紅茶ピンチで値上がり?インド・ベンガル州ダージリン地方でいまだ続くデモ
2017年6月17日ダージリン茶産地デモ拡大 インドで自治州求め3人死亡
ダージリン茶で知られる紅茶の名産地のインド東部ダージリンで、ネパール系住民が自治州「ゴルカランド」の設立を求めてデモを拡大させ、インド紙によると、17日には治安部隊との衝突で活動家ら3人が死亡、治安部隊の要員約40人が負傷した。世界遺産の「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」も運行を停止するなど、影響が広がっている。
グルカランド=ゴルカランドインドの西ベンガル州にあるグルカ族(ネパール山岳民族の総称)
イギリスの傭兵のグルカ兵としても有名
国内でも一部報道されていますが、セカンドフラッシュの収穫ピークを迎えた6月前半から、インド・ダージリンでは政治的対立を背景に、すべての茶園および公共サービスなどがストライキに入り、お茶の収穫などの作業ができなくなりました。2017年7月5日現在、事態は解決していません。
出典:【LUPICIA】インド・ダージリンの現状について(2017年7月5日) ダージリン紅茶のクオリティシーズン。一般的にマスカテルフレーバーを有するとされる茶葉は全てこのセカンドフラッシュである。他の収穫期と比べ高品質とされ、高値で取引される。 中級品とされ比較的安価で手に入れる事が出来る。香りは少々劣るものの、比較的濃厚で丸みを帯びた味が特徴でミルクティーにも合うとされる。
ダージリン紅茶のファーストフラッシュは特に日本やドイツなどで人気が高く、若々しい爽やかな香りが特徴。しかしながら「青臭い」や「薄い」などと言われる事も在り、好みが分かれる所である。セカンドフラッシュ(夏摘み)
「多くの業者は2016年に収穫したセカンドフラッシュの在庫を持っており、今年9月まではそれでまかなえると思う。その後は、在庫が尽きるだろう」
コルカタに拠点をおくグッドリック社のディレクターは「セカンドフラッシュがまったく収穫できなかったのは今回が初めて。茶園は完全にセカンドフラッシュの量と質に依存している。今回は量では20%、収入では40%の損失となり、業界にとって致命的な被害となった」と語った。
出典: 民族紛争でダージリン紅茶のセカンドフラッシュ収穫できず 6/13には、これを受けてすべての商店がシャッターを閉め、農園もすべて操業を停止しました。ストライキは過激化し、ダージリンエリアの州としての独立を目指す大きな動きとなりました。西ベンガル州からの分離独立を目指す勢力は軍や警察と衝突し、死傷者も少なからず出ている状況です。こうして一か月が過ぎ、ダージリン全体で、生活に必要な物資が枯渇するような状況に陥っています。