世界経済は危険な状況にあるという安倍首相の見立ては絶対的に正しい!?
「私は、リーマン・ショック前に似てる」とは言っていないと首相は否定している。なんだか誤解があるようだ。
安倍晋三首相は30日の自民党役員会で、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)での経済情勢をめぐる発言について「私が『リーマン・ショック前に似ている』との認識を示したとの報道があるが、まったくの誤りである」と述べた。だが、政府関係者はサミット時、記者団への説明で同様の説明をしている。首相の発言は、谷垣禎一幹事長が役員会後の記者会見で明らかにした。首相は役員会で「新興国の経済をめぐる重要な指標で、リーマン・ショック以来の落ち込みがある事実を説明した」と強調した。
だが、政府関係者はサミット時に、記者団に「首相は『リーマン時に比べて深刻だ』とは言っていない。『リーマン前の状況に似ている』と言っている」と説明していた。
経済危機の再発は、世界経済へ深刻な影響を与えるという安倍首相の発言は正しい。否定する必要はない?
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160527/2201161.html
世界経済は規模においてリーマン・ブラザーズの破綻後に発生した2008年の危機に匹敵する新たな危機に直面するかもしれない。G7伊勢志摩サミットで26日、安倍首相が述べた。ロイターが報じた。
安倍首相のこの懸念はどの程度根拠のあることなのか。高等経済学院のアンドレイ・フェシュン氏がスプートニクの取材に答えた。
「私は、2008年の大規模な危機の再発、それによる世界経済への非常に深刻な影響という安倍首相の発言はまったく偶然的なものではないと考えている。日本は残念ながらデフレ状況が継続しており、よく広報されたアベノミクス計画のいわゆる「3本の矢」は、どこにも命中していない。デフレ状態からの出口についても将来的に明確な見通しはないままだ。この不確実性に、中国経済が加わった。その経済成長は大幅に鈍化した。北京は、当然のことながら、ドルに対する元の価値をわずかに減らすことにより、経済状況を良くしようとしている。しかし、これらの見通しは不明だ。これに欧州の状況が加わる。最近の政治的なイニシアティブでもEUの経済状況についての懸念は払拭されていない。
アベノミクスの3本の矢はどこにも命中せず、安倍首相が出口を示せるかは別問題
世界経済は危険な状況にあるという首相の見立ては絶対的に正しい。ただ、彼が出口を示せるかどうかは別問題。おそらく無理だろう。したがって、この種の警告は正当だし意義もあるが、それが状況を改善することは期待しにくい