【洒落怖】ヨウコウ(山・中編)

著者:
投稿日:
更新日:

『ヨウコウ』

309 :ぽたみがん:04/02/01 06:35


死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?43


407 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/01 14:26

オレのじいちゃんは猟師なんだけど、昔そのじいちゃんについてって体験した実話。


田舎のじいちゃんの所に遊びに行くと、じいちゃんは必ずオレを猟につれてってくれた。

本命は猪なんだけど、タヌキや鳥(名前覚えてない)も撃ってた。

その日もじいちゃんは鉄砲を肩に背負って、オレと山道を歩きながら、

「今日はうんまいボタン鍋くわしちゃるからの!」と言っていた。

(実際、撃ったばかりの猪は食わないが)


そのうち、何か動物がいるような物音がした。ガサガサって感じで。

オレは、危ないからすぐじいちゃんの後ろに隠れるように言われてて、

すぐじいちゃんの後ろに回って見てたんだけど、じいちゃんは一向に撃つ気配がない。

いつもならオレを放っておくくらいの勢いで、「待てー!」と行ってしまうのだが、

鉄砲を中途半端に構えて固まってしまっている。

オレはそのころは背が低くて、茂みの向こうにいる動物であろうものはよく見えなかった。


オレは気になって、じいちゃんに「何?猪?タヌキ?」って聞いた。

しかし、じいちゃんはしばらく黙っていて、茂みの向こうをじっ・・・と見ていた。


「あれは・・・」とじいちゃんが口を開いた瞬間、急に茂みがガサガサと音を立てた。

「やめれ!」と言い放ち、じいちゃんはその茂みに一発発砲した。

そしてオレを抱えて猛ダッシュで逃げ出した。


408 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/01 14:27

オレは何がなんだかわからずひたすら怖くて、今にも泣きそうになっていたが、

じいちゃんが撃ったのはなんなのか気になり、後ろを振り返った。

すると遠めに、毛のない赤い猿のような動物が、こちらに向かって走っている。

じいちゃんはオレをかかえて走りながらも、鉄砲に必死で弾を込めていた。

弾を込め終わると、じいちゃんはオレをかかえたまま振り向きざまに発砲した。

すぐとなりで発砲されたので、オレは耳が「キーン」ってなって、いろんな音が遠く聞こえた。

じいちゃんは走りながらまた新しい弾を込めている。

オレは怖くてもう振り返ることはできなかった。

後ろで「ケタタタタタタ!ケタタタタタタタ!」という、その動物の鳴き声らしい声が聞こえ、

じいちゃんが小声で「助けてくれ・・・助けてくれ・・・この子だけでも・・・」

とつぶやいていた。


山をおりきってもじいちゃんはとまらなかった。オレを抱えてひたすら家まで走った。


家につくなり、じいちゃんはばあちゃんに「ヨウコウじゃ!!」と叫んだ。

ばあちゃんは真っ青な顔で台所にとんでいき、塩と酒をもってきて、

オレとじいちゃんに、まるで力士が塩をまくように塩をかけ、

優勝した球団がビールかけやってるみたいに酒をあたまからあびせた。


その後、それについてじいちゃんもばあちゃんも何も話してくれなかった。

間もなくしてじいちゃんは亡くなってしまい、

その時ばあちゃんがオレに『ヨウコウ』について話してくれた。

「●●ちゃん(オレ)が見たのはのー、あれはいわば山の神さんなんよ。

 わしらにとってええ神さんじゃないがの。

 じいちゃんはあんたのかわりに死んだんじゃ。お前は頼むから幸せに生きておくれよ」


じいちゃんが死んでから、ばあちゃんも後をおうように亡くなってしまい、

オレは20代後半でピンピンしている。

オレが見たのは、村で言い伝えられる妖怪の類いだったのかもしれないけど、

今でも親戚の人にこの話をするとしかめっつらをされる。

福井県の某村の話。


514 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/07 00:17

ヨウコウについてちょっとぐぐってみました。


↓コピペ

ユウユウ…動物の怪。婦負郡桜谷村駒見のものが『越中旧事記』に紹介されている。

※ヨウユウ…動物の怪。狼の怪。

 野崎雅明『肯搆泉達録』(こうこうせんだつろく)に紹介されている。

ある山伏が夜更けて呉服(くれは)山の古阪を登ると、狼の群がつきまとった。

山伏が喬木によじ登ると、狼は打ち重なり、その上に姥が跨って彼を引き下ろそうとした。

山伏が短刀を抜いて姥の肘を切り落とすと、下の狼も散った。

翌朝、駒見村に入り、少し休もうとヨウユウの家に入ると、姥が傷の痛みに泣き叫んでいたが、

山伏の姿を見ると逃げ出して、行方不明になった。

柳田國男『山東民譚集』にも紹介。

↑コピペ


だと。富山県の山の怪らしいが、福井県とも近く北陸同志。

ヨウユウがヨウコウへと訛ったものかもしれない。

猿のような人型、それに山にでるという状況から、

コレがヨウコウだと思われますが、いかがなものでしょう?


525 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/07 01:03

>>514

またマイナーな本から持ってくるなあ(笑


ヨウユウは鍛冶屋の婆系の話ですね。

似たような話は、中世説話なんかにも残っています。

ユウユウは筋が載っておらず、原書を読んでいないため詳細は不明ですが、

ヨウユウと同じような話なんでしょうか。

この二者がヨウコウなのかはわかりませんが、関連してても不思議ではないですね。

『オススメの怖い話リンク』

『名作・長編』

■.リアル■.ドルフィンリング■.自己責任
■.自殺の連鎖■.ヒッチハイク■.神社の生活
■.姦姦蛇螺■.キャンプ■.危険な好奇心

『名作・中編』

■.今神様やってるのよ■.嗅ぐ■.猿夢
■.走り回っている男■.警察官の無念■.くねくね
■.今神様やってるのよ■.お下がり■.案山子の神様

『名作・短編』

/">分からないほうがいい">分からないほうがいい/">ヒサルキ">ヒサルキ/">長袖の下に">長袖の下に

/">スイカ">スイカ/">猛スピード">猛スピード/">全く意味がわかりません">全く意味がわかりません


/">巨頭オ">巨頭オ/">マイナスドライバー">マイナスドライバー/">最後の写真">最後の写真



■.分からないほうがいい ■.ヒサルキ ■.長袖の下に
■.スイカ ■.猛スピード ■.全く意味がわかりません
■.巨頭オ ■.マイナスドライバー ■.最後の写真
   
【洒落怖】 まとめデータベース







著者プロフィール
Sharetube