Airbnbを使った投資ビジネス!欲張りなあなたは他人の金儲けの『養分』になるだけかもしれない!
海外で人気のAirbnb
私がAirbnbを知ったのは日本でではなくて外国ででした。自分の部屋や家、あるいはコンドミニアムを貸して収益を得るということで、海外で便利なものが流行っているという印象があり、そのHPを「お気に入り」に入れて時々見ています。
もしかしたら収益目的よりも人との出会いを望んでいる人もいると思います
自分のよく行く国(新興国)でAirbnbを使うと料金や物件はどういうものが出ているのかを探してみるのも楽しいものです。
ああ、このコンドミニアムなら知ってる。
え?そんな値段で出すの?日本人用の値段?高いじゃん!でもコメントには良い印象のコメントが並んでいるので、やっぱり対価に満足しているのですかねぇ。
ところで、これらを運営する場合、部屋の管理運営の実務は誰がどうやってやっているのだろうか?当然そういう疑問が出ます。
特に新興国でこれをビジネスとしてやるには、事前に当局に届け出る義務があるでしょう。納税番号がある人間かどうか、あるいは営業許可証とかがなければならないケースが出てくると思いますがどうなんでしょうか。
新興国ですと、おそらく空港まで迎えに行く必要があるでしょう。運転手が必要です。部屋に着いたら鍵を渡し、部屋を使用するに際しての「規則 約束事」の書かれた書類に合意署名を取り付けるでしょう。パスポートのコピーなども取るでしょう。お金の受け渡しはAirbnbからホストの国の通貨で振り込まれるらしいですが、ホストが現地にいれば使用人(運転手や清掃係りなど)に給与を支払えますが、ホストが母国にいながらこのビジネスをやると、結局現地の誰かに頼ることになります。
その管理を任せた現地の誰かが信用できるかどうかがきわめて重要になります。
お金に関わることはトラブルになることが多いです。あと、部屋を出て行ったあとの清掃のレベルにも日本人が考えるものとは違うものがあるでしょう。
思っているよりも簡単な事ではなさそうです。
しかしまあ、世界的にはよく使われているようです。
Airbnb日本に需要はあるが、、、
ところで、このAirbnbが日本で流行ると見込んで動きまくっている業者がいます。その理由は実にわかりやすいです。
日本は観光誘致策を取っていますし、2020年の東京五輪にはたくさん人がやってくるでしょう。その時に、というか今から五輪までの間に来日するであろうと予想される外国人観光客の数に対して、それを受け入れるだけの宿泊所数が圧倒的に足りないのが現状です。
そういう現状と、Airbnbという海外発祥の素人でもホストになれるというところに目をつけたのが日本のAirbnb業者でしょうか。(「いけるでえええ!」と鼻息が荒いようです。)
このような状況から察するに、なるほど海外からの需要はありそうです。
法的な問題もありグレーゾンーンか
しかしながら、法的な部分はどうでしょうか。日本には旅館業法というのがあります。これとの絡みから、俗に言う「民泊」についても規定が作られている地区や都市が出始めています。
しかし、7日最低でも滞在という条件を付けるなど、観光客の動きとは乖離が生じるような条件をつけている都市(大阪の例)もあり、十分とは言えない状況です。
いわゆるグレーゾーンであるうちにそのビジネスを好機と捉えるのは、ある意味チャンスを大きくものにするには必要なことかもしれませんが、問題は旅館業法の面だけではないのです。
トラブルは必至かも
ネットで紹介されている業者の勧誘サイト的なものを見ますと疑問が起きます。まず、「空き家空室となっている物件を借りて、それを宿泊客に提供することで料金を取るわけです。それを単発ではなくて継続して行うことで、通常の家賃の何倍もの収益が見込める」と言うわけです。
このカッコ書きのところは、旅館業法に反しますと同時に、賃貸契約における「又貸し禁止」条項に違反しますので、まさに違反だらけです。
大家が又貸しを気づかれるまではやってもいいというわけではありません。そのような事が判明すれば、即刻賃貸契約打ち切りとなるでしょう。
普通に考えてみてください。外国人が外国語でしゃべりながら、スーツケースをゴロゴロさせて頻繁にマンションに出入りし始めたら、近隣の人は何が起きているだろうと不安になって大家に聞くでしょう。あるいは管理組合に聞くでしょう。
日本人の特性の一つだと思いますが、個人の所有という意識(「ここからここまではおいらのもの」みたいな意識)が強いので、部屋をシェアするという意識はまだまだ低いと思います。ましてやいくら空室を利用すると言われても、自分以外の人間にも利益が流れるのかと思えば、「人のふんどしで相撲を取る」かという印象を持つのは当たり前でしょう。
となりますと、大家の承認が取れる、あるいはマンション管理組合の承認を取ることだけでも大変なことだと想像がつくでしょう。ここをクリアしないと次に進めないのです。
一戸建ての空き部屋を宿泊所にするなら、又貸し条項の部分はクリアですがその他はクリアにならないと思いますがどうでしょうか?
「何もしなくていい」けど金だけは支払うことになる
仮に大家の了承や管理組合の了承が得られたとして、果たして商売として成り立つのだろうか?ここで考えるのは、又貸ししてAirbnbをあなたがやった場合、どうかという話です。
誤解なきようお願いしますが、Airbnb自体はすばらしいことなのですよ。それをビジネスチャンスとして捉えた時に、そのビジネスモデルで問題ないですか?という事です。
例えばこう言うことを言う業者があります。「すべての管理(Airbnbへの登録、内装、家具、清掃、鍵などなど)を代行しますから、あなたは何もしなくていいのです」と。
俗に世間で言うところのいわゆる『全部投げ方式』というやつです。
全部丸投げ方式とは業者に都合よくできているという大前提があります。次に大家に損をさせないという絶対条件があります。あなたが稼げるかどうかは業者から見たら優先順位はもっと後ろ、さらに言えば「自己責任ですから」「客がつくかどうかこればかりはわかりませんから」という言葉で捨てられるということを、即時に認識しなければならないでしょう。
よく考えてくださいよ。すでにこれまでに空き家や空室になって客がつかない物件ですから、なにかあるわけですね。内装が良くないけれど、大家にカネがないからできないでいるとか。修繕部分があってもカネがないからできないでいるとか。場所が良くないだとか。
それが原因でおそらく今までも客が付いていないのでしょう。そういう物件をあなたが借りてAirbnbをやるという意味です。
内装、家具類、『全部丸投げ方式』はすべてあなたが支払うんだよ
さてさて、さらに重要部分に入り込みましょう。通常ならば、物件の修繕は当然に大家がやるべきことですね。
ここにAirbnbが絡むと、ある問題が突然解決されることになります。
それは何でしょうか?これからそれを話しましょう。
業者にもよりますが、「又貸し」する物件の修繕内装改築、床修繕は、誰がするのかと言いますと、実はあなたがするようになっている場合があるのです。全部丸投げの料金に入っている場合があるのです。はい、本来は大家がすべきところを業者が大家を説得する際に話し合ったのでしょうねえ、「又貸し先に修繕させますから」とかなんとか言ってるかも。
東京や大阪で25平米のワンルームであれば10万円くらいの家賃はするでしょうか。
ワンルームであろうが2LDKであろうが、おそらく一律にまとまった資金を丸投げ方式を使う際には払うことになると思います。その金額は業者によるでしょうが、だいたい50万円くらいになると思います。もしかしたらもっと大きな金額かもしれませんし、もっと少なくてすむかもしれません。
この部分は多分説明しないでしょう。はじめは。
これで終わりじゃないですね。賃貸契約をしますと、最初に通常敷金と礼金を支払う習慣があります。それに1ヶ月分の家賃、仲介手数料1ヶ月、信用保証会社への委託手数料(10%〜30%くらいですが、まるまる100%つまり1ヶ月分の業者もいます)を支払うことになります。敷金1ヶ月、礼金2ヶ月としても、最低でも5ヶ月分以上はかかります。家賃10万円ならば50-60万円はかかると言う事です。
それはもちろんあなたが支払うお金です。ということは一つの物件をすべてお任せの全部丸投げでやれば、いきなりはじめから100万円出費覚悟という話です。
「不労所得」という言葉に弱いあなた
つまりあなたがAirbnbを取り組むと、業者は丸投げですから、こんなことを考えたくはありませんが、悪い言い方をすれば、内訳をどうでもごまかせますので、けっこう懐は潤いますね。大家は資金が無くて空家や空室にせざるを得なかったのに、又貸しする契約をすることで、内装や修繕をしてもらった上に家賃が入る(最低2年契約でしょう)わけです。他人のふんどしで相撲を取られても背に腹は代えられないってことでがす。上述のある問題が解決されるとは以上の事です。
さて、こうなると誰が最後のお尻ふきにまわるのでしょうか?
わかりますね。あなたですよ。
さっき書きましたように、あなたの優先順位は低いのです。しかしあなたがお金を出す気になるにはどうしたら良いか商売人なら考えますよ。
全部自分一人でできれば金は大してかからないし、隣近所がお知り合いなら事情を説明して上手く管理すればできるでしょう。
ところが、地方に住んでいる人間が東京大阪の物件を管理はできません。
そこで『全部丸投げ』にしてもらえればあなたの代わりにすべてこちらがやりますよ!
という話になります。
たぶん、あなたはもともと面倒くさい事がいやなタイプ。そのくせお金だけは欲しい欲の皮が突っ張った人なんでがでしょう。これまでにもいろいろ手を出して失敗をしてきた。
でも「不労所得」という言葉に底はかとない魅力を感じ取り憑かれています。
「印税的な収入」という言葉に敏感に反応してしまう自分がいます。何もしないでは、あまりに未練が残って仕方がありません。
そんな人がこの丸投げ方式を選ぶんでがしょう。
あなたのお金が大家の空室対策と業者の儲けのための「養分」になる仕組み
物件の修理や家具類のお金を全部吐き出し、敷金礼金などなどで100万円以上つぎ込んだあなたは、「何もしなくてもお金が入る」という一言をお経のように唱えているでしょう。果たしてそうなるでしょうか?
一ヶ月10万円であなたは物件を借りました。毎月待った無しで支払いが始まります。
Airbnbでいくら売り上げると利益が出るのでしょうか?
ちなみに毎月の管理費用として売り上げの25-30%は文句無しに業者に支払うことになるでしょう。
もし1ヶ月の売り上げが10万円だったら、家賃を支払いそれでゼロ。管理費用は30%とすれば3万円支払いますのでこの分はマイナスです。
売り上げが10万円になるには一泊いくらで何日稼働ですか?それも物件によるでしょう。
3ヶ月分売り上げがあったとすると30万円です。これですと1日1万円で30日フル稼働ですね。
そんな上手い調子にいくでしょうか?ちなみに今のパターンでも初年度は赤字です。
複数の物件を持てばいいでしょうか?
しかしその度ごとに50万円近い資金と敷金礼金云々を支払わなければなりません。
要するに仕組みは変わりません。
広くて多人数を宿泊させなければ利益を出すのは難しいでしょう。
少なくとも、黙っていても毎月50万円とか100万円の利益が出ることは「?????」と思いますが、どうでがしょうねえ。
「不労所得」や「何もしなくてもお金だけがざくざく入る」という言葉に弱いあなた、計算してみましたか?
わたしゃ思うのですよ。
Airbnbはたしかに便利で安いと思うのですが、それを活用するビジネスモデルは、今のところ空家や空室でお悩みの大家さんの対策と業者の儲けにはなっていきますが、それに資金を出して利益を出したい欲の皮の突っ張った人は、残念ながら養分にしかならないのではないかと。
まあ養分になるのも欲張ったツケだと思う人もいるでしょうねえ、へへへ。
わたしゃ、こういうビジネスが健全に取り組まれる事を切に願っているのであります。