低い甲状腺がん健診受診率。18歳以上の対象者の約75%が健診から漏れている。

著者:
投稿日:
更新日:
5年前に起きた東京電力福島原発事故以来続けられている、事故時に18歳以下だった福島県の子供たちの甲状腺検査の本格検査(2巡目)の結果がこの6月に発表された。がん又はがんの疑いがあると診断された子供は57人。先行検査(1巡目)では116人を数え今回は約半数と少なかったが、報告の詳細を見ると、なんと18歳以上で健診を受けた人数は対象者の24.4%と低い水準だった。

先行検査と本格検査の甲状腺検査結果

全体の受診率は70〜80%の高い水準を保っているように見え、甲状腺がんの診断数も少なくなったように見える(実施状況データから作成)。

甲状腺がんの増加率は低いように見えるが、本当は健診の受診者が少ないからだ?

2016年3月31日現在の本格検査結果は、38万1286人の健診対象者のうち26万7769人が受診し、25万6670人の結果が確定した。甲状腺がん又はその疑いが57人(男25人、女32人)となり、そのうち30人が手術を受け全員が乳頭がんと判明した。57人のうち53人は1巡目の検査で異常なしとされるA1又はA2判定(微小な結節又はのう胞あり)だったものが、2~3年の間に腫瘍の径が最大で35.6mmのがんに進行したことがわかった。

一方で健診対象者の年齢階級別受診率は、18歳以上(健診時)で24.4%と、他の年齢層の80〜90%前後と比べて極端に低いことがわかった。先行検査では原発事故当時16〜18歳の受診者の割合は対象者の約53%に達していた。又甲状腺がんと診断された人数もこの年齢層が多かったことから、本格検査でがんの診断数が約3分の1と少ないのは18歳以上の検査漏れが影響しているのではないだろうか。

同年代の若者にを受診を呼びかける二十歳で甲状腺がん手術を受けた女性

すでに多くのネット上で最近甲状腺がん手術を受けた女性の体験談が紹介されている。日本のメディアは原発事故の健康影響を取り上げることは少ないがAP通信のような海外メディアの関心が高いことがわかる。AP通信は福島県の甲状腺検査の受診者が年々すくなっていることを指摘し、体験者の女性が同通信社のインタビューを受け、公開に応じたのも検査を受けない同年代の人たちに検査を受けて欲しいという思いからだという。




著者プロフィール
Sharetube