スマホで撮影していたプライベート写真が…。

「自分が携帯電話で撮影したプライベートな写真が見られていたかと思うと気持ち悪いですし、本当に腹が立ちます」
そう語るのは、タレントの尾崎ナナ（33）。5月18日、長崎県在住の会社員・金子大地容疑者（29）が警視庁サイバー犯罪対策課に逮捕された。容疑は不正アクセス禁止法違反である。
金子容疑者は、芸能人や一般人女性たちのアイクラウドやフェイスブックに不正にアクセスし、個人的な写真などを“のぞき見”していた。
もし、自分のプライベートな写真が赤の他人に見られていたとするとゾッとする。ましては、顔が知られた芸能人たちの場合はなおさらだ。

数百人の芸能人が被害に

押収した容疑者のパソコンからは、著名人など約1千件のIDやパスワードが見つかり、そのなかには長澤まさみ（28）、北川景子（29）、武井咲（22）、紗栄子（29）などの名前もあったようだ。
　
尾崎も被害者の1人。　
「冬ごろに、警察の方に呼ばれて、事件のことを初めて知りました」
　
彼女は昨年12月に結婚したばかりで、北川と同じく“新婚”だ。　
「主人や家族と撮影したプライベートショットも、（容疑者に）見られた可能性があるそうです。自分の私生活を全部、容疑者に知られてしまった感じで、とても怖かったですね。　警察の方からは、200人ほどの女性タレントが被害にあったようだとも聞いています」

親密な写真が流出することも

なかには交際相手との親密な写真などを見られてしまった女性もいたかもしれない。高度な専門知識やテクニックが必要なイメージだが、実は手口は意外に単純なのだという。例えばアイクラウドにログインするためにはIDとパスワードが必要になるが、
ITジャーナリストは、
「根気があればハッキングは誰にでも可能です。1カ月ほど前に、ある芸能プロダクションから『所属タレントたちの個人情報への不正アクセスが可能か調べてほしい』という依頼を受け、試したことがあります。結果的には1人の女性のIDとパスワードを特定することに成功しました。名前・生年月日・趣味などの情報をもとに、組み合わせを変えて試していくという方法ですが、金子容疑者も同じような手口を使っていたそうです」

被害のを防ぐためには

では被害を防ぐためには、どうすれば良いのだろうか？
　
「まずIDやパスワードを長いもの、推測されづらいものにすることです。ひと工夫も大事で、例えばニックネームが”まきちゃん”だったとしたら、《makichan》ではなく、ひっくり返して《nahcikam》にするだけでも、かなり推測が難しくなります」
　
「実は不正アクセスの痕跡があるにも関わらず、見落としてしまっているケースも多いようです。例えばフェイスブックですと、いつもと違うスマホやパソコンからログインされると、その旨がメールされてきます。実は他人がアクセスしている可能性もあるので注意が必要です」

芸能人だけではない。私達も写真流出には最新の注意を。

「スマホにダウンロードしたアプリにウイルスがついていて、感染するとスマホ内の画像を勝手に投稿サイトに送ってしまうものがあるんです」
　
対応策はあるのだろうか。
　
「無料アプリはもちろん、有料でもウエブ雑誌などで安全性を確認し、信頼できるアプリを利用することが大事です。セキュリティソフトは必ず入れてください。パスワードもアルファベットと数字を組み合わせ、定期的に変えることが大事です。『忘れちゃう』という人は、名前の後ろに数字をつけ、その数字だけをマメに変えるなどの工夫をしてほしい」

SNS時代は、いったん流出してしまえば一気に拡散してしまう。身を守るためにも自分のIDやパスワードを“盗まれない”ものにする対策が必要のようだ。