<Floret>8月の花・向日葵ヒマワリ・芙蓉フヨウ・ガーデニング・花泥棒・礼文島
★川
川で泳いだり、石を投げたり、川魚を手で捕まえたりしたことがありますか?川は、太古から生活や文化、歴史と深い関わりをもち、天地を行き来する壮大な水の循環を担い、沢山の生命を育んでいます。
緩やかに、そして時に暴れながら。
日本には約3万もの川があるそうで、高度経済成長と共に水不足と水質汚染が深刻になった。
一滴一滴の雨が山に降り、川になり、浄水場を経由して配水管を通り、蛇口に届く。
永い永い旅を続けてきた川の水は、人間が使い、また旅に出る。
各家庭からの雑排水が次の川の水質を汚染する。
しかも、日本の下水道普及率は約40%で、残りの60%の家庭で使った水が川や海に流されているのです。(1900年代の終わり頃のこと。今現在は知らない。)
昔はすべてのゴミを川に捨てていたし、精霊流しでは神聖な死者の道でもあった。
そんな故郷の川も遊泳禁止になり、母校にもプールが出来たのは1900年代の終わりのこと。
上水は2000年代になってから通ったが、風呂や台所で使った下水は、今も川に流されるままだ。
父から届く焼いたアマゴは、いつまで釣れるのだろうか?
山を削り、土砂を運び、それらを川底に溜めて平野を作り、ゆっくりと地球の表面を変えてきた「川」。
大切にしたい。と思うのだが、昔のような自然豊かな川に出会うことは少ない。
★花暦「向日葵 ヒマワリ」
孟俊王もこよなく愛し、長さ40里にも渡って植えられました。
孟俊王ほどのことは出来なくても、人々は絵画や詩歌などに芙蓉への思いを残してきました。
薄紅色と白の芙蓉が一対で描かれた李迪の「紅白芙蓉図」は、宋代の花鳥画、明代の呂紀も「四季花鳥図」で芙蓉を描いています。(どちらも、東京国立博物館所蔵)。
日本でも、「四季草花図」「四季花鳥図」などの画題に多く取り上げられ、京都・智積院の長谷川等伯と久蔵親子の襖絵は、特に有名です。
芙蓉には、一日のうちで色を変える「酔芙蓉」もあります。
酒に酔い頬を染める楊貴妃の美しさを例えたとも言われています。
芙蓉は、一日で萎んでしまう儚さと、一日一日新しい花を咲かせ続ける力強さの両方を感じさせてくれる花です。
それが嫌で、そこに4年前から株元の小さな土のスペースに花を植え始めた。
1年目は20本のトウカエデの下に植えたが、雑草と同じ運命で薬にやられて枯死。
2年目は、家に近い6本の木の下だけに花を植え、他は草取りを繰り返した。
それ以後、除草剤は撒かれなくなったが、花泥棒が現れた。
植えても植えても花がなくなるではないか。
もう諦めようと思っていた時、買物帰りのおばあさんが声をかけてきた。
「いつも楽しみにしているんですよ。」と。
それはそれは、嬉しかったので続けた。がしかし、その後も花は株ごと盗まれ続けた。
今年、花泥棒を目撃した。
40〜50歳位の女性二人が車を止め、花を半透明のレジ袋にすごいスピードで押し込んだ。
植えて間もない花だった。
現場には指の跡と穴。
唖然とし、長年の怒りも。
怒りは毛を持ったボリジと巨大な葉のグレートマレインで表した。
マレインは2mを超え花を付けた。
今のところ、花泥棒は現れない。
★ガーデニング「真夏の暑さから花を守る。」
猛暑の8月。弱りがちな植物のためには、水やり、草取り、日除け、支柱立て等、熱帯夜の睡眠不足や夏休みの長期外泊も禁物の忙しい日々です。
来年の春に花を楽しむパンジーやデージー等は、8〜9月に種子を蒔きますが、高温で育ちにくいので、箱蒔きにし、雨が当たらない風通しのよい所で管理します。
初夏から咲いているサルビアやマリーゴールド等は、8月中旬までに各茎に葉を4〜6枚ほど残して切り戻すと、9月中旬以降に立派な花をつけます。
ミニトマトやナスなども同様にして収穫出来ます。
観葉植物は、混んだり伸び過ぎた枝葉を間引き、スタンダード仕立てのものは形を整える剪定をこまめに行なう適期です。
バラも一般的には8月下旬に切り戻します。
しかし、花を楽しむ花木の多くは花芽を形成する時期ですので剪定は控えます。
8月も引き続き水やりが大変で大切な月です。
時々葉の裏にも散水すると、暑さや乾燥、害虫駆除にも効果があります。ま
た、乾燥が激しい時には、朝と夕方の二回の水やりも必要です。
留守中に鉢物をダメにしてしまった経験はありませんか?
夏に閉め切った状態の室内は、かなりの高温になります。
庭がある場合は、日陰に鉢ごと埋め、たっぷりと水をやり、株元には草やワラなどを敷いて乾燥を防ぎます。
ベランダなどの場合は、鉢が入る容器の中に入れ、湿らせた新聞紙や布の上に鉢を乗せ、日陰に置きます。屋外に出せない場合は、できるだけ涼しい場所に置いて外出しましょう。
真夏の庭には、ヒマワリ、キバナコスモス、クレオメ、トレニア、ハナスベリヒユ、ファリナセア、一寸サルスベリ・・・
みんな元気に8月を咲き続けて欲しい。台風の到来も間近か。
★in the season「トマト」
雨と雨の間に時折顔を覗かせていた太陽が、「私が主役」とばかりに輝き始めれば、いよいよ夏本番。植物にとってこの上ない太陽の光をいっぱいに受け、野菜も美味しくなる季節です。
沢山ある夏野菜の中でもトマトは夏を代表する味ではないでしょうか。
今や一年中手に入りますが、この季節の旬のトマトが最高です。
自分で育て、収穫すれば、その美味しさは、もっともっと格別です。
トマトは南米ペルーの生まれで、江戸時代に日本に伝わった時には観賞用だったといいます。
食用になったのは明治以降のことで、それ以来、食卓に欠かせない存在になりました。
欧米で「トマトが赤くなると医者が青くなる。」と言われてきたように、栄養豊富な野菜です。
特にビタミンA・Cが多く含まれていて、疲れ目や風邪の予防、病後の回復などにも良いとされます。
ビタミンAは、光を感じる機能に効果をもたらし、ビタミンCは免疫力を高める働きがあり、最近はリコピンでも話題です。
トマトは、夏の暑さを乗り切る必需品の一つです。
★海を越えて
最果ての花の島「北海道・礼文島」
羊ヶ丘のクラークさん。ガラスの街、小樽。サハリンが見える稚内。
紫の富良野。
赤い網走。
知床の深い森の緑。
野付半島はこの世の果て。
サケが泳ぐ別海ポントコタン川。
そして、稚内からもう一つ海を越えて香深港から礼文島へ。
礼文島は、200種以上もの高山植物に覆われた花の島。
6月下旬から8月にかけて一斉に花開く。
エーデルワイスで知られたレブンウスユキソウ、
レブンアツモリソウ、レブンコザクラソウなどなど。
人の歩ける道以外には土は見えない。
断崖絶壁にまで花・花・花。
日本最北限のスコトン岬にも立った。
最果ての夕陽。光る海。自分の影。さあ、戻ろう。
旅はいつも刺激的です。
普段の生活から解き放たれて、心に肥料が染み入る。
そして、一気に咲き出す。
陸を遮断する海を越えた時、越えたなら、
そこには必ず新しい風が吹く。