崩壊寸前の大企業が続々・・・「超日本的企業」の実態とは 初の外国人取締役が物申す

著者:
投稿日:
更新日:

三菱重工業は2012年に、一橋大学大学院商学研究科教授のクリスティーナ・アメージャン氏を初の外国人社外取締役として招いた。長年にわたって日本企業の経営について研究してきたアメージャン氏は、三菱重工を意思決定の遅い「スーパー・ジャパニーズ・カンパニー(超日本的企業)」と断じ、社内の改革を厳しく監督してきた。その三菱重工に少しずつ変化がみられ始めたという

社外取締役を引き受けた時に、大宮英明会長などから「ぜひ三菱重工に来てほしい」と強く請われたと聞いた。なぜ、引き受けたのか

アメージャン:最初に社外取締役に就任する話が来たとき、絶対に受けないと考えていました。建前だけで社外取締役に招かれ、ただの「お飾り」になってしまうのが嫌だったからです。三菱重工業のイメージは意思決定が遅く、経営が内向きな「スーパー・ジャパニーズ・カンパニー(超日本的企業)」でした。社外取締役のオファーについて、日本人の恩師などにも相談しましたが、皆「やめたほうがいい」と助言をくれました。「三菱重工よりももっと改革に取り組んでいる会社があるから」という理由でした。

 そこで、どのような会社かを判断するため、三菱重工の経営陣に対する講演を引き受けたのです。厳しい話をして、どのような反応をするか見るつもりでした。高齢の経営陣が多いうえ、頭が固いのでグローバル経営では意思決定が遅い。そうした経営の負の面を指摘しました。講演の後、大宮英明会長(当時は社長)と佃和夫相談役(当時は会長)がすぐに反応して、講演の内容を真摯に受け止めてくれました。経営陣の姿勢から三菱重工が変わる可能性を感じ、「1年やってダメだったら辞めよう」という気持ちで引き受けることにしたのです。

出典:「超日本的企業」の実態とは:日経ビジネスオンライン

	

取締役会ではどのような課題を指摘しているのか。

アメージャン:取締役で私は「Who is accountable?(誰の責任なの?)」と言って、責任の所在を厳しく問い詰めています。例えば、「検討します」という返事。何を、何時までに、誰の責任で検討するのか。あいまいさでごまかさないように追求するのが私の役目だと考えています。


 ただ、社内の暗黙知があるので説明が足りず、会議に参加していても話の内容がよく分らないことがありました。例えば、経営陣にはエンジニア出身者が多く、会議に分厚い資料を持ってきて製品の技術論ばかりを話していました。私が聞いてもよく分らない内容です。本来、取締役会に必要な戦略的な話ではありませんでした。


 こうした会議の様子は宮永俊一社長が変えてきました。まずは4つのドメイン制に移行したことで、取締役会への参加者が減り、話し合いがスムーズになりました。そして、宮永社長が経営陣に「分厚い技術資料などは必要ないので、企業戦略や新規投資の話をしましょう」と説明して会議の質を変えてきたのです。

出典:「超日本的企業」の実態とは:日経ビジネスオンライン

	

「超日本的企業」の実態とは:日経ビジネスオンライン

トヨタの米国工場経営―チーム文化とアメリカ人 アメリカ人従業員は日本的経営をどのように受け止めたか。 「チーム」 を鍵概念に、詳細な面接調査に基づき公平 ・公正な視点からトヨタシステムの移植と変容の実態に迫る 

	

「決断できない」というまさに「日本的経営の負の側面」がいまだに跋扈していることを明確に示してくれた。
もう日本企業じゃないのだから、いい加減に目を覚ませ。

	

終身雇用、年功序列であるが故、ポジションをいかに増産してあてがうか。多くの日本企業がやってる日本的経営の特徴の話だと想像します。外科手術は外からやらないと残念ながらできない。ただ、外科手術の後は、...

	

めちゃくちゃ楽しみです。

”あれほど世界が礼賛した「日本的経営」がいかに人間をダメにしているか、という哀しい現実” はともても気になります。

いずれにせよ、理論をとことん鍛え、現場力と事業運営...

	




著者プロフィール
Sharetube