動物標識が見受けられる。

あーかいキツネとみどりのた・ぬ・き!噂の看板、ここに出現!こちらは道央道旭川方面でお目にかかる。外見通り、現地でも赤いきつねと緑のたぬきと呼ばれ、モノクロバージョンもある。カップ麺のメーカーがスポンサーになっているのか一瞬憶測をさせなくもない一枚。マルちゃんのウェブサイトにて、ひみつページでも紹介がされている(下記参照)。
東洋水産株式会社

日本海東北自動車道の阿賀野川に架かる阿賀のかけはしにて。鳥注意。橋の下の日本海側に生い茂る中州の木々には、ビッシリと白鷺が留まっているとか。鷺の生活圏内ゆえの注意看板。朝夕は走行中の車にぶつかってくる勢いで鳥が行き交い、ドライバーを驚かせている様子。鳥注意とはいえ向こうからぶつかってこられては、注意のしようがない(笑)。

電光情報板でも注意は促される。なぜか夏の名古屋高速に多い「猫に注意」。道路にエサになるようなものもなく、高架の多い名古屋高速。いったいどこから、なぜ侵入しているのかは未だ不明のままであり、名古屋高速道路公社側も「僕らも逆に猫に聞きたいぐらい」。なお、巡回車の電光板には「猫捕獲中」と光る。使用頻度は少ないが、「犬捕獲中」の表示も一応の用意がされている。

場所によりかなりのレア度、インパクト度ともども高い看板や横断幕も楽しめるハイウェイには違いありません。

終わりに 人生はドライブ、だからこそ愉しみたい

随所にさまざまな演出をたずさえ、今日も機能する高速道路。道中オアシスのSAやPAともども、日々進化しつつあります。

新しい視点を絡めてそんな高速道路旅情を味わってみてはいかがでしょうか。決して味気ないグレーのアスファルト舗装が続いているだけではない高速道路です。走る、見る、食べる、体験する、買う、そしてまた走る・・・そうこうしているうちに着々と目的地へ着く、それが高速道路です。


今回迫った視点をきっかけに、五感で気づきを得られたからこそ味わえるハイウェイ旅情へのコクが少しでも深まるのなら、書き手として大きな喜びです。


人生はドライブ、だからこそ。

=終わり=

著者プロフィール
Sharetube