放射能の拡散の心配は?福島事故原発近くの森林火災が鎮火。
除染されていない帰還困難区域の森林火災、近隣の放射能濃度が増えたが内部被曝の危険が心配。
福島ようやく火災が鎮火 放射性セシウムはところにより9倍に上昇
https://jp.sputniknews.com/japan/201705103621022/
福島第1原発事故で帰還困難区域になっている福島県浪江、双葉両町の山林で起きた火災は今日、10日、鎮火された。共同通信が地元の災害対策本部の発表として報じた。4月29日の発生から12日目にようやく火は消し止められた。
焼失面積は約75ヘクタール。県が行ったヘリコプターによる偵察で煙や熱源がないことを確認され、鎮火したと判断された。山林火災による放射性セシウム137の拡散は、毎日新聞が福島県の放射線監視室の発表を引用して報じたところによれば、前々日の8日の測定で大気を浮遊するちりの放射性セシウム137の濃度は大熊町野上の野上一区地区集会所が同1・35ミリベクレルで3・86倍、双葉町石熊の石熊公民館が同7・63ミリベクレルで8・98倍などと、ところによって前日のおよそ3~9倍に達している。同測定室は「健康には問題ない数値」としているが、今後、林野庁が放射性物質の状況などを現地調査する。毎日新聞が報じた。
くすぶる山林に放水する自衛隊員。
2日からは地元の双葉広域消防本部に加え、自衛隊なども地上での消火活動に加わった=福島県浪江町井手の十万山で2017年5月2日午後4時ごろ撮影(陸上自衛隊第6師団提供)
周辺環境に影響はないとされるが、チェルノブイリの経験から危険を警告するグリーンピース。
山火事と放射能ーーチェルノブイリの学び
こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。(写真:福島県浪江町の山林 2011年撮影)森林火災と放射能福島県浪江町で山火事が起きました。火事は4月29日から1週間以上続きました。浪江町はホームページで「5月10日15時5分に鎮火となりました」と伝えています。50ヘクタール余りが焼けたといいます。グリーンピース・ジャパンにも、「火事で放射能が拡散するなどしていないのか」などのお問い合わせをいただきました。残念ながら、グリーンピースでは、現時点で現地調査を行なっておらず、火事で放射能が周辺まで拡散しているのか、いないのかわかりません。福島県はホームページで、5月11日に更新するまで「火災現場周辺の環境モニタリングおいても火災の発生前後で空間
「汚染された森林が燃えると、吸入可能な微粒子の形でストロンチウム、セシウム、プルトニウムが 放出され」*ます。国も火事のあったところで放射性物質の広がりや濃度などを確認する現地調査を行うそうです。上記で公表されている調査はセシウムだけですが、ストロンチウム、プルトニウムの調査も必要です。
2012年に国の調査が行なわれた福島県の川内村のスギ林の森林全体の放射性セシウム蓄積量は107 万ベクレル/m2(報告書)。5年たって蓄積量は相当量減少したと思いますが、そうした森の一部が燃えれば放射能が部分的に拡散する可能性は簡単に否定できないのではないでしょうか。
森林火災をどう予防するか、火災による放射能拡散への影響を知るにはどのような調査をすべきなのか...チェルノブイリの経験から学ぶことで、得られることは多くあると思います。