意味がわかると怖い話まとめ 【解説あり】④

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窒息死

			
何年も前の話だけど学校の帰り道、友人と歩いていておかしな相談を受けた。

使ってるPCの画面の向こうに映ってる自分が、ものすごいにやけた顔でこちらに手をふってくるんだがどうすればいいというものだった。

こいつ冗談いってんのか?と思ったがその友人の話してる顔がやけに真剣だったので、「こっちからも手を振り返せばいいんじゃね?」と、適当に答えた。

その三日後、そいつは亡くなった。

死んだ友人が言うには、手を振り返したら、むこうの自分は手を振るのをやめ、今度は笑いながら手で何かをつかむ動作をはじめたんだって。

そしたらなんか息が苦しくなって窒息して死んじゃったんだとさ

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解説

死んだ友達と会話をしている。

ピエロ

			
何処で聞いたか忘れたんだが…

なんか最近東京都のS区で不審者が多くなったらしいんだ。しかもそいつらに共通点があって、

ルックスがピエロみたいで髪赤いらしいんだよな。

どうもおかしくないか?よりによって赤髪って…wそいつらなんなんだろ?

脳天気なやつらだよなw

嘘と思うかも知れないけどさw

悪いなスレチでw

最低だな俺www

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解説

一文字目を縦読みすると、「ドナルドのうわさ」になる。

マクドナルドが増えたと言いたいのだろうか?

かくれんぼ

			
A、B、C、D四人の仲良し小学生がいたそうな

何をするにも四人一緒で、凄く仲良しだった

ある日、Aが言った。

「皆が帰ったあと、学校でかくれんぼしないか?」

勿論仲良し四人組。誰も拒否せずその日の夕方、閉じられた校門を飛び越え学校に侵入した

Aが便所の窓の鍵を開けておいたので、侵入は容易い。校舎に入ったあと、早速じゃんけんで鬼を決めた

数回のあいこのあと、Cが鬼になった

校舎は広いもんで、鬼は60秒数えることになった。その間にABDは逃げて隠れる


で、誰も居ない校舎。勿論教室なんて開いてない。だから必然的に探す場所は限られる

Cはいとも容易く三階便所の掃除用具入れに隠れてたAを、三階と屋上を繋ぐ階段の踊り場に隠れてたBを発見

最後のDは三人で探すことにした

が、全く見つからない。一階から三階まで、何度も見回した。それでも見つからない

A「あいつ、飽きて途中で帰っちゃったんだよ、きっと。俺たちも帰ろうぜ」

どれだけ探しても見つからない。Aの言う通りだと、三人はそれぞれ家に帰った

次の日。学校へ行ったABCは、Dが死んでいたことを知らされる

場所はコンピュータールーム。そこで首をつって死んでいたらしい

警察は他殺の線で捜査を始めたそうな

理由は簡単。届かないから。天井に。


で、死んだDの目の前のパソコンのモニタにはこう記されていたらしい。

「うしろからやられた」

おかしい。Dが打てる筈はない

首をつった状態であれば、手どころか足すらもキーボードには届かないからだ

首をつられる前にそんな冗談を打つとも思えない

だったら、誰が?

……Dを殺した犯人?なぜ、こんな身元がバレるかもしれないことをするのか?


ABCの三人は恐怖に陥っていた

それ以降大した手がかりも出てこず、8年が経った。当時12歳。今では立派な成人

成人式の集まりの際ABCは久しぶりに顔を合わせ、三人で呑み耽った

A「もう一度、学校へ行かないか?今度は夕方じゃなくて、昼に」

何で昼なのか?Cは尋ねた

A「嫌だよ。もう、夕方とか夜とかの学校なんか行きたくない」

Aは半泣きだった。

それでも、学校へは行きたいらしい。ある意味ではDを死なせたのはAだったから

他の二人も同じ気持ちだったから、Aの提案を了承してすぐに学校へ行った。

8年前から馴染みだった教師が居たこともあって、至極すんなりと授業中の校舎へ入ることができた

あの日以来コンピュータールームは閉鎖されているものの、校舎の中は当時のままだった

何気なく授業中の教室を覗いて回る。6―1。四人のクラスを覗いた時、Bが驚きを声にだした

B「Dがいる!」

授業を受けていた。死んだ日の服装そのままで。授業が終わって休み時間になった時、三人はDに声をかけた

Dは本当にDだった。当時校舎に忍び込んだことも、覚えてるし、一度死んだことも覚えている。そう言った

A「じゃあ、何で当時の格好そのままで生きてるの?」

知りたい?Dが勿体ぶる

B「うん。教えてくれ」

じゃあ、ついてきて。

三人はDの後ろについて行った


数日後、閉鎖されたコンピュータールームから腐臭がすると苦情が入った

用務員が鍵を開ける。目に入ってきたのは、首をつった三人の「少年」。ABCだった。

彼らはDと全く同じ場所で死んでいた。目の前のパソコンのモニタにはこう記されていた



「うしろからやられた」

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解説

「後ろから犯された」という意味。ショックで自殺してしまったようだ。

ピカチュウ

			
ピカチュウ「ピッピカチュウ!(歩くの疲れたw)」


サトシ「ん、ピカチュウどした?」


ピカチュウ「ピピカー!(だからー、歩くの疲れた)」


タケシ「疲れたのか?じゃここらで休憩するか。」


ピカチュウ「ピカチュw(タケシwwww)」


サトシ「そうだな。よし、ピカチュウ、次のジム戦の特訓に行こうぜ!」


ピカチュウ「お前タケシの話聞いてなかっただろ(ピピカチュウ)」

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解説

ピカチュウが最後、言葉を話している。

母ちゃん

			
俺が小さい頃の話だ。

ガキの俺は車のおもちゃで遊んでると母ちゃんがいそいそと身支度をしててな。


俺はどっか行くもんだと思って

「ぼくもいきたいー」

なんて駄々こねたな。

母ちゃんはそんな俺を見て笑って

「○○ちゃんにはまだ早いわよ」って 頭を撫でてくれた。


言ってる意味はわかんなかったが頭を優しく撫でられると何も言えなくてな。


「ぼく、おりこうにしてる!」


なんて 言ってたのを未だに覚えてるよ。

あと鮮明に覚えてるのは

母ちゃんの笑顔と


「またね」


という言葉も覚えてる。


そうそう、あともう一つ覚えてるのがある。


昭和○○年10月13日午後4時38分○○佐知代 投身自殺により死亡。

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解説

お母さんは、自殺してしまったようだ。

霊感のある男

			
ある所に男がいた。

彼は霊感が強く、所謂「見える」人だった。


ある日彼は3ヶ月ほど留守にしていた家に帰ってきた。

リビングに入った途端、信じられないほどの喉の渇きを覚え、冷蔵庫の中にあったパック入り牛乳を一気に飲み干した。


最後の一滴を飲み込んだ後、彼は恐怖し、絶望した。

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解説

3カ月以上前の牛乳を、一滴残らず飲み干してしまった。

ラグビー練

			
昨日は退屈な1日だった

日が昇る頃に友達からメールが来たっけ

かなり手の込んだ怖い話で

ラリった親父に追われる話…

誰かに教えたい程怖いのよ!

かなり怖くて夜に外歩けねぇ(笑)

ニコニコしたオジサンでも疑うね

つけて来るんじゃ無いかって…。

けっこう俺ビビリなんだ…。

ラグビー習っといたら良かった(笑)

レディース主義者がラグビーって(笑)

テープに録音したこの話

ルックスもイケてない男の独り言でした

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解説

一文字目を縦読みすると、「昨日から誰かにつけられている」。

助けを求めているのかもしれない。

寂しがり屋の猫

			
しょうもない話になっちゃうんですけど

前に俺以外の家族全員が父親の実家に帰省しに行ってた時あった

俺は学校のテスト期間だったし家の猫の世話もあったから

地元にいたわけ

といっても自分は結構ビビリ

夜に猫の餌置いたらすぐにサーっと二階の俺の部屋に入って

寝ちゃおうと階段登ろうとしたら

猫も寂しいのか擦り寄ってきてさ

こっちも怖いから部屋に連れてったわけ

んで、猫と部屋一緒で寝たんだけど

夜頃になんか猫が俺を起こしてくんの

夜に起こすなよ、怖いなー、って思うけど

切羽詰ったみたいに鳴いてくるから

部屋の扉開けて外に出すと一目散に階段駆け下りるのね

で、階段すぐ下に猫のトイレあるんだけど、そこでウンコしてんの

あー、トイレいきかったんだー、って空になった餌入れながら

猫見ててふと思ったわけ

あいつ俺の部屋の扉を自分で開けれないから

俺が起きなかったら部屋でウンコしてたわけじゃん

寝て起きて枕元にウンコあったら怖いよな

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解説

餌が無くなっている。

誕生日

			
7年ぐらい前に婆ちゃんが亡くなったんだが

婆ちゃんが亡くなって最初の俺の誕生日の時のこと

パソコンしてたら何か後ろに気配を感じたんだ

振り返ると見えないけど何かがいるんだ

なんていうか何かのシルエットがいる感じ

目には映らないけど、婆ちゃんだとすぐに分かった

何をするでもなくずっとそこにいたんだが、

今でもあれは最後の誕生日のお祝いに来てくれたんだと思っている

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解説

「最後の誕生日」だとすると、語り手はもう死んでる。

本当は、「最後に誕生日のお祝い」と書きたかったのに、書き間違えただけだとすると、普通に心霊系の良い話。

鬼「今から3つある地獄のどれかを選ばせてやろう

代わりの人間が来るまで

一生苦しむ事になる」

針のむしろの上に男が正座している地獄

非常に熱そうなかまゆで風呂で男がもがいている地獄

汚らしい男がチンポを非常に綺麗な女性にフェラされている地獄

当然僕は最後の地獄を選び、そして絶望した。

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解説

1、その様子を見せ付けられる地獄であり自分がされるわけじゃない。

2、交代は女性と。つまり、汚らしい男のチンポをくわえる役になる。

このどちらか。

殺人事件

			
A「なぁ、最近ここら辺で事件があったんだろ?」

B「ああ、少女殺人事件か」

A「そうそう。あれさ、まだ犯人も凶器も殺害方法も見つかってないんだよな?」

B「らしいな。早く捕まる事を祈るだけだよ。今の日本は一人で夜道を歩く事すらかなわん。」

A「だなぁ。しかし、たーだ歩いてただけなのにいきなり後ろからバットで殴られて殺されるなんて、本当あの子可哀相だよ。」

B「全くだ。今の日本は狂ってやがるな。」

A「犯罪者が堂々とのさばってるってんだからな。警察も駄目駄目だなぁ。」

B「うむ。そうだ、ちょっとお腹空かないか?ラーメンでも食べていこう」

A「おう。あそこのラーメン、コショウかけない方が旨いんだ」

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解説

凶器も殺害方法もわかってないのに、Aは殺害方法も凶器もわかってる。つまり、Aが犯人。

とある大学の研究室で二つの実験がおこなわれた。

一つは「人間は硬く禁止された行為はやってみたくなる。」

という実験だ

とある男を密室に一人にして~絶対押すな~と書かれたボタンを部屋に置き何時間も待った。

男は耐えきれず押してしまった。

もう一つの実験は「双子は全く隔離された部屋でも互いの感覚がシンクロする」という実験。

双子の片方の姉に電気ショックを加えた、すると別のとこにいた妹も同じ部分を痛がった。

実験は成功した、ある一人の生徒が先生に質問した。

「一つめの実験の男も双子ですか?」

先生は男のプロフィールを調べた。

なんと男には双子の兄がいて、その兄は国防大臣だった。

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解説

国防大臣…それは、ミサイルのスイッチだった。

大きな穴

			
とある国に大きな穴があった

人々は特に気にせず柵をつくるだけで手は何も加えなかった

ある日柵を修理しようとした人たちの1人がその穴に落ちた

その人が戻ってくることはなく、人々は穴にその人の好きだった本を投げ込み供養した

何十年という歳月が流れいつしか穴はゴミ捨て場になっていった

何せ底がつきず何でも入るから便利なものである

穴は暗殺された要人や政治的な証拠品の処理にも利用された

ついには新しい兵器が開発されるたびに古くなった核弾頭や細菌兵器が、投げ込まれるようにもなった

それから少し経った日の事である

空から物が降ってくるという不思議な事態が起きた

落ちてくるのは、古めかしい服を着た白骨死体、古びた本、ゴミ・・・

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解説

核弾頭や細菌兵器も空から降ってくる。

元ネタは、星新一さんの小説「おーいでてこーい」。

本物の心霊スポット

			
友人から最後のメール


今、心霊スポットに向かってるんだが

詳しい場所を聞いた婆さんが

『あそこはイダズが出るからやめろ』

って言うんだ(笑)


いよいよ本物のスポットかもな

またメールする

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解説

イダズというのは、熊のことらしい。

開けて

			
その日俺は部屋で勉強していた

母親は出かけていて夜まで帰ってこない

しかし夕方ごろ俺のドアの前に誰か来た

まだ早いはずだが


「ちょっと、A、開けてくれない?」


母の声だ しかし今は面倒なのでこう言った


「やだよ 下にでも行ってろよ」


「何で、ちょっと、開けてくれるだけでいいのよ」


「嫌だって言ってるだろ」


「・・・・・チッ」


「・・・・・?」


その直後電話が鳴った


「あ、A? もうすぐ帰るから」


え・・・・・?

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解説

電話は母親からだった。

お前は誰だ?

			
家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい

鏡に映った自分を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください

いえ、お化けとか幽霊だとかそういう類のモノでは無いんです

鏡に映った自分の眼を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください


何か不安感というか、奇妙な感覚に囚われるかと思います


大戦中 ナチスがユダヤ人に行なった実験に

人格をコントロールするという名目で

一日数回 被験者を鏡の前に立たせて、鏡の向こうの自分に話し掛けさせ

(例えば『お前は誰だ』とか言わせ)精神の変化を観察記録していったそうな。

実験開始後

10日間経過したころには異変がみられ始めた。

判断力が鈍り

物事が正確に把握できなくなり、そして3ヶ月経った頃にはすっかり自我崩壊し

「自分が誰だか分からなく」なって 狂ってしまった。


..というのを以前軍板で見たんですが


当事、好奇心旺盛だった友人(以下 )と僕は

「ウソくせー 試しにやってみようぜ」という事になった


その日、自宅の姿見の自分に向かって「お前は~  とやってみた

夜中、閉めきった部屋だったので不気味極まりないのですが

テンション上がってたので怖くは無かったです

しかしすぐに 気分が悪くなり 吐き気を催し

(僕の顔がキモかったからでは無いです)

やっぱヤバいなと思って私はやめた。


次の日

友人Aに 怖くてちょっとしか出来なかった旨を言うと

「うわ、ダッセー あんなもん怖くもなんもねぇよ」と子馬鹿にされました。

そして二人の間でこの話題はここで終わったのです。


しばらく経って鏡の話など忘れてしまった頃、Aがしばしば学校を休むようになった。

登校している時に 何かあったのかと聞いてみたが

「ん.. 何でもない」と、どこか上の空のような感じでした

それから数日後

夜中 急にAから電話がかかってきた。そして受話するや否やいきなりAが


『俺って オレだよな? 俺って、相田XXX(Aの本名) だよな?』 と変な事を聞いてきた

『な?な?』って 今にも泣きそうな声で聞いてきた


僕が「何おかしな事言ってんだよ、お前は相田XXXだろ」と答えてやると

『そっか...そう だよな。』と

Aは少し落ち着いた様子でこう続けた

『実はさ、あの後も 何度か鏡に向かってやってたんだ。いや、別にナルシストなわけじゃないんだけども

鏡の自分に話し掛けてると不思議と気分が良かったんだ』

『何かどんどん自分が自分じゃ無くなっていく感覚が気持ちいいんだ』


おいおいヤバいだろそれは...

私はすぐに止めるようにAに言ったのですが、

『いいんだ、 いや、大丈夫だから、これでいいんだ だいじょうぶ、いや コレで良いんだ』と

壊れたオーディオみたいに繰り返し、私が「おい!」と言った瞬間電話を切ってしまった。


心配になってもう一度電話をかけてみたがなかなか出ない。

12回コールしたところでやっと出たAは一言こう言った。


  『 お前.. 誰だ? 』


すぐに断線し それから二度と電話は繋がらなかった。

そしてAは全く学校に姿を見せなくなった


後日

全く連絡のつかないのを不安に思ったAの親がAの下宿先に行ったんだが

Aの奴 すっかり頭が狂ってて、親の顔も認識できなくなってて

唖然とする両親を尻目に

ヘラヘラ笑いながら洗面所の鏡に向かって

ずっと話し掛けてたそうな


勿論、鏡に映った自分とである。


その後Aは実家に連れ戻され地方の病院に入院したので

詳しいことは分かりませんが

人づてに聞いた話によると 今では精神状態も大分良くなったそうな

ただ、Aの病室には自分が映る鏡や鏡面の金属製の物は一切置いてないのだと


私もまさか、短時間であんなにおかしくなるのとは思わなかったんですが


件の鏡の実験には続きがあって

ある被験者を普通の鏡だけでなく合わせ鏡で行なったところ、通常の倍の速度で精神に変調が見られたそうだ。


そう、Aの洗面所の鏡は三面鏡だったんです

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解説

語り手も、一人称が「僕」から「私」に変わっている。

もしかすると、語り手も試しているのかもしれない。

心霊スポットへ

			
2人の女がビデオカメラを携えて心霊スポットに入った。

「え?これで撮れてんの?」

「撮れてる撮れてる。」

「今私たちは廃病院に来てまーす!!」

「来てまーす!!」

「やっぱ怖いねー。」

「うん。雰囲気あるよ。」

「ほら、ここ多分手術室だよ。」

「うわっ。マジ怖っ!!無理!!」

このまま1時間ほど廃病院を探索した。

「何も映らなかったねー。」

「うん。このあとどうする?」

「家帰ろっか。うち来る?」

「そうするよ。」

「え?いいの?」

「いいよー。」

「じゃあ行くー。」

2人の女は病院を後にした。

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解説

「家帰ろっか。うち来る?」「そうするよ。」「え?いいの?」

と、3人の会話になってる。

子供の爪切り

			
パチン、パチン


子供の足の爪を切ってあげながらふと思う。


パチン、パチン


安月給だから子供はまだいらないって言ったのになぁ。


パチン、パチン


この子もどんどん大きくなるから着る物とか出費がかさむよな~。


パチン、パチン


また俺の小遣い減らされるみたいだしな~、欲しいゲームソフトがあるんだよな~。


あ、ごめん。深爪しちゃったか。


・・・・・・・・・・・・・・そうか。


パチン、パチン


これで去年の靴も履けるようになった。


ゲームをやるのが楽しみだ。

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解説

去年の靴も履ける…足の指を切り落とした。

ボロアパートの先住者

			
引っ越した先のぼろアパートには、ありがたくない先住者がいた


戦災をのがれて生き残ったという、

古き昭和の面影を残すこの建物にじつにぴったりな、

うらさびしいその存在。

荷物をはこびこむとき、そいつは部屋のすみに座ってうつむいていた。

かべのほうを向いて。まるで無言の抵抗をこころみるように。

こころのなかで、

「ごめんよ。君はもうこの世界の住人じゃないんだよ」

と、手をあわせながら作業をすすめた。


帰るといつもそいつは部屋にいた。

かべのほうを向いて、かなしそうにしていた。

寝るときもそいつは部屋のすみっこにいて、べつになにか悪さをするわけでもなかった。

もしかしたら、部屋にいくらか残ったままだった、

そいつのものと思われる遺留品が心残りで、成仏できないのかもしれない。

残念だが、捨てさせてもらったよ。ちゃんとお寺で供養までしたんだよ。

しかし、そいつはくぐもった声で、

「ここはおれの部屋だ」

とくりかえし言うだけ。


「君はここにいちゃいけないんだ。君の帰るべき家は、」

と説いて、窓の外、空の向こうを指差すと、そいつは肩をゆらして泣きじゃくった。

そのとき、ハッとこころあたりがして、

引き戸をあけて廊下へとびだし、すすけた部屋番号の木札を見た。


部屋をまちがえてた。


ゴメン。ほんとにゴメン。なんてあやまったらいいのか。

すてちゃったよ、君のもの。どうしよう。

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解説

生きてる人だった。

7年

			
僕が産まれてから、どれくらいここにいるだろうか。

数えてみると今日で丁度7年だ。

ここもかなり暑くなってきたし、そろそろ出てもいいだろう。

耳をすましてみる。

みんな外へ出てるみたいだ。

よし、僕も外へ行くよ。

僕は外への道を歩き始める。

『コツン…』

あれ?おかしいな…壁がある…。

…会話が壁越しに聞こえてくる。

耳をすましてみる。

「ママ~、ここのみちキレイになってるね~」

「そうね、前はアスファルトじゃなくてボコボコした道だったものね」

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解説

セミ目線の話。

続きページ。

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著者プロフィール
Sharetube