【洒落怖】電気クラゲ?(海・中編)

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『電気クラゲ?』

905 :オキ :03/03/11 09:08

これは父が、生死の境を三日間さまよった時の話です。(また父かよ)


906 :オキ :03/03/11 09:19

私が2~3歳の頃。もちろん私には記憶がなく、父および母からきいた話。

父もまだ若かったので、頻繁に海に潜りに行き、

貝やらなにやらを採りに出かけていた。

うちは結構な貧乏で、ウエットスーツのような良いものはなく、

父は長袖の肌着にパッチという、それは素晴らしい格好で潜っていた。

(海中にはいろんな虫や魚がおり、それらに刺されたり、

 身を食われないようにするためのものだったとか・・・)

装備するのは水中メガネのみ。それで5~10m潜る。


907 :オキ :03/03/11 09:33

ある日、父は友人と共に出かけ、帰りはその友人の助けを借り、

命辛々病院に運ばれた。(急展開ですみません)

母が病院に駆けつけた時、既に父は意識不明の重体だった。

医者に容態を聞くと、ここ2~3日がヤマだという。


39℃から40℃の熱。全身に広がるミミズ腫れと裂傷。

そして、なにかに巻き付かれたようなうっ血した痕。

医者や父の友人は、「電気クラゲにやられたかもしれない」と言っていた。

(それにしてもヒドイと、二人とも首を捻る)

そしてこの時、医者はあることを見落としていた。

それとも敢えて言わなかったのか・・・。

それは後に母によってあきらかになる。


908 :オキ :03/03/11 09:48

母は父につききりだった。

父の熱は下がらぬまま、二日が過ぎ、三日目の夜を迎えた。

ベッドの上の父が突然苦悶の表情を浮かべたかと思うと、

体を掻き毟るように、体にまとわりつくものを剥がすように、

手足をジタバタさせながら叫んだ。

「コラーーー!!帰れーー!!メにあわすぞーーー!!!」

母は驚き、父に声をかけた。

「お父さん!どげしたかね!」

母が体をさすると、父はスゥッと目を開け、

「○○(母の名)か・・・。俺は死なんけん」

と言い放つと、またスゥッと目を瞑り、スヤスヤと眠りだした。

その後、父は驚異の回復をみせる。


909 :オキ :03/03/11 10:11

(母の証言)

父が熱にうなされている間、幾度か体をふいた。

その時は裂傷の包帯でよく分からなかったが、

体中に妙な痣がたくさんあった。

包帯が取れたあとを見てみると、足や腕に、

なにやら握りしめられたような痕が多数。

背中にも手形のようなものや、引っかいたあとのようなものが多数あった。

素人の母が見てもそれらは、手でつけられた痕のように思われた。

(父の証言)

父「あれは確かに電気クラゲだった!」(言いきる)

私「嘘ー、電気クラゲでそこまで酷くなるのぉー?」

父「(ポツリと)・・・クラゲの足にまじって、

  ようけ人間の手がはえちょったぞ。

  クラゲの頭にもう一つ、坊サンみたいな首も乗っちょったぞ(ニヤリ」

・・・あの、それは妖怪ですか・・・はたまた幽霊系ですか・・・


悩む私の横で、「電気クラゲ!!」と笑う父がいました。


ソレがどんな姿か想像して海に潜ると、

ちょっと怖いかも・・・と思う私の幼少期でした。

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