誤解だらけの自己破産!借金に悩んでいるなら検討するべき方法
そもそも自己破産とはどんな手続き?
自己破産とは、「借金が返せない状態の人」が、一定の財産を債権者に提供して、借金を免除してもらう法的手続きです。借金額が何百万円、何千万円あっても問題ありませんし、借り入れ先も消費者金融やローン会社、友人などが問われることもありません。
借金であればすべて帳消しにできる唯一の手段です。
出典:自己破産は誤解だらけ!?デメリットや影響を体験談付きで解説 世間では自己破産をするやつは借りた金を返さない卑怯なやつと言われることも少なくないかもしれませんが、国で定められている借金で困っている人に向けた制度なのです。 債務者にとっては外からなんと言われようがないものは返しようがないのです。 とはいってもどうせ自己破産すればいっか!ぐらいの感覚でできるようなものでもありませんので制度についてキチンと理解しておく必要があります。
自己破産における免責制度とは?
(1)破産手続は,債務者の債務(借金)を法律的に消滅させる制度ではありません。したがって,破産手続が終了しただけでは,債務者は,引き続き,清算後に残った債務(借金)について,強制執行等を受ける状態にあります。この状態を免れるためには,破産手続とは別に,免責許可決定という決定を裁判所から受ける必要があります。免責許可決定を受けると,原則として,債務(借金)について,強制執行等の取立てを受けることはなくなります。ただし,税金や罰金,養育費などは,免責の対象ではありません。
出典:3. 破産手続における「免責」とは,どのようなものでしょうか...
破産手続とは「私はお金を持ってないです!」と宣言するようなことです。債権者側からしたら例えお金がなかろうどうにかして作らせようとしますし、少しでも取り返そうとしてなにかの拍子に入ってくるお金を虎視眈々と狙っています。
そのため、わずかでも見込みがあれば返済の催促や取立てをやめません。
債権者の取立てはこの段階では正当なものであり、債務者は支払う義務があります。
これらの取立てや支払い義務をなくすために、破産手続とは別に免責許可決定を受ける必要があります。
自己破産できる人、できない人の違いは?
借金が返せない状況である自己破産するためには、借金の返済が不可能でなければなりません。
借金の返済が不可能になるのは、借金の総額の大きさは関係ありません。
どんなに負債が大きくても、収入が大きければ、返済が不可能とは見なされませんし、100万円前後の負債でも、収入が著しく低かったり、無収入ならば、返済することは不可能なため、自己破産が認められる可能性があります。
借金をした理由が正当であるかどうか
何故借金をしてしまったのか?自己破産するためには、借りた理由の正当性が必要となります。後でも説明しますが、自己破産できない条件として、免責不許可事由というものがあります。借金の理由がこの免責不許可事由に該当しているならば、自己破産はできない可能性があります。
裁判官の判断による裁量免責
免責不許可事由に該当している場合でも、全てのケースが破産できないわけではありません。実際、免責不許可事由に該当してしまい、管財事件となった場合でも、裁判官の判断による裁量免責によって、免責が許可されるケースは非常に多いです。
出典:借金で自己破産したい人の必要条件とデメリットは? ただ、この免責不許可事由ですべての人を機械的にできる・できないと判断するわけではありません。 免責不許可事由に抵触する内容であっても裁判所が認めれば自己破産が可能です。 つまり、債務者を経済的に再スタートをすれば社会に利益を生み出すであろうと国が判断するということです。 自己破産をするやつはクズだ!という意見もあるでしょうが、キチンとできる人、できない人の判断はされているという点は知っておくべき内容でしょう。
つまり、財産はあるけど隠して借金だけなくそう!ということはできませんし、世間一般的に本人の過失でできた借金については免責することはできません。自己破産が認められない免責不許可事由にあたるケースとなります。
自己破産をした場合のデメリットとは?
①一定の財産を失う②自分名義の借金やローンができない
③一度免責が確定したら、再び7年間は自己破産できない
④官報へ氏名・住所の掲載
⑤住所の移転と旅行の制限
⑥価値ある不動産(住宅・別荘・店舗・工場など)を失う
⑦本籍地の市町村の破産者名簿へ記載
⑧職業や資格の制限
⑨破産管財人が付く場合には、管財人に郵便物が配達される
⑩保証人に請求がいく
これらの項目が大まかなデメリットとなります。各項目について補足していきます。
①一定の財産を失う
一定の財産を失うというのは最低限の生活に必要なもの以外の金銭価値のあるものを処分して返済に充てるためです。
②自分名義の借金やローンができない
ブラックリストに入るため、新たな借り入れやローンの契約ができなくなります。
これはデメリットではありますが、新たな借金はできなくなるため、返済のことだけを考えることができます。
③一度免責が確定したら、再び7年間は自己破産できない
仮に1年後に自己破産が出来てしまうとこの免責制度を悪用できてしまいます。
自己破産とはあくまで経済的更生を促す精度です。
④官報へ氏名・住所の掲載
国が発行している官報というものに名前が載ることになります。
誰でも読むことができますが、読んでいる人は限られます。
たまたま知り合いの人が読んでいて自己破産したことがバレた!ということは起こり得ますが、かなり稀なことだと考えられます。
⑤住所の移転と旅行の制限
支払いを最低限のものにする必要がありますので、家賃の安いところへの引っ越しや不必要な旅行の制限などがあります。
⑥価値ある不動産(住宅・別荘・店舗・工場など)を失う
金銭的な価値のあるものは返済に充てられます。不動産だけでなく、宝石や時計なども対象となります。ただし、生活に最低限必要なものであると認められたものは処分されません。
⑦本籍地の市町村の破産者名簿へ記載
より正確には免責をもらえなかった破産者が載る名簿への記載になります。
そのため、免責許可がおりている場合は記載されません。
免責のない自己破産は債務者にとってメリットが小さいため、こちらのデメリットは基本的にないものとして考えてもよろしいかと思います。
⑧職業や資格の制限
一部の職業に就けなかったり、資格が使えなかったりします。
一般的な人には関係ないものが多いですが、金融系や士業、不動産などを扱っている人は注意が必要になります。
注意が必要な業種のイメージとしては他人の大きな資産に触れる機会の多い職種、といったところでしょうか。
⑨破産管財人が付く場合には、管財人に郵便物が配達される
隠し財産がないか確認するための期間、管財人に郵便物が配達されるようになります。
自己破産という制度が悪用されないようにするための措置になります。
自己破産をする際に、弁護士や裁判所に自分の収入や財産を正確に伝えていれば問題ないため、大きなデメリットではありません。
⑩保証人に請求がいく
これが一番のデメリットかもしれません。
自己破産の効力はメリット・デメリット共に自分へのものになります。
保証人に請求がいくというのは債権者の権利で、自己破産の副次的なデメリットとなります。
子供が自己破産して親が保証人という場合、債権者から親へ一括請求されてしまいます。
例え子供が自己破産をして支払う必要がなくなった借金だとしても、保証人である親は支払い義務があります。請求された借金を支払うことができない場合は親も自己破産しなくてはいけない状況になることもあります。
いかがだったでしょうか?自己破産についての正確な知識が得られたり、誤解がとけたりしていれば嬉しいです。
実際に借金している人は様々な事情があります。中には本当に仕方ない理由で多額の借金を背負ってしまった人もいるかと思います。
自己破産というのは悪い面だけではないということを知ってもらえたら幸いです。