Young woman from Fukushima speaks out 原発事故当時15歳女性の証言、彼女の勇気 ・イアントーマス・アッシュ
2014年のもの。
イアン・トーマス・アッシュは、福島のでの子供の甲状腺判定となる映画 「A2-B-C」を2014年に撮った監督。もう2年も経ち、当時5歳の子供にも甲状腺癌がほぼ間違いなく出てしまっている。彼のブログで、当時15歳の少女のインタヴュー映像がある。それを紹介したい。ちなみにイアン監督は、僕の質問「福島での子供の甲状腺癌、原発事故の影響についてどう思うか?」で「分からない。エビデンスがはっきりしない。けれど影響が現れていると考えざるを得ない。」と、続いて「福島の子供たちがかわいそうで・・・」日本語で語った。イアンは追及している。イアンのブログから・・・
Peace,
Ian Thomas Ash
このインタビュー映像は2016年2月12日に福島県で撮影されました。(ビデオこちら)
本人の了解を得た上でこのインタビューを公開しています。
原発事故当時18歳以下だった福島県住民のうち、甲状腺がんおよびその疑いのある患者の人数は166名(2016年2月現在)に上ります。彼女はその中の1人です。
福島県は当時18歳以下だった住民を対象に無料で定期的に甲状腺検査を実施していますが、1巡目(平成23~平成25年度実施)では18.8%の人が検査を受けていません*。
2巡目(平成26~平成27年度実施)の検査結果はまだ出揃っていませんが、県による検査を受けない人の割合は年々増加しており、平成27年度(12月31日現在)では50.7%にのぼります。特に、18~21歳(平成26年4月1日時点での年齢)の年齢階級では未受診率が74.5%という状況になっています。
彼女がインタビューの公開に応じてくれたのは、こうした検査を受けていない人たちに検査を受けてほしいという思いがあるからです。
彼女の話の要点は以下の通りです。
1.彼女は甲状腺がんの手術以降疲れやすくなった。
2.彼女は手術以降、精神的不安を感じることがあった。
3.彼女には気軽に相談できる医師がいなかった。
4.彼女は他の子ども達が自分と同じ甲状腺がんを患ってほしくないと思っている。
5.彼女は福島に暮らす若者に、病気を早期発見し適切に処置するために、県が行う甲状腺検査を受診してほしいと思っている。
6.彼女は将来子供を持つとき、その子の健康への影響に不安を感じている。
原発事故・甲状腺がんについて公に話すことが難しい空気になってる中、このインタビューを公開することによって、彼女の仕事や家族、友人関係など日常生活に悪影響が及ぶ危険があります。 彼女のプライバシーを尊重してくださいますようお願いします。
その上で慎重に考えた結果、次の理由から彼女の話を広く共有すべきだと思いました。
1と2について:福島県立医大は、甲状腺がんは死ぬことはない病気であり、福島県民に対して、たとえ甲状腺がんと診断されたとしても心配する必要はないと主張しています。しかしこのインタビューから明らかに手術後の患者の状態がそれほど単純なものではないとわかります。患者は手術後、甲状腺がんが治った後ですら様々な身体的、精神的困難を経験しやすいのです。
3について:福島県立医大の医師は患者との間に十分な人間関係を築けていません。これは重大な問題です。特に患者の多くが若年であることを考えると、医療面と精神面の両面でより注意深く継続的なケアが必要です。
4と5について:彼女は福島に暮らす若者、子供、その親たちに対して、甲状腺検査を定期的に受けつづけてほしいという力強いメッセージを発しています。
私の願いは、自分の経験や意見を発信する彼女の勇気が、他の人にもまた勇気を与えることです。
彼らのことが忘れられないように。ともに支え合えるように。この悲劇がこれ以上繰り返されないように。
イアン・トーマス・アッシュ