[安倍政権] また「そのまんま流用」? ヘリコプター・マネーの可能性
ベン・バーナンキ前FRB議長による表敬
平成28年7月12日、安倍総理は、総理大臣官邸でベン・バーナンキ前FRB(連邦準備制度理事会)議長による表敬を受けました。
出典:平成28年7月12日 ベン・バーナンキ前FRB議長による表敬 あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策。米国の経済学者フリードマンが著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来。中央銀行による国債の引き受けや政府紙幣の発行などがこれにあたる。ヘリコプタードロップ。 平成28年 総理の一日 総理大臣 首相官邸ホームページ 平成28年 総理の一日 総理大臣 首相官邸ホームページ 首相は冒頭、「英国のEU(欧州連合)からの離脱決定は一つのショックだった」と述べ、世界経済が不透明感を増している点に言及。デフレ脱却に向けて「金融政策や財政政策、成長戦略の三本の矢でしっかりやっていく」と強調した。同日、編成を指示した「大胆な経済対策」についても説明したという。
平成28年 総理の一日 総理大臣
■バーナンキ前FRB議長の意見を、今回も「そのまんま流用」するのだろうか
キーワードは「ヘリコプター・ベン」
ベン・バーナンキ
■プロフィール
ベンジャミン・シャローム “ベン” バーナンキは、アメリカ合衆国の経済学者。専門はマクロ経済学である。第14代連邦準備制度理事会 議長。
ヘリコプターマネーには、米連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任する前のベン・バーナンキ氏も2002年の講演で言及。金融不安とデフレ下の日本に対して提案した経緯があり、市場では「ヘリコプター・ベン」とも呼ばれる。
バーナンキ氏の主張は、名目金利ゼロに直面していた日本経済への再生アドバイスとしてのもの。具体的な手法として、国民への給付金の支給あるいは企業に対する減税を国債発行で賄い、同時に中央銀行がその国債を買い入れることを提案している。中央銀行が国債を買い入れると通貨が発行されるので、中央銀行と政府のそれぞれの行動を合わせてみれば、中央銀行の発行した通貨が給付金や減税を通じて国民や企業にばらまかれていることになる。その意味で、バーナンキ氏の日本経済に対する提案がヘリコプターマネーというわけだ。
出典:【日本の解き方】ヘリコプターマネーは有効だ 25兆円規模の資金投下で基礎年金保険料1年タダ (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK
ヘリコプターマネーの誘惑、日本国民に大惨事招くとJPモルガン警告
日本銀行の黒田東彦総裁による前例のない金融緩和でも景気回復とデフレからの完全脱却を果たせない中、安倍晋三内閣と日銀の経済活性化策が「ヘリコプターマネー」的な色彩を強めていくのではないかとの懸念が市場で浮上している。
日銀は2%の物価目標の達成に向けて13年4月にマネタリーベースを積み増す量的・質的金融緩和を導入し、翌年10月末には国債保有増を年80兆円に拡大する追加緩和を実施した。今年1月末には金融機関の当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用することを決定。金利低下を促し、結果的に債務残高や利払い負担の増加を抑えてきた。スタンダードチャータードでグローバルマクロ戦略・為替調査の責任者を務めるエリック・ロバートセン氏(シンガポール在勤)は「世界中の先進国に必要なのは財政支出、インフラ投資だ」とみる。日銀は物価目標を達成できず、景気低迷や円高・株安などが続けば、究極の選択を迫られると分析。「日本はすでに事実上の財政ファイナンス状態にあると多くの人々が考えている」と言う。
財政ファイナンスとは、厳しい財政状況にある国の政府が多額の国債を発行して中銀に引き受けさせ、紙幣の増刷で財政赤字を穴埋めする状況を指す。財政破綻懸念から国債相場の暴落リスクにつながるほか、通貨の信認低下で為替相場が下落し、輸入物価急騰などを通じた高インフレが国民生活に深刻な打撃をもたらす恐れがある。
■以前も「そのまんま流用」していた
キーワードは「大規模な量的緩和」
黒田総裁は長年にわたりバーナンキ氏の提唱する巨額資金供給によるデフレ脱却理論の信奉者でもあり、両者は旧知の間柄。
黒田東彦日銀総裁に差していた「後光」の正体
2013年3月に日銀総裁に就任した黒田東彦氏は、直後の4月に異次元と自賛する規模の量的質的金融緩和政策を実施、さらに、2014年10月には誰も予想していなかったタイミングで追加緩和を決定した。この2回の金融緩和は、ともに市場に対して“バズーカ砲”と呼ばれたほどの威力を発揮して、急速な円安と株高をもたらした。
黒田総裁は、海外の投機資金を、猛烈な円売り日本株買いに誘い込むことには成功した。彼らは、実体経済に関する不確かな論争には頓着しない。FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長による大規模な量的緩和がリーマン・ショックに打ちのめされていたアメリカ経済にドル安と株高の恩恵をもたらしたという経験則に基づいて、素早く行動した。条件反射的に、「量的緩和は買い」なのだ。
黒田総裁に差していた”後光”の正体は、株価が下がれば必ず追加の緩和で応えてくれたバーナンキ前議長の残照であった。
■その他にも「そのまんま流用」している
キーワードは「リーマン・ショック」
ジョセフ・スティグリッツ
■プロフィールコロンビア大学教授。2001年ノーベル経済学賞受賞。世界金融危機(リーマン・ショック)を予言した数少ない経済学者の一人。
主な著書:
『スティグリッツ入門経済学』
『スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く』
出典:世界の著名な経済学者4人の消費税増税に対する見解まとめ/「税率引き上げは延期するべきか?」 - さようなら、憂鬱な木曜日
国際金融経済分析会合「コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授との意見交換」
出典:平成28年3月16日 国際金融経済分析会合 会合では、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授との意見交換が行われました。 総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。 「第1回『国際金融経済分析会合』の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。 本年5月、伊勢志摩で開催されるG7サミットの議長を務めます。中国の景気減速への懸念や、原油価格の低下など、世界のマーケットは大きく変動しており、サミットでは現下の世界経済の情勢が最大のテーマになると考えております。 G7議長国として、各国首脳と突っ込んだ議論を行い、世界経済の持続的な力強い成長に向けて、明確なメッセージを発出したいと考えております。 出典:平成28年3月16日 国際金融経済分析会合 ・その中国が減速したということは、世界経済が減速するということ。米国や欧州では中国の減速は埋められない。 ・これに対応するには、各国の経済政策を見直す必要がある。2、3年前には適切だった政策でも見直す必要があるだろう。 出典:国際金融経済分析会合 平成28年 総理の一日 総理大臣
・金融危機以降、中国が世界経済のけん引役だった。中国の需要により一次産品の価格が上がり、ラテンアメリカやアフリカ、世界の経済を助けてきた。 平成28年 総理の一日 総理大臣
○ 世界経済の大低迷、凡庸さ、長期停滞は不可避ではない。これらは、 政策の失敗の帰結である。不均衡を是正し、総需要を増加させるための 最善の方法は、国際的な協力を形成することである。・例えば、研究開発や温暖化対応等の公共財に係る協力が考えられる。
・このような協調は難しいことが分かっている。日本の G7 議長国としてのリーダーシップの発揮が国際協調に向けた第一歩だ。
・仮に国際協力・協調がなかったとしても、各国がそれぞれの需要創出 に取り組むことは世界経済に好影響を与える。日本は成長を引っ張る模範を示すべきだ。
出典:国際金融経済分析会合
G7伊勢志摩サミット議長記者会見【安倍総理冒頭発言】
出典:G7伊勢志摩サミット 首相官邸ホームページ 株式市場の下落により、世界では、この1年足らずの間に1500兆円を超える資産が失われました。足元では幾分か回復し、小康状態を保っていますが、不透明さは依然残っており、世界的に市場が動揺しています。
平成28年 総理の演説・記者会見など 記者会見 首相官邸ホームページ それは何故か。最大のリスクは、新興国経済に「陰り」が見え始めていることです。
平成28年 総理の演説・記者会見など 記者会見 首相官邸ホームページ そして、新興国経済に弱さが見られる今こそ、G7がその責任を果たさなければならない。G7で協調して、金融政策、財政政策、そして構造政策を進め、「三本の矢」を放っていく。そのことを合意いたしました。アベノミクスを世界で展開してまいります。
平成28年 総理の演説・記者会見など 記者会見
バーナンキ前FRB議長、アベノミクスの推進求める http://on.wsj.com/2a4YuHr @WSJJapanさんから
安倍首相はバーナンキ氏に、日銀の金融緩和策は効果を上げており、財政支出を加えればアベノミクスはさらに効果を増すとの見解を明らかにした。