意味がわかると怖い話まとめ 【解説あり】⑤

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海沿いの道

			
外国のお話。

ある男が2人、車で海岸沿いの道を走っていた。

初夏の肌寒い日だったので海に入っている人こそ少なかったものの、それでも家族連れやアベックなど老若男女で浜辺はそれなりの賑わいを見せていた。

どうといったことのない平凡な風景。しかし運転席の男はその光景にかすかな違和感を覚えてもいた。

やがて海岸が見えなくなった頃、助手席の男が口を開いた。

「気付いたか?」

先ほどまでの陽気な口調とは異なり、その面もちはいくぶんこわばっている。

「海岸にいた連中、みんな海の方を見ていなかった。立っている者も座っている者も、全員海に背を向けていたんだ」

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解説

全員、こっちを見ていた。

保護

			
平成19年7月2日、I県M市で幼い3兄妹が保護された。

父親は行方不明、母親S.H(無職24才)は市内のパチンコ店にいる所を逮捕された。

S.Hは約一ヶ月前から自宅に帰っておらず、知人宅を渡り歩いていた。

調べに対し女手一つで4人の子供を育てるのがわずわらしくなったと供述。

兄妹たちは家にあるものを食べて何とか生き延びていたらしい。

栄養失調ではあるが、命に別状はない様子。

ここ数年顕在化した育児放棄は社会問題になりつつある。

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解説

子供が一人、どこかへ消えてしまった。

引きこもり

			
いやぁ、引きこもりやってると感覚が鋭くなるっていうのは本当だね。

俺も人の気配や音に敏感になっちゃって毎日ビクビクしながら暮らしてる

ドアの前で立ち話しているおばさん連中の話なんてもう最悪。

俺が引きこもってることでお前らに迷惑かけたかよ?全部聞こえてるだよ。

あぁもう1002号室では痴話ゲンカしてるし、2206号室のやつはドアを開け閉めがうるさいの

504はこんなに時間に洗濯機かけんなばかばかばかばか

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解説

部屋の音の違いを聞き分けられないと思われるため、おそらく盗聴している。

帰宅が遅くなる

			
あ~…マズいな…こんな時間になっちまった。

最近残業続きで帰りが遅いから、アイツすねてるんだよな…。

今日こそ早く帰るって言ったものの、結局この時間だ。

また明日まで口きいてくれなくなるかもな…はぁ…。


あれ、電気消えてる。今日は不貞寝か。えぇと鍵…鍵、と。

ただいま……やっぱり。この暑いのにすっぽりと布団かぶって…。

おい、遅くなってごめんな、すねないでくれよ。

お詫びにケーキ買って来たんだ、一緒に食べよう。コンビニのだけどさ。

ホラ、起こしてやるからこっちおいで。


カチャカチャ、ガチャッ!

「ただいま~!あなた、ごめんなさいね。急に友達から食事に誘われて…」

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解説

布団にいるのは誰だ?

元カノと再会

			
彼女とショッピングで街を歩いていたら

前から小さな女の子の手を引いた女性が歩いてきた


近づいてきてそれが誰だか気づいた・・・

俺が3年前まで付き合ってた女だ、そして今思えば酷い振り方をして別れた

元カノは俺にニッコリ微笑んで会釈してきたので

彼女が「誰?」と怪訝そうな顔をする

俺は咄嗟に「前ウチの会社にいた○○さんだよ、いやあ久しぶりだねえ」と言った(これは嘘じゃない)

彼女は「そうなんですか、こんにちは」と言って気を利かせたのか

「ちょっとあそこの洋服見てくるね」と言ってその場を離れた


俺 「やあ・・・久しぶりだね、結婚したんだ・・・」

元カノ 「ええ、貴方に振られちゃったから、一年前にね・・・こんな私でも良いって言ってくれる人がいたのよ」

俺 「こんな私なんて言うなよ・・・君は充分魅力的だし・・・俺が未熟だっただけで」

元カノ 「もうそんなこと言わないで、でもこんな私が結婚出来るなんて本当に思っていなかったのよ」

俺 「そう?あ、いや・・・ゴメン、子供の前でこんな話しちゃって」

元カノ 「いいのよ、でも可愛いでしょ?だから私とーっても幸せなの」

俺 「ああ、そうだね、今の君は本当に幸せそうだ・・・安心したよ」

元カノ 「本当にそう思う?」


元カノ(今は人妻だけど)はそういうとフフフと微笑んで小さな声で「じゃまたね」と言って去って行った


彼女が戻ってきて「綺麗な人ね・・・ひょっとして昔好きだったとか?」と言って俺を試す様な目で見た


「何馬鹿なこと言ってんの」俺は努めて冷静にそう言って彼女の手を握った

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解説

3年前に別れた元カノ。1年前に結婚して、歩けるくらいまで成長した子供がいる。

ということは…子供は、語り手の子。

破壊

			
ある一家が心中した。夫、妻、九歳の娘の三人家族だった。

死因は妻が病院から処方され溜め込んでいた睡眠薬と抗不安剤の大量摂取だった。

服薬死の直前、一家は家屋とその中のありとあらゆる物の破壊を遂行していた。

ホームセンターで買い込んだ肉切り包丁、鉈、鎌、高枝鋏、大型ハンマー、バット、ドリル、電動ノコギリ等の大量の破砕用具を使って、床、壁、天井に穴を穿ち引き剥がし、カーテンを切り裂き、窓を叩き割り、家具をなぎ倒し、

電化製品を分解し、観葉植物を叩き折り、本やアルバムを細切れに引き裂き、冷蔵庫の中身をすべてぶちまけた。

娘の部屋のノート、ランドセル、写真、人形、ぬいぐるみまでもが徹底して切り刻まれていた。

鑑識の結果、娘も破壊行為に加わっていたことが判明した。

死亡状況がきわめて特異だったため警察は他殺の線でも捜査を進めたが、最終的には自殺と断定した。

動機は一切不明だった。


心中の一週間前、夫が妻の両親に宛てた手紙には、こんな言葉が書かれていた。


『わたしたち夫婦にはもう、あの子だけが生きがいです。あの子の望むことなら何でもかなえてやろうと思っています』


それと同じ頃、娘は小学校で授業中に突然、「目が見えなくなった」と言いだしちょっとした騒ぎを起こしたが、担任の教師が問い質すと結局狂言であることが判明した。

なぜそんなことをしたのか教師から叱責されると娘は、

「でも先生、本当は、本当に見えないんです。お父さんとお母さんも見えないんです」

と答えていた。

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解説

これは答えがはっきりとわかってない、意味怖。

いくつかの説があるが、いまだ正しいと思われる解釈は無い。

有力なのは、娘の望んでいる、「自分も父も母も目が見えない」を実現してあげるため、見えるものをすべて壊した。自分たちの命さえも。

耳元

			
一週間くらい前の話。


その日は仕事が遅くまであって疲れてたから家に帰るなり布団に入ったんだ。

そしたら耳元でキュルキュル男がする。『?』って思って顔を上げると音は消えた。

枕に耳を付けるとまたキュルキュル鳴るんだ。『おかしいな』って思って枕カバーの中を見ても何もない。

正直『幽霊なんじゃ…』ってビビったけどそういうときに限ってなかなか寝付けない。

だんだんキュルキュルがカサカサになってきて耳がむずがゆくなったんだ。

気がついたら寝てた。


翌朝、上司に耳毛があるから抜けと注意されたが抜けなくて困ったよ。


あ~、なんか頭の奥が痛い。

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解説

耳の中に虫が入ってきている。

崖崩れ

			
お前さ、あの時の事覚えてるか?小学校の時の遠足。

俺らの学校は、4年生の俺と、3年のお前、あと2年で山田と谷本の4人しか生徒いなくってさwホント、ド田舎だったよなぁ。

で、「全校生徒参加で遠足だ」とかいって行ったアレw

俺はハッキリ覚えてるよ。遠足なのに近所の山に登っただけでさ、だけどトラブル続きで楽しかったよなぁ。

最初のトラブルは、ほら、あれだ。ボロい吊橋をみんなで渡ってたら、谷本のやつが真ん中らへんで怖くなって、座り込んで泣き出してやんのw


次がお前だwみんな普通に歩いてるのに、お前だけ拾った木の枝で、そこらの藪をガサガサしながら歩いててwww

ヘビに咬まれて、今度はお前が泣き出したんだよw

毒蛇じゃなくてよかったよなぁ。すげーウケたのがその時の先生の言葉。

「これが本当の『やぶへび』です。」

俺すげー大笑いしてさ、お前も泣きながら笑ってるのが余計に俺ウケたw え?覚えてない?

あとさ、「あれ熊じゃね?」ってみんなでビビってたら、ただの岩だったとか。


しかし…最後のはマジもう終わりだと思ったよね。もう少しで学校に、つくってところでイキナリ崖崩れ。全員土砂に飲まれちゃってさ。

…俺は見たよ。飲まれる瞬間、お前が山田だけを庇おうとしたのw

その山田が今、お前の嫁さんなんだもんなぁ。

なに、あの頃から目をつけてたわけ?w


助けが来たのって1時間後ぐらいだっけか。

最初に俺が救出されて、谷本、山田、で最後にお前って順番だった。

あの遠足のすぐ後だったよな…。廃校になったのは。

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解説

先生は助け出されなかった。

夜中のトイレ

			
時刻は夜3時、もうほとんどの人が寝静まっている

小さい頃は真っ暗なところが怖くて怖くて仕方なかった

夜中起きて一人でトイレに行くなんて考えられなかっただろう

今はどうせ自分には霊感なんてないから霊なんて見えないと思ってるし電気も点けずに家の中を歩き回る

トイレで用を足しているとふと女の笑い声みたいなのが聞こえた

リビングに行くと父がテレビを点けっ放しにしてうたた寝している

まったく…この癖はいつまでたっても治らないなぁ

俺は寝てる父に布団をかけると砂嵐になったテレビを消す

さて俺ももう寝るかな

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解説

父はAVを見ていたが、寝たふりをした。

違和感

			
顔を洗った後、目の前の鏡を見た

そこには俺が映っているんだが

なにか違和感がある

俺なんだけど俺じゃない気がした


顔を近づけてじっと見つめる

そのうちボロを出すんじゃないかと思って

まばたきせずに見つめた


間近で自分と同じ顔を見ると、すごく生々しい・・・

しばらくすると目を開けているのが辛くなってきた

相手もピクピクしているようだ

お互い、息を止めてるように微動だにしない

早く負けを認めろ!


その時、不覚にも俺は先に目を瞑ってしまった

しまった!


すぐ開けて見ると、相手も同時に目を開けたようだ

あと少しだったのに・・・

これで分かった、やっぱり鏡の中の俺は俺じゃない

目を閉じる瞬間と開けた瞬間に動きがあった


目の前の俺も緊張した顔だ

少しずつだが疲労しているようだ

今度こそ尻尾をつかんでやる!


するとリビングからママの声が聞こえてきた


「ピーちゃーん、ご飯の時間よー」


鏡の中の俺は反射的に尻尾を振った

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解説

語り手は、犬。

謎の腹痛

			
私の顔色がよっぽど酷かったらしく、部長が心配そうな顔で帰宅命令を出してくれた。

同僚には「どうせ仮病でしょ」とおちょくられたけど、体調が悪いのは本当だった。

お腹が凄く痛いし、吐き気も…私は冷や汗を流しながら退社した。

駅まで徒歩5分…短いはずなのに、今の私にはとても長く感じられる。

すれ違う人は皆私の顔を覗き込んでくる。私が80kgのピザだからってこともあると思うけど、具合悪そうにしてるからってこともあるよねきっと……ああ、お腹いたい…

便秘が酷い為か、私のお腹はパンパンに張っている。

それにしても、何なのこの尋常じゃない痛さ…めまいもする、歩くのも困難になってきた。

やっとのことで駅が見えてきたけど、電車がくる時間はまだだ。

私は洋式トイレにかけこんだ。とりあえず踏ん張ろう。便秘解消に励もう。

この時点で腹痛はピーク。とにかく、力むことにした。いたい。痛い痛い!痛い!!!


何十分か踏ん張って、やっと出た。

水洗式のトイレじゃなくてドッポンだから、詰まる心配はない。

ふらつきながら立ち上がると、何かが切れる音がした。あまり深く考えずにトイレを出た。

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解説

赤坊を産み落とした。

妹との会話

			
妹「お兄ちゃんって落ち込んだ時どうする?」

俺「んー、別に何も。寝るかな」

妹「ふーん・・」

俺「どうした?何かあったか?」


俺「ううん、ちょっとね」

俺「何だよ水くさいな、言ってみろよ」

俺「う、うんとさ・・・」

俺「おう」

俺「お兄ちゃん、この間一緒に歩いてた人、彼女?」

俺「・・・は?」

俺「前学校の近くで話してたじゃん」

俺「ああ・・・あいつか。なわけないだろ、ただのクラスメートだよ」

俺「ほんと?」

俺「嘘言ってどうすんだよ」

俺「そっか」

俺「てかそんな話はいいんだよ。落ち込んでたんじゃなかったのか?」

俺「ううん、それならいいんだ!えへへ」

俺「おかしな奴だな」

俺「ふふ♪お兄ちゃんに彼女なんてできるわけないよね、よく考えたら。」

俺「こらこら、失礼だぞ」

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解説

途中から、「俺」の妄想になっている。

電気をつけず

			
夜中にトイレ行きたくて目が覚めるとき、寝つきにくくなるので、よく電気をつけずにトイレまで行くんだ。つけなくてもわかるしさ。

その時、どんなことが起こったら怖いかを考えることがよくあるんだ。

例えば、暗闇の中から急に白い顔が浮かび上がるとかさ。


昨日も、上から逆さ状態で長髪の人が現れるのがやっぱ定番かなとか考えてて、半覚醒状態だったせいか、そういうのが見えちゃったりしては身震いしてたし。

実際はそんな気がしてただけなんだろうけど。

その時にさ、

ガッ

「ッッッ!!!!!!!!!!!!」

声も出ないほどの痛みが足を襲ったんだ。

どうやら何かに足の指をぶつけてしまったらしい。

そういや実家から送ってきた梨の箱置きっ放しだったなとか思いつつトイレに入った。

布団に戻っても、痛みのおかげでかえって寝付けなくなったよ。


翌朝、隣の住人が夜中にすごい悲鳴が聞こえたと言っていた。

足ぶつけたときのものだろうな。一応、謝っておいたよ。

電気をつけなかったっていう横着のせいで、痛いわ、寝れてないわ、悲鳴聞かれて恥ずかしいわでもうね( ‘A)…

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解説

語り手は、悲鳴をあげてない。

事故現場に遭遇

			
今朝、バイト行く途中で交通事故の現場にでくわしてしまった。

ついさっき起こったばかりみたいで、壁にめり込んだ車から煙が上がってる。

車は酷い状態で、こりゃ乗ってた人ヤバいなと思ってたら声がすんの。

よく見たら窓があっただろうひしゃげた部分から女の人が顔出して呻いてたのよ。

思わず駆け寄って、大丈夫ですかって声を掛けても「痛い…痛い…助けて…」って繰り返すだけ。

とにかく意識があるのにホッとした俺はすぐに110番して、到着した警察の質問に2、3答えてバイトに向かった。


休憩時間にバイト仲間に事故の話をしてたら、案の定テレビのニュースでやってた。



『今日午前、○○町でスリップした乗用車が壁に衝突する事故があり、運転していた女性が死亡しました。女性は大破した車体に挟まれて首が切断されており、即死した物と見られています。』

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解説

生首が助けを求めていた。

供養

			
10年前に私から多額の金を借りた揚句、やくざに追われてトンズラしたあいつから手紙が来た。


手紙の内容は、今自分は末期の癌で余命いくばくも無い事、この手紙が君の家につく頃には自分はこの世にはいないであろう事、そして私に酷い事して済まなかったというお詫びの言葉と、

もし許してくれるなら

もう一度君とお気に入りの葉巻をふかしながら珈琲が飲みたい、でもこの身体ではそれも無理。


だからせめて珈琲を飲む時僕の分までつくって欲しい、そして灰皿に僕の好きな銘柄の葉巻に火を付けて置いといてくれと。


確かに嘘つきで酷い男だった、けれども何故か憎めない奴だった。


私は奴の供養のつもりで二人分の珈琲を入れ

一つをテーブルの奥に置き、テーブルの灰皿に火のついた葉巻を添えて、私はテーブルの手前に座ると彼の為に冥福を捧げようと珈琲を飲もうと瞬間


バッターン!!!


いきなりやくざ風の男が私の部屋に二人入って来た!!

「おい!お前!あの野郎見なかったか!匿ったらただじゃおかねえぞ!」


『兄貴!テーブルの上見てください!』


「てめぇー逃がしやがったなあ~!!」


私の最後に聞いた音が、銃声になるとは思わなかった。

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解説

友達は死んでなどいない。

「私」は身代わりにされたのだった。

			
女がベッドから出たとき、ちょうど電話が鳴った。女はOKといっただけで電話をすぐ切った。


男:「誰からだい?」


女:「夫よ」


男:「じゃあすぐに帰らなきゃ。彼はどこ?」


女:「急がなくていいのよ。夫はあんたとポーカーしてるって言ってたわ」

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解説

夫も浮気をしてるようだ。

小屋

			
僕は迷い、一軒の小屋にたどり着いた。

中にはいってみると、電気が通っている様子もなければ、

水が出る様子もない。

それになぜか、風もぴったりと止まってしまっている。

物を動かすことができるのは僕以外にはだれもいない。

それなのに先ほどから小屋の扉がとじたりしまったりしている。

僕は気味が悪くなり、その小屋を立ち去った。

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解説

閉じたり閉まったり、つまり動いてない。

心霊現象でも何でもない。

静寂

			
ある作家がスランプに陥っていた。

〆切りが近付いているのに書けない。

次第に苛々が募り妻の声、子供の足音、猫の鳴き声など些細な音が気になり始めた。

そんな日が続き気が狂いそうになった作家は全財産を使い無音の部屋を作った。

妻や子供や猫は勿論、動いて音のする物は必要最低限の物を除き排除した。

この部屋にある物は机と椅子だけ。

静寂を手に入れた作家が執筆に取り掛かろうとした時


「まだ五月蝿い」


翌日作家は本当の無音を手に入れた。

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解説

自分の心臓の音すらも、うるさく感じてしまった。

貧乏ゆすり

			
俺この間、終電逃したから仕方なくファミレス行って本読んでたんだ。

そしたら貧乏ゆすりが目に入ったんだよね。

最初は気にしないで本読んでたんだけど、そういうのって一回目意識すると気になるじゃん。

そんで見てみたら、結構かわいいけど暗い感じの女が彼氏(多分)と二人で座ってた。

それが彼氏は笑顔で語りかけてんのに、彼女の反応がすごい薄いの。

彼氏が喋ったことに対して(聞こえないけど)「うん」とか「はい」くらいの反応しかしてない。

そのうち彼氏はつまんなそうにタバコ吸いだして、女は灰皿じっと見て貧乏ゆすりしてんの。

お前そんなに嫌なら帰れよっていうか別れろよwww

とか思いながら見てたら、貧乏ゆすりにリズムがあることに気づいた。

タタタ。タンタンタン。タタタ。タタタ。タンタンタン。タタタ。

うわ~リズム刻んじゃってるよ。完全に心ここにあらずだよ。そんなにつまんねえのかその彼氏は。

その女ずっと貧乏ゆすりしてたんだけど彼氏全く気づいてないの。

気づけよwwそんな鈍感だから嫌われるんだよwちゃんと揺れ動く乙女心を察してやれよww

そしたら彼氏がタバコ吸い終わって立ち上がって、女の手引っ張って帰っていった。

別れ話でもしてんのかなーって思ってたんだけどさ、一緒に帰るんだねー。

不思議だねー。あんなにつまんなそうなのに。

レジで会計してる時一瞬女ににらまれたから、俺は軽く会釈しておいた。


で、結局俺は始発まで一人でファミレスに居たんだけどさ、

内心嫌われてたとしても、やっぱり彼女居る奴のが俺より100倍マシだし勝ちだよな。

こんな見知らぬカップルを凝視してる奴はキモいよなって考えて軽く鬱。

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解説

貧乏ゆすりのリズムは、モールス信号でSOSになる。

吸殻

			
点数稼ぎに他人の悪事をチクることで有名な

優等生のΑ君が朝の会で

「先生!北校舎2階の女子トイレでタバコの吸殻を見付けました。誰が吸ったのかは分かりませんが、こういうことはいけないと思います!」

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解説

女子トイレの仲間でチェックするのは異常である。

続きページ。

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Sharetube