<Floret>3月の花・チューリップ・キューケンホフ・椿ツバキ
★虫
「虫」というとどんな虫やどんな事を思い浮かべますか?一般的には、クモ類やダンゴムシ、ムカデなどの小動物と
昆虫が「虫」と呼ばれます。
昆虫は約4億年前に地球上に現れ、
現在生息しているほとんどの種が、100万年以上前から変わらないという。
その種類は80万種を超え、全動物の4分の3を占めているとか。
地球にとって如何に重要かは数字が示す通り。
虫と植物との密接な関係には、食草や擬態などがある。
食草は、虫が決まって食べる草木のことで、
モンシロチョウはキャベツなどのアブラナ科、
アゲハチョウはカラタチなどのミカン科、
ササキリはイネ科、など。
擬態は、虫が身を守り、捕食するために、形や色を植物に真似ること。
幹にぴったりと羽を広げるガ、
枝と見分けがつかないナナフシ、
葉にそっくりなコノハチョウ、カレハバッタ、
花に潜むハナグモ、ハナカミキリ、など。
ダンゴムシやワラジムシなどの土壌に住む虫は、
落葉や動物の死骸を土にし、自らも土と化し、
それらは植物の肥料となる。
カメムシがイヤな匂いを発するのは、
危険が近づいた時で、卵や幼虫を守るためだという。
「虫が好かない」と決めつけないで、
時には、もう少し近づいて虫たちの営みを目にしてみませんか。
★海を越えて
大地を埋め尽くすチューリップ「キューケンホフ公園」オランダ・リッセ
Lisseオランダといえばチューリップ。
チューリップといえばキューケンホフ公園。
アムステルダムから南に約25mのリッセ市にキューケンホフ公園はある。
周辺は、大きな色紙を張り合わせたようなオランダ最大の球根栽培地帯で、
水路で区切られている。
キューケンホフ公園は、
1949年、14世紀に建てられたキューケンホフ城の跡に開園した。
600万以上のチューリップ、ヒヤシンス、ムスカリ、スイセン、アイリスなどの球根花と
樹木や池や彫刻などと絶妙なバランスで配置され、温室・展示ホール・レストラン・風車などもある。
園内のどこに立っても、どこを向いても、美しさに手抜きはない。量も圧巻だ。
球根を、花を、景観を、知り尽くした技。
開園時期は、3月末から5月末までの2ケ月間のみ。
約10ケ月を費やして完璧な公園を創り上げる。
10年に一度のフロリアードもそうだが、日本では有り得ない。
夜もカーテンを閉めない家々にびっくりしたアムステルダムでは、
熊井明子先生から教わったポプリを創ろうと、花屋で切花を買い集め、
花を乾燥させながら、ヨーロッパの旅を続けた。
オランダに限らず、どこに行っても沢山のチューリップ。日本に帰る頃にはチューリップを嫌いになりかけたのも事実。
Keukenhof キューケンホフ公園
https://www.holland.com/jp/tourism/events/keukenhof-jp.htm
700万株の球根花が咲き乱れる、「キュー
心の中に咲いているのは、
深い緑の葉に紅色の花を咲かすヤブツバキではないでしょうか。
時を遡って、万葉時代。
椿は霊力を持つ木として、邪気を払う杖を作ったり、
白椿が吉兆として天武公(皇)に献上されるなど、
信仰的な意味合いもある木です。
また、その頃、
椿は万葉集以外の書物には記載がなく、
歌の題材にも扱われないほど崇められる存在でした。
そんな椿が美の対象として位置づけられるようになったのは、
鎌倉時代からとのことです。
禅宗文化のもと、
茶道や華道の簡素な趣味を好む人々が好み、
庭木をして植えたり、立花として用いたとされます。
現代なら、シンプルライフに必要な花といったことでしょうか。
今や世界中に根付き、栽培され、日本に逆輸入もされる椿。
とても椿だとは思えない品種も日本のアチコチで目にします。
大好きなツバキ「白芯卜伴 ハクシンボクハン」
★園芸ミニ知識「3月」
冬の間、室内や軒下で、花や葉を楽しませてくれた植物たち。2月後半からは春を感じるような日が訪れ、
直射日光に当てたくなりますが、
ちょっと待ってください!
徐々に慣らす!が基本です。
室内の暗い場所から明るい場所へ、
窓から遠ざけていた植物は窓近くへ、
そして、風のない暖かい日の午前中に外に出し、日光浴と水やり。
観葉植物は。ホコリ落としも兼ねて、葉にシャワーか霧吹き。
鉢のプリムラ類の花が咲かなくなっていたら、一回り大きい鉢に植え替えます。
寒さに強く屋外でも育つパンジーやビオラは日光不足で開花しませんので、
他の植物より先に、屋外に慣らしていきます。
また、冬場でも花を楽しみ続けるには肥料が重要です。
植物が花を咲かすには、沢山のエネルギーを必要とするからです。
花が大地に向かう時、
花ごと落下する椿、花びらをまず散らす桜、茎ごと花を地面につけるパンジー・・・