<未解決事件>京都精華大学生通り魔殺人事件とは

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京都精華大学生通り魔殺人事件

京都精華大学生通り魔殺人事件(きょうとせいかだいがくせいとおりまさつじんじけん)は、2007年1月15日に京都市左京区で発生した殺人事件。捜査特別報奨金制度対象の事件で、2014年現在未解決。

出典:京都精華大学生通り魔殺人事件 - Wikipedia

	

無念

2007年1月15日(月)午後7時50分、京都市左京区岩倉幡枝町の路上で、男性が胸などを刺されて倒れているのを通行人が発見、119番通報した。

 刺された男性は京都精華大学マンガ学部マンガ学科1年の千葉大作さん(20歳)で、市内の病院に搬送されたが約1時間20分後に死亡した。死因は失血死。千葉さんは胸、腹、背中、太腿の裏側などを十数箇所を刺されていた。


 現場は国際会館の北、叡山鉄道鞍馬線木野駅南約100mの閑静な住宅街。

 事件の直前には現場で千葉さんらしい男性と男の2人が言い争うのを目撃していた人がいた。

 千葉さんは第一発見者の通行人に「知らない人に刺された。通報してくれ」と頼んでいる。この通行人は歩道に隣接した畑で倒れていた千葉さんと近くにしゃがみこむ男を目撃していたが、不審に思って約30秒後に引き返したところ、男の姿は消えていた。

 この男は灰色のスウェット(後に黒っぽい上着ということになっている)、黒いズボンを着ていたという。最初の目撃では、男の隣に自転車(黒っぽいママチャリ)があったが、自転車は男の姿とともに消えていた。

 現場には千葉さんの白い自転車、携帯電話、リュックサックなどが残されていたが、リュックの中には現金入りの財布がそのまま残されていた。


 千葉さんは仙台の高校入学時から京都精華大に入りたいと考えており、高校卒業後、京都で浪人生活を送っていた。前年4月に念願の京都精華大学マンガ学部に合格し、漫画家になるという夢を持っていた。

 事件後、同大学の講師や学生らが京都府警と協力して、事件の情報を求める漫画冊子を発表しているが、この作品からは千葉さんのさわやかで温和な優しい人柄が伝わってくる。


 当日の千葉さんは雑誌編集などの講義を終えて教室を出ると、大学構内の駐輪場で友人2人と別れた。これが午後7時40分頃のこと。千葉さんは自転車に乗って自宅アパートではなく友人宅に向かっている。そして自転車に乗ってからわずか5~10分ほどで難に遭っている。

 

 また自転車のサドル部の変形具合から、自転車にまたがったまま約1.5m下の畑に転落したものと見られた。凶器は見つかっていないが、千葉さんの体に残された刺傷は1、2cmほどと、小型の携帯ナイフのもので襲われたと見られ、特に抵抗らしい抵抗もできないまま、メッタ刺しにされていた。


 男は転落した千葉さんを追いかけるように畑に降り、メッタ刺しにした。犯人と見られる男は、畑に転落した千葉さんに背を向け、顔を隠すようにしゃがみこんだ。男が自転車に乗って現場を立ち去ると、千葉さんは歩道に這い上がり、自分の携帯電話で通報しようとしたが、ここで力尽きた。千葉さんは亡くなる前、「(男は)自分より少し年齢が上に見えた」と警官に伝えている。


出典:京都精華大学生殺人事件

	

暗い道を、逃げる

事件現場で千葉さんと一緒にいる犯人らしい男の姿は、複数の人が目撃していた。しかし目立つ自転車に乗る千葉さんを覚えていても、男の方の顔についてははっきりしない情報が多かった。

 男はおかっぱ風の髪型、ボサボサの髪を真ん中で左右に分けていた。

 現場に残された足跡から靴のサイズは28cm以上と、かなりの大柄であるらしいことがわかる。靴はトレッキングシューズのようなアウトドア用のもので、外国製であるという。


 たまたま事件現場を通行した車の助手席から目撃した人の話によると、男は自転車にまたがる千葉さんの前に立ち、一方的に言いがかりをつけるかのように何かを言っていた。年齢は30歳ぐらいに見えたという。


 現場を自転車で通りかかった人の目撃証言では、男は目鼻立ちが整ったタイプだったという。男は歩道で手を広げて首や上半身を左右に振るという動作で、下の畑に倒れる千葉さんに「あほ!」「ぼけ!」などと怒鳴っていた。(この時の男の特徴的な動きは京都府警のHPで再現映像が公開されている)


 事件から1ヶ月後の2月15日、捜査本部(下鴨署)は男の似顔絵を公開。身長175cmの中肉、年齢は20代半ばと見ている。目の焦点が合っていないという特徴もあった。


 男は自転車で千葉さんと対向し、なんらかの通行トラブルがあった。

 本当に些細なことであったのだろうが、男は興奮し、怒鳴りながらナイフを取り出す。自転車にまたがる千葉さんを刺し、畑に転落した千葉さんを執拗に追いかけてメッタ刺しにした。刺した後、しばらく顔を伏せてしゃがみこんだが、自転車に乗って現場を立ち去る。当初は西の方向へ逃げたという見方があったが、北方向に逃げた可能性もあるという。

 この男の行方は現在もわかっていない。

出典:京都精華大学生殺人事件

	

京都精華大学生通り魔殺人事件

			

心当たりのある方は警察に

発生現場の写真(遠景)

			

発生現場の写真(近景)

			

情報提供を求めるポスター

			

年齢 20~30歳

身長 170~180センチ

髪 センター分け(ボサボサ)

上下黒っぽい服装

黒っぽいママチャリ風の自転車に乗っている。

興奮すると、顔や上半身を左右に振り言葉尻に「アホ、ボケ」を連発し、目の焦点が合っていない。
	
	

連絡(通報)先

京都府下鴨警察署 

「左京区岩倉幡枝町における殺人事件捜査本部」

電話075-703-0110(代表)

直通フリーダイヤル 0120-230-663(無料・24時間受付)

出典:京都府警察/左京区岩倉幡枝町における大学生殺人事件

	

京都精華大生殺害事件 母親が手記

平成19年1月15日、京都市左京区岩倉の路上で京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん=当時(20)=が殺害された事件は、未解決のまま、事件発生から7年を迎えようとしている。千葉さんの命日を前に、母・淳子さんが産経新聞に手記を寄せた。


 『大作の事件のあとにも、残虐な事件が後を絶ちません。どのようにしたら犯罪が減っていくのか。世の中がどのような方向に進んでいけば、大作のように理不尽に命を落とさないですむのかを考えないではいられません。


 事件後、なんとか大作とつながることはできないか…と考えて日々、大作を追いかけながら過ごしていました。


 そんなとき、友人からわかりやすいお経のコピーをいただきました。声に出して読むように薦められ、お経の意味はわかりませんでしたがふりがなが書いてあったので読むことができました。たどたどしいはじまりでしたが、それでもお経はこちらから働きかけて大作とつながることができるような数少ない機会と思い、ずっと続くことになりました。


 お経を唱えると大作に届いているような気がして、大作とつながっているような気持ちになっていきました。日常でも大作が近くに感じられる思いが重なることがあると前向きになれますが、大作から言葉は返ってきませんし、大作と話したいという思いは叶いません。


警察の方々が、できる限りの捜査を行ってくださっております。警察の方々の地道な捜査や捜査にご協力くださる方々、大学関係の方々、冊子配布の取り組みを続けてくださる方々、そして現場近くのご住職さまはじめ、地域の方々、大作のために懸命に支えてくださるみなさまのお気持ちが力となって、きっと犯人の逮捕につながると信じております。


 事件から今日まで、皆様それぞれの方々が本当にお忙しい中、大作のためにお力を尽くしてくださっていることに感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。


 犯人に対しての思いは、事件当時から変わりません。目を覚ましてください。とりかえしのつかないことをしたことをはっきりと認め、自首してください。大作を私たち家族のもとへ返すことができますか。せいいっぱい生きていた大作のかけがえのない大切な人生を、大作に返すことができるのですか。大作に心の底からわびてください。心の底からです』

出典:

	

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