横浜に飛散した放射性物質、小中学校43校で確認された汚染汚泥を未だ放置

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日吉も人ごとではない、小中学校内で放射能濃度が高い廃棄物が保管されたままの理由

横浜市内の小中学校内に放射能濃度が高い「指定廃棄物」が5年以上も放置されている、と昨日(2016年6月)21日(火)付けの神奈川新聞が1面トップ記事と社会面トップ記事で報じました。ヤフー(Yahoo Japan!)ニュースにも同じ記事が転載されたことで、同新聞の読者以外にも広く情報が伝わっています。

現在のところ、日吉や綱島、高田の学校で指定廃棄物が保管されているとの情報はありませんが、汚染された廃棄物が学校内に保管されているという点で、無関係ではないのが日吉の学校と保育所です。


今回の問題のきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きたことにあります。放射性物質が横浜へも飛散し、最大で市内の小中学校43校で「汚泥(おでい)」が放射性物質に汚染されていることが確認されました。このうち18校では国の基準で指定廃棄物となるレベルのものでした。

出典:日吉も人ごとではない、小中学校内で放射能濃度が高い廃棄物が保管されたままの理由


もともと、雨水利用施設は災害時などに貯めた雨水を有効利用できるうえ、日常も水道代が1校あたり年間数十万円規模で節約が可能であると言われていることから、2011年以前は市の小中学校で徐々に導入されていました。


ところが原発事故により、雨水を通じて汚染された汚泥が流れ込むという予想外の結果となったのです。

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速やかな対策が行われたことで、該当箇所の放射線量は下がったのですが、問題は処理した後の堆積物の行方です。日吉台中学校では324キロ、日吉台小学校は9キロ分の堆積物が集まっています。


「撤去した堆積物は二重のポリ袋に密閉し、児童生徒が立ち入らない場所に一時的に保管しました」(2011年9月26日横浜市のニュースリリース)とし、その後、5年近くにわたってそのままになっているとみられます。

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そもそも、原因となった原発事故自体は横浜市に責任はありません。市は原発事故に責任者のある東京電力に一定の補償金を請求して受け取っているとはいえ、整備に1カ所あたり4000万円はかかると言われる雨水利用施設を、災害対策やエコ化のために着々と備えてきたのに効果が発揮できなくなるなどの損害も出ています。


一方で国が決めたところでは、指定廃棄物以外の処理は横浜市の責任としています。緊急的な措置だったとはいえ、小中学校や保育所内に長期間保管したり、敷地内に埋め戻したりするという横浜市の対策は適切なのでしょうか。いくら安全だとされていても、せめて子どもと無関係な場所に保管し、処理をしてほしいと思うのが子を持つ親や、市民の感情だと思われます。

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Sharetube