マダニの恐怖!犬猫だけじゃない〝感染症〟で死ぬことも

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マダニは、日本全国に生息し、1年中かまれる危険性がある。

マダニってどんな虫?

マダニは8本脚からなる節足動物で、昆虫ではなくクモやサソリに近い生き物です(昆虫は6本脚)。

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日本に生息するマダニは10種類以上。どんな気候、場所にも適応し、寄生の機会を狙っています。北海道や日本海側、東北を含む全国でその姿を確認することができます。

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日本全国に分布しています。

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マダニには800以上もの種があり、あらゆる環境に適応、生息できるため、世界中で問題となっています。

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マダニって家の中のダニのこと?

家のカーペットやベッドにいる小さくて目で確認できないダニと違い、マダニは肉眼でも確認できるサイズです。

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一般に家の中に住むダニ(イエダニやヒゼンダニなどの微 小ダニ)とは違って固い外皮に覆われ、大きさは吸血する前のもので約3〜4mm(フタトゲチマダニの場合)、イエダニといった微小ダニの約8〜10倍に相当します(微小ダニの大きさ は約0.2〜0.4mm)。

マダニはどこにいるの?

キャンプや山登りに行かなければ大丈夫と思っていませんか?実は都心の公園や河川敷でも普通に生息しています。

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森や林だけでなく都会の公園や河原などもマダニの生息地帯。緑の草むらや茂みの多い場所は特に注意が必要です。

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マダニが活動する季節は?

特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニにかまれる危険が高まります。

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3月頃から被害が出はじめ、10~11月ぐらいまで盛んに活動しますが、冬でも油断はできません。実際、冬季も活動する種類のマダニも存在します。

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マダニは、犬や猫、人など動物の血を吸う。
人間や動物を吸血し、繁殖していくマダニ。

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マダニが犬に!

マダニに咬まれると、犬は皮膚炎や貧血、栄養障害などの病害を引き起こします。また、マダニが運ぶ病原体がさまざまな感染症の原因となり、場合によっては命に関わる危険性もあります。

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「犬のバベシア症」

バベシア症<バベシア原虫>

犬の症状

貧血、発熱、黄疸、元気消失など。症状が重い場合は急死することも

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マダニは猫にも!

マダニに咬みつかれても痛みがなく猫は血を吸われていることに気がつきません。 多数のマダニに寄生されると貧血を起こすこともあります。

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マダニは人にも!

マダニの唾液には麻酔様物質が含まれており、咬まれた直後は気が付かないことが多いようです。2~3日すると掻痒感、灼熱感、軽度の痛みを感じる方もいます。しかし、1週間しても気づかない方もいます。たとえ気づかなくても、7日間ほど(10日間以上のこともあります)で飽血(満腹状態)すると、自ら離れます。

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マダニは多くの病原体を媒介します。そのため、吸血による貧血や皮膚炎だけでなく、命さえおびやかす病気にかかる危険性があります。

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「マダニ媒介感染症」で死に至ることもある。
病原体を保有するダニに咬まれることによって起こる感染症のことです。

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マダニは様々な病気を媒介

人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに咬まれることがあります。

ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、咬まれた人が病気を発症することがあります。

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マダニに咬まれて大変なのは、痛みよりもむしろ、日本紅斑熱やライム病、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」などの感染症を引き起こす可能性があること。

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ダニに刺されることで起こる感染症はリケッチアやウイルスという病原体を保有するダニなどに刺されることにより起こる感染症です。

2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)を保有する「マダニ」に刺されることによって引き起こされる、「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」やリケッチアや細菌など病原体を保有する「マダニ」に刺されることで感染する「日本紅斑熱」「ライム病」「回帰熱」また、「つつが虫」に刺されることによって感染する「つつが虫病」などが主な病気です。

いずれも、すべてのマダニ、つつが虫が病原体を持っているわけではありませんが、ダニ等に刺されないための注意が必要です。

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「ライム病」

マダニからペットや人にも感染します。人に感染した場合、皮膚症状、起立不能、歩行異常や神経過敏などの神経症状 、関節炎などがみられます。

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赤い丘疹(マダニに咬まれた部分を中心とする遊走性紅斑)や発熱、関節痛など。放置すると、心膜炎や顔面神経麻痺などが起こることも

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「日本紅斑熱」

マダニがリケッチアという病原体をうつすことで、日本紅斑熱を引き起こすことがあります。発熱、全身の発疹などの症状だけでなく、死亡する場合もある大変危険な病気です。

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マダニ媒介の日本紅斑熱の発症も後を絶たない。

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日本紅斑熱は、2019年10月20日までに248人の感染報告があった。18年同期(252人)より少ないが、高水準だ。最多は広島県で58人と、18年通年(41人)を上回った。次いで三重県31人、和歌山県22人となった。各地で死亡報告も相次いでいる。

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「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」

2013年に日本でも初めて死亡例が報告された、ウイルスによる感染症。マダニがウイルスを媒介している可能性があり、注意が呼びかけられています。犬や猫での発症は報告されていません。

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国立感染症研究所が2019年10月29日に発表したマダニ媒介による重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染報告が20日現在で92人と、統計を取り始めた13年以降で最多となった。

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国立感染症研究所によると、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染報告が2019年は、13年の届け出開始から過去最多の102件で5人が死亡した。

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2019年は、山口県11人、徳島県9人、島根、長崎、宮崎、鹿児島県がそれぞれ8人と、中国四国、九州での報告が目立った。

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SFTSウイルスに感染すると6日から2週間の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐(おうと)、下痢、出血など多くの症状が出る。SFTSは致死率が6~30%と高いが、現時点で有効な薬剤やワクチンはない。

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「マダニ媒介感染症」が全国各地で相次いでいる。

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