スノーデンが「シチズンフォー」で告発した世界監視社会の凄まじさ、そしてオリバー・ストーンの映画「スノーデン」での日本における驚愕なアメリカ監視体制の証言

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2014年、ある香港のホテルで初めてイギリス・ガーディアン記者にスノーデンが、アメリカNSAが世界を監視し、自らNSA/CIA職員として働いていた事実を語り内情を暴露する、その事実過程を詳細に映像化した実写・ドキュメントである。驚愕な内容で必見と思う(映像自体のバランスはよくありませんが十分内容が分かります)。
IWJ・ジャーナリスト岩上安見氏がオリバー・ストーンに日本での影響について質問した。ストーンは、非常に正鵠を得た質問としてスノーデン証言を返答している。詳細は本文、または映像で。
スノーデンに直接インタヴューをしている元朝日新聞記者、小笠原みどりさん。アメリカに監視される国々の序列、日本のアメリカにある基地の意味など、非常に重要な内部問題を語ってる(序列トップは当然英語圏中心)。
映画で登場するスノーデンの最愛のガールフレンドは、現在モスクワで一緒に暮らしている。
 「シチズンフォー・スノーデン」に凄い衝撃を受けた。アクト・オブ・キリング以来。これは2014年のガーディアン記者等にリークしたスノーデンが記者等とカミングアウトまでのやり取りや、その後ロシアへの亡命までの記録。

 しかもこのアメリカNSAは、2年以上経った今日、より大きな監視体制システムを世界にひいていること。ここまで来てるかーという感じがした。おそらく安部日本政府NSAとのアメリカ連携・協力で強化しているのでは、とも思う。日本にアメリカ基地があるというのはNSAが同時にあるというになる。9.11以降ブッシュが行いオバマが引き継いで拡大させたテロ防止名目のアメリカNSAは、現在ではオリバー・ストーンの指摘ではないが、全世界的な監視体制が出来上がっている(ドイツではメルケル盗聴をドイツの諜報機関がアメリカNSAに協力した)。それぞれの携帯・ネット、PC等を通じ、移動追跡され、動きはすべて筒抜け。要はテロと関係ない人々、一般の人が対象になり、人権もプライバシーも表現の自由もへったくれもなく、何かやろう、何かする、という個人のプライベートな動きが筒抜け。日本の人々もアメリカ側に筒抜け(NSA在日米大使館内、それぞれの在日米軍基地の存在するそうです。SFではない)。ついでに、トランプとの比較で善人・人権大統領オバマのようなイメージがあるとすれば、大きな間違い。オバマがNSAを大きくした(オバマは法律に照らすと弁解しているが、弁解の余地はない。テロを名目に政治・企業・経済含めあらゆることが、ここの監視情報から収集できる)。トランプはこれを引き継ぐ(スノーデンはトランプ大統領について、そんなに恐れるべきではないと述べている。昨年11月のアムステルダム、ストリーミングでスノーデンは「より良い世界を望むならば、オバマ大統領のような政治家に期待してはいけない。そして、ドナルド・トランプのような政治家を恐れてもいけない」と発言しました。この真意は、「政治家に頼ってはいけない」という点にあります。NSAによる情報収集活動に深く関与してきたスノーデン氏は、セキュリティを保ち個人情報を不当に盗み出されないようにするために最も大切なことは「自己防衛」だと考えています。つまり、政府や特定の政治家に対応策を求めるという他力本願な姿勢ではダメで、政府による過剰な国民監視活動に対して自らの身は自分たち自身で守っていくべきだと考えているというわけです。」gigazineより・・・。

 当のトランプはスノーデン引き渡しをロシアに求める発言をしている。大統領就任演説で過激イスラム根絶というから、より強い継続があると思われる(スノーデンは香港で国連に助けを求めた。そして・難民・という立場となった。ウィキリークスのジェット機で香港からモスクワへ逃れる。空港滞在40日後、ロシアに政治亡命)。後半最後にスノーデン以外からのリークとしてドイツにあるアメリカ最大のラムシュタイン米軍基地はドローン・無人機の拠点であり、すべての攻撃はここから出撃した、と。ドイツ政府は否定しているが、イランなどのメディアは、ドイツ・シュピーゲルの秘密情報として報道している。


 そしてもうひとつは、オリバー・ストーン新作の2017年「スノーデン」だ。まだ未見ではあるが、ストーンは来日インタヴューで映画内容含め驚くべき返答をしている。日本に関係することでは、日本に仕掛けたマルウェアーについてスノーデンが語ったこと・・・。スノーデン(CIA、NSAであるスノーデンは、デルのコンピュター社員として偽装して日本に滞在した)は、「日本のアメリカのNSAが日本の諜報機関(公安?)に日本国民すべての人々対象に監視することでマルウエアを仕掛けてよいかといったところ、日本側が問題あるとして拒否、その結果、アメリカ側はその返答無視して民間機関を利用して日本中にマルウェアを仕掛けた。だから仮に日本がアメリカと同盟関係がなくなった場合、そのマルウェアが機能して日本の電子系がダウンする」とストーンに語った。「原発に関しての言及はないので、別な形をっているのではないか」とストーンは言う。ストーンは、ロシアで会ったスノーデンの語ったことを真実だろうとして映画を作る。このサイバー攻撃の仕組み(スタックスネット)は、以前アメリカとイスラエルがイランに仕掛けたことから始まり、宣戦布告なしにもサイバー戦争として攻撃ができることを学んだ。これは凄いことだと。世界の監視システムはアメリカNSAがリーダーで、一番進んでいる(スノーデンも証言)。ここからの情報は疑ってほしい。新たな戦争が始まっている。他の諸外国にも及んでいる。日本は、いわばこのシステムの人質になっている、と・・・。


 上記の2014年、ガーディアン記者にスノーデンがリークしてくれたことと2017年O・ストーンの発言を重ね合わせて勘案すれば、日本でのアメリカNSAの活動は事実であろうし、また我々日本国民の一般市民プライベート情報もアメリカNSA側に筒抜けであることはあり得る。以前であれば、諜報的活動は目に見える媒体を通じて行われ、その証拠を隠滅・抹消したわけだけれど、目に見えない電動・電子上の問題としては非常に気付きにくいし、問題としての溯上に乗せにくく、可視化できることではない(原発事故での放射能と共通する)。しかも政治・金融・経済・コミュニケート伝達機能・情報メディア(携帯、ネット、PC等)で人々の日常生活システムの中にもはや肉体化していて避けられない。ゆえに、監視あり得るかもしれない、という疑心のみで社会システム機能優先により、特に日本の中では一般的に問題視することが希薄で無頓着なのでないだろうか?しかも日本の安部内閣閣僚が、メルケルの盗聴をアメリカNSAが行ったことについて「やっぱりそうだと思った」という大問題を直視しない本末転倒で無頓着答弁を行った。国家権力にいるものですら問題意識欠如希薄なのだ。つまり安部内閣はすべてアメリカNSAによって筒抜けということなのに。しかしながら、我々一般市民にこのエビデンスを指し示す術は非常に難しい。日本の報道ジャーナリスト等に期待がするが、これを証明するだけの気骨あるジャーナリストがいるだろうか?かつてミッシェル・フーコーの言ったパノプティコン、もしくはパンオプティコン(Panopticon)は邦訳すれば全展望監視システムは、すでに完遂され、より強化されている、と言えるのではないだろうか?是非、それぞれ前篇観て確認し、この問題を考えてほしい。