家畜大量死の原因は「ゾド」…モンゴルで動物・人間を襲う社会問題とは

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家畜が2年連続で大量死

モンゴルと言えば、夏は暑く冬は寒いお国です。夏は30度にまで達する日もあるし、冬はマイナス30度を下回ることも。

日本に住んでいれば経験することのない極寒さですが、こんな気温差の大きいモンゴルで、社会現象にまでなってしまう問題が発生しています

それは、家畜動物の大量死です。だだっ広い草原でロバを引く人、という光景をテレビなどで見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。モンゴルの田舎のほうでは多くの人が家畜によって生計を立てており、人々にとって非常に大切な存在です。しかしそんな家畜たちの大量死が、近年重大な問題として取り上げられています

大量死の原因は「ゾド」

動物たちを大量死させている原因は「ゾド」と呼ばれる極寒害です。モンゴル語で”真冬の厳しい状態”という意味。夏は30度にまで上昇する気温がマイナス30度にまで達すると、それがとてつもない差であることはなんとなく想像がつきます
ゾドが起きると、家畜は夏に十分な牧草を食べることができず、脂肪が蓄えられなくなるので、寒さに耐えられず多くが死に至ります

出典:モンゴルで家畜が大量死 その原因「ゾド」とは(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース

	
ゾドは、夏と冬の気温差だけでなく、夏の干ばつにも悪影響を及ぼします。家畜たちのエサとなる牧草が欠乏し、冬に向けての蓄えができなくなってしまうのです。じゅうぶんに食べなければ脂肪を蓄えることができず、細い体では寒さに耐えることができません。

ゾドが人間にもたらす被害

モンゴルには、親元を離れて寮のような場所で生活している子どもたちがたくさんいます。そんな子どもたちの生活の場がゾドに襲われてしまうと、学校に行けないばかりか食糧の確保すら困難になってしまうこともあるというのです。

ゾドによる被害は消えない